二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ -They killed theirself- ( No.3 )
日時: 2012/11/25 21:02
名前: りむう。 (ID: Z/MByS4k)


翌日。

1番後ろの廊下側に席を構えた舞城は、何かと縁の凝った黒基調の眼鏡をかけ、授業を真剣に聞いていた。


結局、俺と木村の賭けはどちらもハズレで終わった。普通に「女子」ってだけで賭けてれば勝てたのにな。惜しい事した…。
質問コーナーの後も、それだけじゃ足りなかった女子は、休み時間の度に舞城に言い寄っていた。「シャンプーはどこのメーカー?」とか「どんな服が流行なの?」とか、絶え間無い質問攻めにも、びっくりするくらいの対応力で全てに答えていた。
だが、昨日の質問コーナーで、奴が1つだけ嘘をついている事は分かった。

「右足の骨折はどうしたの?」

この質問だ。
舞城はこの質問に、こう答えていた。

「結構長い階段の1番上から転がり落ちたんだよねー…。我ながら馬鹿だったと思うわー…」

と。これは明らかな嘘だった。高校であるスポーツをしていて、そのスポーツの全国大会、しかも今年の夏のIHに行っていた者なら、知らない奴のほうが少ない。

舞城秋華は、妃ヶ丘のバスケ部だった。
そして、今年の夏に、相手のラフプレーによって、右足を複雑骨折した。
世間では、さっきの発言のように発表されたんだが。
この事について、俺と木村、そして大坪と話をした。

「別に嘘ついたところで…何も得はないんじゃないか?」

と、俺が思ってた事を木村も思っていたようで、同じ様な反応だった。
これに対して大坪。

「…何か事情があるんだろうな。それ程気になるなら、本人に聞いてみればいいんじゃないか?」

「…だよなー…。聞いてみるわ、話す機会あれば」


で、今に至る。どうしようか。いつ聞こうか。
時が来るまでは、この事は漏らさないし、聞かない。



+‐02,Trouble.





どうも皆さんこんにちは。舞城秋華ですよ!

昨日この学校、秀徳高校に転校してきて、翌日からいきなり授業って。まぁ、教科書は夏休みのうちに購入済みだし、問題ないけど。
この学校の授業はそんなに難しくない。妃ヶ丘は文武両道が目標の学校だったから、もっと難しかった。勉強嫌いだわー…。特に物理。

でもやっぱり何処行っても転校生の最初の扱いって変わらない。とりあえず質問攻め。正直言って面倒でしかないけど、仕事上の面もあるから、笑顔だけは崩さない。私みたいな職業柄の人って顔崩しちゃえば即クビ、だと思う。と言うか私自身が思ってるから、崩さない。面倒がっちゃいけない。

質問攻めをしてくる人達を見てるうちに、私は人の心情を読み取れるようになっていた。所謂、メンタリズム。
だから分かる。あぁ、この子は私に興味あるな。この子は嫉妬してるのか。この子は私のことが嫌いなのか。

そして今1番私が気に障る…というか、面倒だと思うのは、長身金髪男。と長身坊主。名前は宮地君と木村君…だったっけ?
彼らは私の右足の骨折の理由を知ってる。正直、もう触れられたくない理由だから、面倒だ。

全く、この世界は面倒過ぎる。人間が。


私は私を殺したのに、彼らはそれを蘇生でもさせる気か。
させない。私が殺したのだから。

    私を。私自身の、あのスポーツを。