二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼 ( No.47 )
日時: 2013/03/30 22:43
名前: 流夢 (ID: O72/xQMk)

33話「冗談の通じる鬼」


「あ、この兄上の袴!!まだ着ていたのですね?」
「ん・・・。俺も好きだからさ」
「今着ていないのなら、何でも貸すけど・・・」
「じゃあこれ貸して下さい。色味が兄上好みで好きなんです」
「いーよ。着な着な」

茜音はにこにこしながら、千鶴の部屋へ走っていく。
真琴は逆に疲れたような笑みを浮かべながら茜音に手を振っていた。
久々に会って嬉しいだろうが、久々だからこそ、妹のテンションについていけないのだろう。
先程から異様に眼を輝かせている茜音は、相も変わらず突っ込みどころが難しい。

「それは・・・変わんないなぁ・・・」

真琴は懐かしむ様に笑う。

「兄上ー!着れましたよ。久々に袴穿いたから難しかったですけどっ」

そう言って走ってくる茜音は、髪型も変えてあり真琴と瓜二つ・・・ではないが、かなり似ていた。
只、袴が真琴サイズなせいで、多少なからずぶかぶかであった。
下手すると袴を踏んで転ぶだろう。
真琴は其れを見て、開いた口が塞がらない。

「兄上ってこんなに大きかったですか?なんか、丈が全然合わなくて・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・あの、兄上?私、何か可笑しいでしょうか・・・?」
「茜音・・・あのさ、丈が合わないのは当たり前だと思う・・・んだけど、思ってた以上に色っぽいから・・・!!」
「っ!!あ・・・に、うえ・・・此の期に及んでそんな考えをっっ・・・!」

茜音がぷるぷると震えだす。

「あぁあぁああ!御免、冗談だってぇぇええ」