二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 幽☆遊☆白書 - 化猫の憂鬱 ( No.3 )
日時: 2012/11/16 21:37
名前: 柚の葉 ◆ENxDGhzOpg (ID: giYvI9uD)



 静かな森の中で二人は睨み合う。
 風が強く吹いた瞬間、二人は地面を蹴って殴りにかかった。


 三話 「肉弾戦」


 幽助はすぐさま“悪夢の紅猫”に殴りにかかる。
 ひゅうと小さく口笛を吹いて紅猫はにぃっと愉しげに笑った。


「私の正体知っててそんな風に来る奴は久しぶりだね。いい度胸してるよー?」

「へっ、喧嘩には自信があるんでな!! オラオラオラオラオラーッ!!」

「お、なかなかいいパンチだね! 実はアンタも殴り合いとかしたかったの?」


 飄々としながら紅猫は幽助のパンチを片手で全て弾いている。
 バチンッと思いっきりはじかれたかと思うと、一瞬で紅猫は幽助の懐に入ってきた。
 ニッと笑うと思いっきり幽助の腹に拳を入れる。


「——がっ……!!」

「っと……強かったかな」

「まっ…だまだ!」


 ぼたんは幽助の楽しそうな表情を見て呆然としていた。
 相手はS級妖怪——が、全く本気は出していないだろう。
 だが幽助は楽しんでいる。純粋な“殴り合い”を心から楽しんでいるのだ。


(気をつけなよ幽助……! 相手は最強、何するかわかんないよ……!?)

「おらぁぁっ!!」

「遅い遅い。スピード落ちてきてるわよ?」

「っるせーよ!! そういうテメェこそもっと強いの来いよ!」

(その瞬間あんたが死んじまうよ幽助—————!!)


 顔面蒼白でぼたんは内心で絶叫する。
 紅猫はそれを聞いて少し目を見開いて笑った。幽助も笑う。
 刹那、幽助の体が吹っ飛ばされた。木を折ってどこまでも進んでいく。
 あ、と紅猫が口を開けた時には遅かった。


「やっば、やりすぎた」

「ゆ……幽助ーっ!? 大丈夫かい!? 幽助ぇ!?」

「まぁまぁ良い運動になったよ。あいつにお礼言っといてくれる?」

「え、ちょ、まっ——」

「んじゃ」


 ズラカリヤガッタ————!!
 とぼたんは心で絶叫する。が、気づいたときにはもう紅猫はいなかった。
 慌ててぼたんは幽助に駆け寄る。


「幽助、幽助!! 大丈夫かい!? 無茶しすぎだよ!!」

「——……げぇ」

「……え?」

「——……すげぇ、アイツ」


 片頬を赤くさせながらも、幽助は目を輝かせながらいった。
 そんな幽助を見てぼたんは深いため息をついたのだった。
 ————“悪夢の紅猫”はそれを遠くからじっと見つめていた。その口元に笑みが刻まれる。


「アイツ……強くなるかもしれないわね」


 また会う時が楽しみ。
 フッと小さく笑って、“悪夢の紅猫”はその場を去った。


 ▼.


 次回…飛影とか蔵馬とか出せたらいいn((((
 進みが遅くてすいません(/ω\)
 ちなみに紅猫さんは殴り合いとか大好きです←