二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幽☆遊☆白書 - 化猫の憂鬱 ( No.2 )
日時: 2012/11/15 21:30
名前: 柚の葉 ◆ENxDGhzOpg (ID: 4gRQ5d2w)


 イマナンテイッタコイツ。
 幽助の気も知らずに“悪夢の紅猫”は妖しくにっと口の端をつり上げて微笑んだ。


 二話 「浦飯幽助」


「だから何か持ってないかって聞いてんの。腹減っちゃってさ?」

「知るか馬鹿野郎!! ったく何なんだよてめぇは!! おいぼたん——ってぼたん?」

「き、気が抜けすぎて腰も抜けちまったよ……」


 ぼたんが弱々しく言うと幽助は最高の溜息をついた。
 一方“悪夢の紅猫”は林檎を食べ終えた様で種をぺっとはきだしながら幽助とぼたんを見た。
 サングラス内の紅い瞳がすっと細まる。


「で、何の用かな? てゆか誰よアンタら?」

「俺ぁ浦飯幽助だ。てめぇは……“悪夢の紅猫”だろ?」

「…………」


 足はガクガク震えて冷や汗も出てきた。だが幽助は妖艶に笑いながら言った。
 “悪夢の紅猫”は幽助を見て小さく笑う。そしてどこからか林檎をもう一つ取り出すとまたかじり始めた。


「うん、やっぱうまし」

「って人の話聞けやテメええええ!! のんきに林檎かじってんじゃねぇぞー!!」

「へえ、林檎って言うんだ。りんご。うん、良い響きね」

(何なんだコイツ!? 決して強そうに見えねぇ!! つか俺より弱そうだぞ!?)


 完全に“悪夢の紅猫”のペースに乗せられた幽助は苛立ち始めた。
 それに気づいた“悪夢の紅猫”はちらりと幽助の方を見て、それから林檎をかじるのを一旦止める。
 そして——音もなく木の上から地面に降り立った。


「ったく……人の食事中にうるさいのよ」

「んなこたぁどーでもいい! さっさと俺の質問に答えやがれ!」

「“悪夢の紅猫”かって話? んー、まぁ……そうかもね」

「じゃ、じゃあもう一つ聞きたいんだけど……どうして人間界に来たんだい? 何かするつもりかい?」


 ぼたんが恐る恐ると言った感じで尋ねる。
 “悪夢の紅猫”はぼたんの方を見て妖しく微笑んだ。それを見てぼたんは小さく悲鳴を上げる。


「なぁに、ちょっと来てみただけだよ。何かしようとか言う目論見はないね」

「……本当か?」

「本当本当。ただ来ただけだから、さ」

「……よっしゃぼたーん!! 帰るかー!! 任務しゅうりょ——」

「……うし、今から食後の運動に人間ぶっ飛ばしに行くか……」

「待てーい」


 ボソリと小声で呟いた“悪夢の紅猫”だったがバッチリ幽助の耳に届いた。
 幽助はその場を去ろうとした“悪夢の紅猫”のコートをがっしりと掴んで制止した。
 

「人間ぶっ飛ばされちゃ困るんだよなー? なぁぼたん?」

「当たり前だよ」

「冗談冗談。あ、何ならアンタが相手してくれる? ちょっと運動したくてさ?」

「え」


 幽助ではなくぼたんが固まった。ちなみに幽助も少々驚いている。
 コエンマからの説明では“悪夢の紅猫”はS級妖怪。死ぬ気でかかっても殺される。
 おそらく会話している今でも相手がその気になれば一瞬でやられるだろう。
 つうっと流れる汗を感じながら幽助は頷いた。


「いいぜ、やってやるよ!」



 ▼.

 
 食後の運動=肉弾戦な紅猫さんです。
 てゆうかそろそろ名前出したいです……。紅月……。
 次回は幽助vs悪夢の紅猫ですかね。
 まだそこまで激しくは無いと思いますが。

 蔵馬とか飛影とか早く出したいn(((