二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【学園アリス】 通称:王子の学園生活 【おりきゃら募集です】 ( No.9 )
日時: 2012/11/25 21:09
名前: 稀琉 ◆QP7KmvqFh6 (ID: NvHaua1/)

>>黒簾香菜様
オリキャラありがとうございます!
登場は遅くなるかもしれませんが必ず使わせて頂きます!

>>Dr.クロ様
分かりましたー!(。-∀-)

>>黎様
階級について、了解しましたっ!あ、キャラ崩壊してなくて良かったです…! 
デューン先生も早く出せるように頑張ります!(`・ω・´)





 ガーッ、ガーッと不気味な鳴き声がする。
 梓と蜜柑はお互いの健闘を祈った後に森へと別の道を辿り足を進めた。



 <<<<<<<<<<<<<<< 第003回 北の森 >>>>>>>>>>>>>>>



「梓、そこに罠が仕掛けられてるから気をつけて」
「あ、はい。わ…っ、本当ですね。ありがとうございます」


 妙なトラップが初っ端に仕掛けられていた。
 九六による忠告により梓はそれを免れる。梓達の選んだ道は中々過酷らしい。


「……あの、一つ聞きたいんですけど」
「……どうした?」
「僕達に指示を出したあの子は……一体どんな子なんですか?」


 ——城ヶ崎星羅。
 彼女の瞳はとても冷めていて、少女のような瞳では無かった。
 まるでこの世界に独りきりと言ったような切ない瞳。

 その瞳が脳内に焼きついてしまい、梓は頭の中から星羅が離れないのだ。


「城ヶ崎星羅、俺達の一つ下である四年生だ」
「四年生なんですか。彼女のアリスは…?」


 そう梓が聞くと九六とクロノは少々黙ってしまう。
 どこか不思議そうな表情をした梓に九六が真剣な表情をしながら言った。


「——“マリオネット”のアリス」
「マリオ…、ネット……?? って、あの人を操るといった様な??」
「ええ。強力なアリスの持ち主よ。ついでに病弱で学校に来れない日もあるわ」

「その強力なアリス故に、完全に心を閉ざしている…といった感じだ」



 木々をかきわけながらクロノも教えてくれた。
 そうなんですか、と梓は小さな声で返事をする。少しだけあの瞳の意味を知れた気がした。


「さ、早く行きましょう」
「はい」
「ん? ……変なのが来たな」


 クロノの言葉で梓は前方に目を凝らす。
 確かに変なのがいる。見事に植物がうようよ動いているのである。
 

「気持ち悪いわね」
「……そうですね」
「とりあえず蹴散らしてやろう」


 そう言ったかと思うと、クロノがその植物に向かって手を翳す。
 その瞬間物凄い音を立てて植物が地面に沈んだ。わっ、と梓は驚きを隠せない。
 植物達も驚いたのか「ぎょわぁぁぁぁあっ!!」なんて物凄い叫び声を上げ、地面から抜けて逃げていく。


「す、凄いですね」
「あんな物は楽勝だ。ほら、行こう!」


 この二人は本当に凄い。
 九六の最初の罠に対する素早い反応。クロノのアリスの力。
 心から梓は感嘆した。


「さ、もうすぐ高等部ね。早く行きましょう!」


 数分後に三人は高等部に到着した。
 するとそこには教師が二人立っていた。一人は女性、一人は男性だ。


「日向棗による試験、合格おめでとう」
「ありがとうございます」
「俺はデューン・ブラッドだ。まぁ…これから何かとよろしく頼む」
「こちらこそよろしくお願いします」


 微笑んで返した梓。
 そしてその隣にいた女性教諭に視線を送る。


「あ、えっと…椎名梓です、よろしくお願いします」
「ええ。……試験が終わったのなら早く戻りなさい」
「あ、はい」

「……帰りましょう、梓」


 九六に促されて梓は戻り始める。
 先程の女性教諭の冷たさに驚いた梓に九六が瞠目しながら言う。


「あの教師は誰に対してもあんな感じだから、気にしない方が良いわ」
「……そうなんですか??」
「ええ。桐野舞、英語担当の教師でもあるわ」

「へぇ……。って、あれ? 絶望ヶ丘君は?」
「あれ…? いない…?」





 クロノはデューンと女性教諭——桐野と話していた。
 深い溜息をついてからクロノは桐野に呆れたような視線を送る。


「何でもっと優しく言えないんだ、お前は」
「……うるさいわね」
「デューン、お前が叩き込んでやればいい」 

「桐野が嫌がるんだ」
「……桐野」
「早くアンタも帰りなさい。て言うか私が先に帰る」


 桐野は足早にその場を去っていく。
 その背中を見送った二人は、顔を見合わせてため息をついた。


「これから大変な事になりそうだな…」
「ああ……」

 
 二人の気持ちとは裏腹に、空はとても澄んでいた。