二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

トリシア、ただいま修行中!
日時: 2010/07/24 16:47
名前: ベリー (ID: 4n3MlAWB)

 この小説は、ほんとにある本の一巻です。トリシアを知らない人も、ぜひ読んでください。
 トリシアは、魔法の勉強をしていますが、失敗ばかり…。ところが、そんなトリシアに、伝説の魔法使いにもできない、すごいとりえがあった!?

 コメしてくれるとうれしいです。
 ※実際の話と、すこし、ちがってます。

Page:1 2 3 4 5 6 7



Re: トリシア、まだまだ修行中! ( No.11 )
日時: 2010/07/23 13:26
名前: ベリー (ID: 4n3MlAWB)

「竜…。」
教室に残ったキャスリーンの顔はこわばっていた。
「キャスリーン。」
レンがキャスリーンのかたをつかんだ。
「いったい、なにをしたんだ?」
「その手をはなしなさい!」
キャスリーンはレンの手をふりほどこうとする。
「君がしたことを先生に言うつもりはないよ。でもね、トリシアが危険なめにあってるんなら、ぼくは許さないからね。」
レンはじっと王女の目を見た。
「……。」
キャスリーンはだまってくちびるをかんでいたが、やがて目に涙を浮かべてワッと泣き出す。
「どうしよう、レンさん!トリシア、死んじゃうかもしれません!」
「何をしたのか、ちゃんと話すんだ。」
レンはあせる気持ちを抑えていった。

Re: トリシア、まだまだ修行中! ( No.12 )
日時: 2010/07/23 13:31
名前: ベリー (ID: 4n3MlAWB)

晴樹さんへ
トリシア、しってるんですか!わたし、トリシア、大好きなんです。フローラも!フローラはしってますか?トリシアを書いた作者の、べつのシリーズのほんなんですけど。質問です。晴樹さんは、男子ですか?それと、何歳ですか?

Re: トリシア、まだまだ修行中! ( No.13 )
日時: 2010/07/24 09:02
名前: ベリー (ID: 4n3MlAWB)

そのころ、トリシアは、必死で竜から逃げ回っていた。手や足には、たくさんのすり傷ができている。
「こんなことなら、攻撃魔法の勉強、しっかりやっておくんだったのに〜。あっ!」
つかれてきたトリシアは、しげみに足を取られて転んだ。顔の前に迫る、竜のきば。熱い息がトリシアの顔にかかる。
(怖い!先生、レン、助けて!)
トリシアは、めをとじた。その時。
コワイ?
トリシアの頭に、声が飛び込んできた。
コワイノハ、ニンゲン。
「えっ?誰?」
そばにいるのは、竜だけだ。
「他に誰もいない……ということは?」
(まさか、まさか!?……でも!)
「あの〜、もしかして?」
トリシアは、竜に声をかけてみた。
ソウ。
「うそっ!」

Re: トリシア、まだまだ修行中! ( No.14 )
日時: 2010/07/24 09:16
名前: ベリー (ID: 4n3MlAWB)

ドウシテニンゲンガ、コトバヲ?
「それはこっちのセリフよ!」
夢かとおもい、ほっぺたをつねってみる。
(……たたたたっ!)
やっぱりいたい。
ニンゲンハ、コワイ。ボクタチヲコロス。
「殺すのは、そっちでしょ!」
コロサレソウニナルカラ、ミヲマモルダケ。
「……ねえ。わたしは、あなたを傷つけないよ。」
ホント?
「うん。けど、ここには人間がたくさんいるから、あなたを傷つける人がいるかも。」
……ドウシテ?
「あなたと同じ。こわいから。」
ワカッタ。スグニ、ココカラハナレル。
「それがいいよ。」
ハナシガデキテ、ヨカッタ。ニンゲンノキモチ、スコシワカッタ。
「こっちも竜の気持ちが分かったから、おたがいさま。」
コンドハモットハナシシタイネ。
「うん。……それじゃ、ね。」
竜は、大きくはばたくと、飛び上がっていった。
「あ〜っ!忘れてたけど、ここどこ!?」
迷子のトリシアを残して。

Re: トリシア、まだまだ修行中! ( No.15 )
日時: 2010/07/24 16:28
名前: ベリー (ID: 4n3MlAWB)

それからしばらくして。
「竜が去っていくのを見たよ。」
しげみの間でトリシアを発見したアンリ先生とレンは、ほっとため息をついた。
「きみが自分の力で追い払ったのかい?」
「わ、わかりません。ただ、竜の言葉が……なんとなく聞こえたような気がして……たのんでみたんです。」
「竜の言葉が……聞こえた?」
アンリ先生は、まゆをひそめた。今まで、人間がそんな能力を持っている例をアンリ先生は知らなかった。たとえ、それが魔法使いであっても。
「でも、夢かもしれません。」
トリシアはだんだん自信がなくなってきた。
「ともかくよかった〜。」
と、レン。
「……そうだね。」
「心配掛けてごめんなさい、先生。でも、たのまれた薬草が見つけらなくて。」
「薬草?」
「ええ、黒アニキ。」
アンリ先生は、こめかみを押さえた。
「トリシア、教えただろう。黒アニキは薬草ではなくて毒草だ。それに、僕は君にそんなこと頼んではいない。」
「えっ!……ということは!?」
トリシアは、アンリ先生の影に隠れている王女に気が付いた。
「キャスリーン!だましたわね!」
「い、言っておきますけど、私は誤ったりはしませんよ!私が先生に話さなければ、あなたは森の中で遭難してたんですから!そもそも、あんな冗談を信じるあなたが悪いのですよ!」
そうどなって、キャスリーンは逃げていった。
「……すごい理屈だ。」
半分、感心するレン。
「お、おこる前に逃げられた〜っ!いつか、絶対、必ず、きっと、謝らせてやるんだから—!!」
「きみたち、まだしばらくは友達になれそうにないな。」
アンリ先生は、笑ってそんなトリシアの肩をたたいた。


Page:1 2 3 4 5 6 7



この掲示板は過去ログ化されています。