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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼 ( No.46 )
- 日時: 2013/03/23 16:21
- 名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)
32話「来訪者に一同は」
暫く呆然としていた幹部達の中で、最初に口を開いたのは原田だ。
「ちょ、待て!お前…」
「妹ちゃんがいるなんて聞いてねぇぞ、真琴!」
「うん、だろうね。言ってないもん」
「何ーーーっ!!」
そんな光景に、土方はため息をついてこめかみを押さえる。
「にぎやかで楽しい方達ですね」
「あぁ…賑やか過ぎる…」
そんな様子を見て、浅葱の髪をもつ兄妹はくすくすと笑った。
と、千鶴がはっとして声をかけた。
「あの、茜さん。その身なりだと…」
「え?あ、忘れてた。兄上、着物をお借りできますか?」
血にぐっしょりと濡れた茜音の着物は、遂に袖の辺りから血の雫を
落とし始めている。
これでは直に、血が落ちなくなるだろう。
「こちらへどうぞ。お顔にも血がついてますし」
「ご丁寧にどうも。では、お言葉に甘えて」
結局、土方の微かな希望はあっさり砕かれ、茜音は新選組屯所に
世話になる事が、流れ的に決まってしまったのである。
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