二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第4.5Q 「さあ…?」 ( No.22 )
日時: 2012/11/24 01:42
名前: しいな (ID: krVR01Sc)

緑間が澄奈に勝負を持ちかけてから3日。
青峰や黄瀬との1on1の休憩中に、桃井が話しかけてきた。

「ねぇ、すみちゃん」

彼女が声をかけてくるのは、澄奈にとっては想定内だった。

「なに、桃井。」
「どうやったらそんなに効率よく仕事ができるの?」

桃井の仕事は丁寧だが、その分少し時間をかけてしまう。
それは、選手のデータを集める桃井にとっては致命的なことで、今までは他の一軍のマネージャーに頼んでいたが、桃井はそれをいつも申し訳なく思っていた。
しかし澄奈の仕事を見て、あのスピードで仕事がこなせれば解析も十分にできる、と踏んだのだ。
澄奈も、そう桃井が考えるのはわかっていた。
澄奈が5つの仕事を終えたとき、桃井は1つ目の仕事をやっと終えたところだった。澄奈はその遅さに驚いて、「残りの仕事はすべて私がやるから解析に回って」と追い出した。
だからこうなることは予想していたのだが。

「さあ…?」
「さあ…?じゃなくて!」

澄奈は特に意識をして仕事をしていたわけではなかった。
彼女自身バスケットを長年やっていたというのもあって、選手の気持ちが他のマネージャーよりもわかりやすい。
だから、これを説明しろ、という方が無理な話であった。

「洗濯とかは中に服突っ込んで洗剤量って入れればお終いだし、スポドリだって粉入れて水で薄めて終わりじゃん。それ以外のマネの仕事は特にないから、他の軍に行ってるだけだけど。」
「は…量るのに時間かかるじゃん!なんでそんなにうまくできるの?!」

桃井は、料理関連については壊滅的なほど苦手だった。それは、指先が器用でないことも助長していたのだが。
澄奈は桃井の仕事を見ながら、なんとなくは細かいことが苦手なんだろうなーとは感じていた。

「つか、桃井は器用な方じゃないんだからやんなくていいんじゃん?」
「それは…みんなに悪いし…」
「じゃあ、『桃井がいると進みが遅いからやらなくていい。その代わり解析をレベルアップさせて!』これでいい?!」

若干歯切れの悪くなった桃井に少しイライラしてきた澄奈は、桃井の申し訳ない気持ちを断ち切るために割と強くいった。
桃井は、そんな澄奈の言葉に隠れた優しさに気づいて、嬉しそうに、そして申し訳なさそうに感謝の言葉を告げる。

「…ありがとう。私、解析頑張るね!」
「そうして。」

こうして、桃井が澄奈にさらに懐いたのは言うまでもない。





「たまにドリンク作るの手伝うから!」
「!!それは別にやらなくていいから!!!」
「そう?」