二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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とある物語の多重交差
日時: 2010/04/18 17:29
名前: 五円玉 (ID: xFQn5lM8)

一度は書いてみたかった、二次小説。
若輩者ですが、どうぞよろしく。

これは電撃文庫作品、とある魔術の禁書目録の二次小説です

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Re: とある物語の多重交差 ( No.2 )
日時: 2010/04/03 22:00
名前: 五円玉 (ID: xFQn5lM8)

とある物語の多重交差 第一話 短期留学

上条ちゃん、今から貴方は短期留学生です〜。
学園都市に在住する高校生、上条 当麻の日曜日は、その一言で完全に潰れた。
日曜日の朝、今日は休みだー、と休日を満喫しようとしていた上条の下に掛かって来た、一通の電話。
身長135cm、ランドセルを背負ってても問題が無いであろう容姿の担任、月詠 小萌からの電話だった。
結論から言えば、電話で伝えられた内容は上記の通りだ。
どうやら、学園都市の各学校で学園都市外部に短期留学をさせる生徒の選考に上条が当たった、という事。
加えて、小萌先生から伝えられたのは短期留学に行く際の荷物、集合場所、などなど。
そして、上条が小萌先生に、どういう事なのか詳しく教えて欲しい、と懇願したのだが、

「忙しいので却下です、上条ちゃん。ちゃんと準備をするですよ〜?」

と、一言だけ告げられ、一方的に電話を切られた。
電話の受話器を静かに元に戻し、上条 当麻は肩を震わせる。
日曜日の朝、突然の出来事に戸惑いながら、その不条理な状況を前に、その思いを声に乗せて、叫ぶ。

「不幸だ────────ッ!!!!」

Re: とある物語の多重交差 ( No.3 )
日時: 2010/04/04 16:09
名前: 五円玉 (ID: xFQn5lM8)

上条は荷物の買い出しを終え、学園都市の街の中を歩いていた。
その隣では、銀髪碧眼の金糸の刺繍を施した修道服を着た少女が不機嫌そうな顔で上条と共に歩いている。
上条 当麻は思う。
自分の隣に、爆発寸前の獅子が佇んでいる、と。
彼女の名は、インデックス。
とある事件で上条と知り合い、今では彼の家に居候するシスター少女である。
彼女はイギリス清教の【必要悪の教会】に属する魔術師で、【10万3000冊の魔導書】の所持者。
実際、所持者という言葉は適切では無く、【10万3000冊の魔導書】の内容を完全に暗記している、というのが適切だ。
しかも、極度の大食いで、空腹になると不機嫌になり、暴れ出すという短所を併せ持つシスターなのである。
そして今、上条が朝から彼女を伴って慌てて買い出しに出た所為で、朝食を食べておらず、その苛立ちは限界な訳で…

「うがー、とうま───────ッ!!!!」

「うわッ、インデックス!? ちょ、噛むな、よせ、やめろって…!! ふ、不幸だ─────ッ!?」

路上で、小柄な体型なインデックスは上条に襲い掛かり、頭に噛み付いた。
上条の抵抗は虚しくも、空腹に耐えられ無くなったインデックスの噛み付きを防ぐ事は出来ず。
学園都市の路上に、【幻想殺し】という右手を持つ、不幸な少年の絶叫が響き渡った。
そして、それから数分後の事。
上条は銀髪碧眼のシスターさんに噛み付かれながらも、付近のコンビニに入り、適当にパンを購入。
インデックスにパンを与える事で、上条は頭を噛まれ続ける事を、何とか回避する事に成功した。
上条は、買った物品が入った袋を手に、再び、路上を歩き始める。
その隣では、パンを笑顔で頬張る、インデックスの姿があった。

「…。幸せそうだな、お前」

「むむ、とうまが朝食を作ってくれなかったからイライラしてたけど、これを食べたらスッキリしたかも」

そっか、と上条は相槌を打ち、噛まれた頭を右手で優しく撫でた。
噛まれた痛みは、まだ残っている。
ちなみに敬虔なシスター、インデックスは上条を噛んだ事も気にせず、食事に熱中していた。

