二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼 浅葱色の風と放浪鬼 ( No.9 )
日時: 2012/11/20 18:07
名前: 桜舞姫 (ID: O72/xQMk)

6話「放浪鬼の個室入り」

だだだだっと今までいた部屋に戻ってきた。部屋に先程自分が置き
忘れた手拭いを見て、

「あーこの部屋だ。俺の記憶力も大したもんだなアッハッハ!」

模範的な自画自賛である。

「さ、てと…荷造りってのが必要だよね〜♪」

微妙に日本語の使い方を間違っている気もしたが、気にしないでおく。
さっさと用意を済ませ、縁側に三味線を抱いて腰掛けた。

「……はぁ…初日から忙しかったなぁ…。」

一言感想を呟いて、形のいい唇を静かに開いた。そこから流れるは、
澄んだ歌声。

「散りゆく桜を、風は攫う…何処へ攫うのか、誰も知らぬ事…♪」

景色を見て即作詞した歌詞が、三味線の音と共に響く。

「桜の花は、何を思う…散りゆく運命と、受け入れるか…♪……
 …誰だっ!?」
「あ、す、すみません!!」

気配に気づき、真琴が廊下の隅を睨みつける。そこから謝りながら
飛び出してきたのは

「…え…?」
「す、すみません。歌声が聞こえて…つい!」

そこにいたのは、男装をした少女。そして、真琴の予想しない相手で
あった。