二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第3Q 「天才だ」 ( No.16 )
日時: 2012/11/21 17:43
名前: しいな (ID: krVR01Sc)

放課後、体育館に来た赤司と緑間は驚いた。体育館には、バスケをする準備が揃っており、恐らくその準備をしたであろう澄奈が、センターラインから3Pを打っていたのだ。
澄奈が放ったボールは、綺麗な放物線を描きバシュッとゴールに入る。
彼女とであってまだ一日目なのに、彼女にはとても驚かされる。

「……琥珀、お前はバスケができるのか?」

澄奈に赤司が話しかけると、彼女はびくっと肩をすくめこちらを振り返る。
シュートを何本も打ったらしい彼女の身体はきちっと温まっていて、すぐにでも走れそうだと赤司は思った。

「なんだ、赤司か。」
「何だとはなんだ。質問に答えろ。」
「チッ…そうだよ。でも、運動制限かけられてるから、内容によるけど大体2時間ってとこかな」

緑間を無視して、小さく舌打ちをしてから答えた彼女の先程の動きは、完璧に何万本も打ち込んできたフォームだった。
何より、赤司も緑間も相当はやく来たはずなのに彼女は準備を全て終え、アップをしっかりして何本もシュートを打っていたのだ。
何も知らないやつがこんなに行動をはやくできるわけがなく、短時間で効率的に身体を温める方法を知っているやつは少ないであろう。
赤司は澄奈に対する認識を改めた。こいつは面白いやつではない_____天才だ、と。

ちょうど赤司が彼女に対する認識を改めたところで、黄瀬、青峰、紫原、桃井が体育館に入ってくる。
青峰は澄奈を見つけると嬉しそうな声で「1on1!1on1しよーぜ!」といい、黄瀬はそんな青峰を見て「え?!なら俺とやるっすよ青峰っち!」と騒ぎ出し、桃井は「何でもう準備できてるの?!」と驚きの声を上げた。
唯一変わらなかった紫原は、

「あらら〜?なんか大きい女の子がいる?」

と?を飛ばしていた。
赤司はそんなスタメンを見てあきれ、「良いからはやく荷物を置いてアップをしろ」と言った。
5人が出て行ったのを確認すると、赤司は澄奈にお願いをした。お願いと言っても、赤司の言う事は絶対なのだが。

「悪いが、琥珀には早速1軍マネージャーをやってもらっていいか。」
「は?」
「青峰が本気を出して1on1できるのは黄瀬しかいなくてな。お前には青峰と毎日1on1をしてもらう」
「え、ちょ、さっきの話聞いてた?」

澄奈は驚いた様な声を上げ、赤司に確認する。
しかし、赤司はもちろん、と良い笑顔で返す。
この瞬間、澄奈は赤司の恐怖政治を理解した。