「とうま、とうま。そういえば、とうまは何で朝から買い物に行ったの?」

「実はな、インデックス。俺が短期留学生に選ばれたらしいんだ」

「たんきりゅーがくせい?」

「単刀直入に言えば、学園都市の外に行くって事だ」

「…とうま。それって、とうまが家を留守にするって事?」

「まぁ…、そういう事なんだけど。…インデックスさん、俺も聞いて良いか?」

「何を?」

上条 当麻は、ツンツンと跳ねた黒髪を触りながら、困り果てた顔で、その言葉を静かに告げる。
言葉に、9割の絶望と、1割の希望を含ませて。

「お前、料理って出来るか?」

Re: とある物語の多重交差 ( No.4 )
日時: 2010/04/04 16:50
名前: 五円玉 (ID: xFQn5lM8)

とりあえず、だ。
銀髪碧眼のシスター、インデックスから返って来た言葉は1つだけ。
満面の笑みで、哀れな子羊に慈悲の手を差し伸べるような、優しげな口調で、

「愚問だよ、とうま」

ああ、と上条は晴天を仰ぎ、静かに呟いた。
愚問、その言葉が示す意味は、たった1つ。
料理なんて出来ない、そんな事を聞くなんて愚問だね、という事だ。
上条は思う。
この状況は非常に不味い、と。
短期留学の間、インデックスは家に1人だ。
正直な話、上条はインデックスと居候している間に彼女が料理を作っている所は見た事が無い。
…食ってる所は、嫌というほどに見ているわけだが。

(…仕方無い、小萌先生か姫神、舞夏に頼んでおくか)

彼女の面倒を見てくれるであろう知人は何人かいる。
朝に電話を掛けて来た小萌先生は、世話を焼きたがる性格なので、インデックスが不自由する事は無いだろう。
例え無理でも、近所の同級生、土御門の妹に加え、同級生の姫神なら彼女の世話を見てくれるはず。
とにかく、この問題は保留にしておこう。
まずは、買った物を家に持って帰ってからだ。
ふぅ、と溜息を吐いた上条に、インデックスは不安そうな表情で、

「とうま。…本当に行っちゃうの?」

「まぁ、その予定だけどさ…。…あー、やっぱ不安か?」

「べ、別に、とうまがいなくなって寂しいから言ってるわけじゃ無いんだよ!?」

上条としては、彼女を置いて行くのは酷く不安である。
ふと、彼は自分とインデックスが長い付き合いである事を思い出した。
とある事件で、彼女と上条は関わりを持ったらしい。
らしい、というのは上条は記憶喪失だからだ。
どうやら、とある事件で彼は何らかの衝撃を脳に受けた為、記憶を喪失した、という事だった。
ちなみに、という事だった、というのは上条が記憶を喪失後、最初に目覚めた病院のカエル顔の主治医が言っていたからだ。
インデックスとは、病院の病室で出会い…、いや、正確には再会した。
上条はインデックスとの再会後、記憶を喪失した事を教えず、退院後、彼女は上条の居候となったわけだ。
以降、上条は様々な事件や、様々な人と邂逅し、現在に至る。
色々と思い起こせば、やはり上条はインデックスと長い付き合いだと言えるだろう。

「とうま、聞いてるの!?」

「え…。あ、悪い、全然聞いて無かった」

「とうま、とうま。今の私の気持ちを行動で現してみようと思うんだけど」

「ちょ、何で歯を剥いてるの、インデックスさん!? ちょ、あ、噛まないで、…ふ、不幸…、ぎゃあああああ!?」

またもや、頭に噛み付かれる不幸少年、上条。
そして、またも路地に上条 当麻の断末魔の叫びが上がる、そんな中。

「あれ…? あ─────ッ、アンタ!!」

聞き慣れた少女の声が、上条の耳に入る。
そう、それは正に不幸少年、上条に不幸を運んで来る1人。
学園都市の名門女子校、常盤台の女子制服を着た、茶色の短髪の少女。
彼女の姿を、学園都市の中で知らぬ人間は少ないであろう。
学園都市の能力基準、レベル1〜レベル5の基準の中で、数少ないレベル5。
【超電磁砲】の異名を持つ電気使い、─────────────、御坂 美琴。

Re: とある物語の多重交差 ( No.5 )
日時: 2010/04/07 01:02
名前: 五円玉 (ID: xFQn5lM8)

明日には更新できる…、はず!!
いや、この時間帯だから、正確には今日、か。
ま、兎にも角にも、上げときます

Re: とある物語の多重交差 ( No.6 )
日時: 2010/04/09 22:50
名前: 鯖味噌 ◆/UYeS30HBo (ID: YUZdXVbt)

おお
うまいな・・・見習いたい

禁書目録系のやつでは今見た中じゃ(俺を含む)これが一番面白いなぁ。

よーしおとうさんこれ支援しちゃうぞー


一緒にがんばりましょう^^


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