二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第2Q 「それじゃあ放課後、『魔王サマ』?」 ( No.13 )
日時: 2012/11/19 17:26
名前: しいな (ID: krVR01Sc)

「入部希望なんですが。」

赤司のクラスに来たのは、170㎝の赤司とそう変わらない身長の少女だった。
その身長だけでも眼を引くのに、顔は整っている。これで人の話題の中心にならないわけがない。
少女の身長に若干驚きながらも、赤司は入部届けを受け取る。

「琥珀澄奈…マネージャー志望か。なら、まずは3軍からスタートしてもらう。その上で、1軍のマネージャーができるかを判断する。」
「ふーん。どうでも良いけど、休憩中って体育館使っていいの?あと、居残り練は?」

澄奈の「どうでもいい」発言に赤司は眼を見開く。
マネージャー志望の女子は大抵スタメンである赤司たちの顔目当てに来るのだ。
瞳孔が開いていつの間にか手にあった鋏をシャキン、シャキンとならしながら澄奈の質問に答える。
周りの生徒は赤司が瞳孔を開いた時点で別の場所に避難していた。
(だって赤司キレると怖いし鋏ならしてるしその子をどうする気ですか魔王さまー!!!)
そんな生徒の心の声は当然二人に聞こえるわけもなく、二人は淡々と会話を進めていく。

「それじゃあ放課後、『魔王サマ』?」
「ああ。遅れるなよ。後魔王って何だやめろ俺はそんなキャラじゃない」
「鋏シャキシャキならしといて何言ってんの。確実に恐怖政治でしょ。」

言いたい事を全て言ってから立ち去る澄奈を見つめて、赤司は静かに笑っていた。


(琥珀澄奈……面白い人間が入ってきた。)









ついでに、立ち去る澄奈を見ていたのは赤司だけではなく、その見つめていた生徒の中で『琥珀澄奈ファンクラブ』が設立されたのを彼女はまだ知らない。

(あの赤司に口答えするなんてかっこいい…!!)
男子には憧れられた。
女子には彼氏にしたいと言われる。
澄奈は一体何処に言ってしまうのだろうか。
(ファンクラブには誰でも入れるぞ!彼女が好きな人は大歓迎だ!)