二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ -They killed theirself- ( No.2 )
- 日時: 2012/11/25 17:53
- 名前: りむう。 (ID: Z/MByS4k)
9月1日。
夏休みの明けたこの日は言うまでもなく2学期の始まりの日だ。と言っても、俺は部活でほぼ毎日学校に行ってはいたが。
夏休みの練習は過酷を極めた。3日で1回くらいのペースで吐いた。でもお陰様で体力も筋力も付いた気がする。
…あ、そう言えばまだ名前言ってねぇな。宮地だ。よろしく。隣で歩いてる坊主頭は木村。八百屋の息子。
俺は今、朝練を終え、こいつと一緒に体育館から教室へ向かってる。
+‐01,Appear.
靴箱に着いて、上履きを鞄から出して、履き替えて、スニーカーを自分の靴箱に入れるところで、ある事に気が付いた。
「なぁ木村ァ」
「何だ?」
「俺らのクラスって40人だったよな?」
「あぁ」
と頷く木村。ちなみに同じクラスだ。
「41番の靴箱あんだけど」
これに気が付いたのは、俺の出席番号が結構後ろだったからだ。1学期までは俺の右隣までだった靴箱の、その下に靴が入ってんだから、驚いた。
それに加えて、俺と木村の思考が一致した。
「「転校生か!?」」
「どっちだと思う?」
尋ねてくる木村に、俺はこう答えてやった。
「短髪女子に100円賭ける」
予想外の答えにブフォッ、って吹き出しやがった、木村の野郎。
「賭けんのかよ!wwww」
「じゃねぇと面白くねぇだろ?」
当然だ。長髪もまぁ悪くはないけどな。
まぁいいか、と言う表情で、木村もこう言った。
「眼鏡男子に100円」
「男子に賭けるのかよ」
そんな会話をしながら、教室に辿り着いた俺たちは、荷物を自分の机に置き、担任が来るまでの間、クラスメートと夏休みの出来事を笑いながら話し合った。
ガラガラッ、と教室の扉が開いた。「あっ、山T来たわ」と陸上部の男子が言うと、生徒は男女関係なくバラけ、各々の座席に着いた。
あ、ちなみに山Tってのはとは俺らのクラスの担任の男の教師、山口センセの愛称だ。
山Tは出欠を確認…みたいな事をし、出席簿をパタンと閉じると、「それじゃ…」と切り出した。もしかして早速か。
「お待ちかねの転校生、紹介するぞ!」
教室がわぁっと騒がしくなった。マジで早速だったわ。
男の子かな、女の子かな、どんな子だろう?、様々な憶測が飛び交う中で、開いた扉から教室に入って来たのは、誰も予想していなかったであろう人物だった。
そいつは車椅子に乗り、両手で車椅子のタイヤ部分を回しながら入ってきた。器用に正面を向くと、顔を上げた。
「茨城県の私立妃ヶ丘女学院高等部から転校してきました。舞城秋華です。どうぞよろしく」
わっ!と、教室が沸いた。そりゃ当然だ。雑誌でよく表紙に出ててる顔が自分らの目の前にいるんだからな。
高校生モデル、舞城秋華(まいしろ しゅうか)。
俺も初めて雑誌で見て、変わった名前だと思った。はじめは「あきか」って読むのかと思った。
だが、容姿や顔は間違いなく美人だった。
「えー、舞城に質問ある奴はいるかー?」
と、山Tが言うと、男女問わず一気にみんなが手を挙げた。
「さすがにこれに全部答えるのは…大丈夫か?」
山Tが舞城秋華に言う。「大丈夫ですよ」と雑誌で見るのと全く変わらない笑顔で答える舞城。
それを見て、適当に生徒を当てる山T。
「何で引っ越してきたんですか?」
確かに。それはみんな思っていたようで、頷くのが見て取れた。
「仕事の関係上で。東京の方が何かと勝手がいいから…かな」
「彼氏はいるのー?」
「中学の時には1人だけ付き合ってた人いたけど、茨城に引っ越す時に別れちゃった。それ以来は1人も」
と、慣れた感じに答えていく。
質問コーナーだけで15分以上取られ、次からの予定がハイペースで繰り広げられたのは言うまでもない気がする。