二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 【ゴッドイーター】 神になった少年と神機になった少女
- 日時: 2010/11/07 14:18
- 名前: 灰 ◆zbc0mftbJU (ID: 59IXrVGS)
初めての方、初めまして
銀魂の小説も書いてる灰と言います
ゲームあまり得意じゃないんですけど、友人にやらして貰ってすごい面白かったのでたまにやったりしています
太鼓の達人くらいしかやったことがなくて負けまくりで全然ストーリーが進みませんでしたけど最近ようやく終わりました
最近新しいの出て、折角だから小説を書いてみたいな、と思いました
まだ終わってませんが、話はだいたい把握できましたので頑張って書きたいと思います
注意
・ネタばれ嫌いな方は読まない方がよろしいかと思います
・ほとんどオリジナルキャラクターです
・駄文です
・グロテスクです
暇な時でも読んでやってください
主要人物
レン
性別 女
年齢 16
一人称 ボク
使用神機 スナイパー型
両親をアラガミに殺され、神機使いになることを決心。一人称を「ボク」と言い、それを理由にいじめられたりもする。
リオ
性別 男
年齢 16
一人称 オレ
使用神機 長剣型
幼いころ両親に捨てられたと言うこと以外不明。高い身体能力を持っている。
セシル
性別 男
年齢16
使用神機 短剣型
目の前で両親をアラガミに殺され、その時のショックで喋る能力を失ってしまっている。意志を相手に伝える時は表情や文字で相手に教える。
- Re: 【ゴッドイーター】 神になった少年と神機になった少女 ( No.1 )
- 日時: 2010/10/31 23:42
- 名前: 灰 ◆zbc0mftbJU (ID: qO10t4WB)
第0章 『最悪な始まり』
黒く濁った色の空。ここ最近太陽を拝んだことがない。なんでもアラガミと呼ばれる魔物によって異常気象が巻き起こっていると言う。
まだアラガミの襲撃を受けていないここ、フェンリル極東支部。ここでは唯一アラガミに対抗可能な武器、神機を持った戦人達が暮らしている。
「テメェ、気持ち悪ィんだよ!」
「そうそう、男だったらボク、女だったら私! ハッキリしろよ!」
支部内でも問題視されている新人狩りが数人、一人の少女を囲むようにして暴言を吐く。セミロングの黒髪で澄んだオレンジ色の瞳の少女は必死に彼らに謝っている。
「ご、ごめんなさい。 だから、それ返して? ボク……私の大切な宝物!」
「新人は先輩に毎日貢物をよこすのがここの常識なの! だから、こいつは返さねェよ」
「そ、そんなの聞いていませんよ!?」
「あたりまえだろ、オレ達の間だけのルールなんだからよ」
見ると、ボスらしき小太りの青年の手には金縁のペンダントが乗っている。力づくでも取り返そうと少女は手を伸ばすが、他の青年達に床に抑えつけられる。
「返して……ください……!」
知ったことではない、とでも言うかのように少女を上から見下ろし、青年達はその場を後にする。
体が自由になった彼女はそれを追って奪い返そうとする。が、流石に男と女の差、と言うこともあり、彼女は青年に振り払われ、頬に傷を負う。
「しつけェんだよ!」
それだけ言って今度こそ、彼らは少女の前から姿を消した。ゆっくりと立ち上がり、そして自分の部屋へと足を向ける。ゆっくり、ゆっくりと。
彼女、レンは何もできない無力な自分の事が大嫌いだった。昔両親がアラガミに襲われた時には何もできないまま、二人を見殺しにしてしまった。
仇を打とうとようやくこの職にありつけたと言うのに、今度は新人イジリ。いい加減自分の事が嫌になった。
部屋に入り、明かりもつけずにレンはベットに横たわり、目をつぶる。もう一生目なんて覚めない方がいい。そう思いながら。
***
翌日、レンがどこの討伐班に所属するかを知らせる紙が渡された。重く、晴れない気持ちを引きずって、彼女は所定の位置へと足を運ぶ。
1階、エントランス広場。すでにそこには彼女を除いた二人が到着していた。二人とも男性だ。
討伐班には数人と一人、この職について長い、先輩がリーダーとしてつく。
「これで揃ったか」
目に傷を負った男。如何にも歴戦を勝ち抜いてきた熟練の男だと言うことはレンにも容易に理解できた。
「セシル、レン、リオ……か。 オレはガナシア・バーデル。 何だかんだでここでは10年以上は働いてる。 お前達がどんな覚悟でここに入ってきたのかは知らんが、オレの訓練は厳しいぞ」
そう言ってガナシアが不敵な笑みを浮かべる。ただ、そんなことは、今のレンの耳にも入らないし、目にも映っていなかった。ただ頭の中がボーっとしているだけだった。
「————そんなわけで、明日12時集合だ」
レンがハッと我に帰った時にはもう会議は終わっていた。
ガナシアはそんなことを知る由もなく席を立ち、どこかへ歩いていってしまう。
「え……あ、あの……何処に集合でしたっけ……?」
焦り、まだ近くにいたリオに彼女が訊ねる。
「聞いてなかったの……?」
「う、うん」
「……またこの場所に12時集合……それだけだけど」
恥ずかしさが頂点に達し、彼女は礼だけ言って早足で自室に戻って行った。
「はァ……ボクってば全然ダメだなァ……。 父さんや母さんの仇を取るって決めたのに……何やってるんだか……」
レンは女性なのにも関わらず、自分の事をボク、と呼ぶ。幼いころからの癖で、今も直そうと思っても直せない。よくからかわれたりもしたものだが、今ではもう慣れっこだ。
「女の一人称がボクって、そんなにおかしいかな……あれ?」
ない。
その言葉がレンの頭の中で回り続ける。
携帯がない。
どこで落としたのか分からないが、とりあえず広間に戻って確認しよう。そう考えてレンはまた来た道を戻る。
すると、またもやレオに出逢い、彼に呼びとめられる。
「なあ、お前さっき携帯広間のソファに忘れて行かなかった?」
「え、広間のソファの上? それボ……私のかも!」
「それともう一つ良いかな? 何で頬にそんな傷負ってるの?」
「これ? これは————」
新人イジリの事は他人に知られたくはなかった。一瞬で頭の中で続く言葉を考え、結果こうなった。
「————さっき神機の手入れしてたらちょっと手を滑らせちゃって頬を掠っちゃって」
「……」
信用していない目で見てくるが、レオはへえ、とだけ言って彼女の横を通り過ぎて行った。安心してため息をつくが、携帯の事を思い出し。またすぐ慌てて広間へと走り出すのだった。
- Re: 【ゴッドイーター】 神になった少年と神機になった少女 ( No.2 )
- 日時: 2010/11/01 22:52
- 名前: 灰 ◆zbc0mftbJU (ID: 15VDPlP.)
明くる日の12時。レンが現地に到着した時にはすでにリオとセシルは待機していた。セシルは眠っているようだが。
「ガナシアさんは?」
「まだ来てない」
その言葉を最後に、その場は沈黙に沈んだ。今は昼で、昼食を取っている物が多いのか、いつもは騒がしいくらいのここも数人の話し声とセシルのいびきしか聞こえてこない。
「そう言えば……これ……」
数分間の沈黙を破り、レオが見せてきたのはあの金縁のペンダントだった。
「え……これ何処にあったの!?」
驚きに目を疑った彼女だが、リオは逆に興味なさ気にさっさとそれを彼女に手渡した。
「廊下に落ちてた。 落し物多いんだな」
「ありがとう! これ、大切な物だったから……」
「……お前……両親は……?」
「両親は……私が幼い時に亡くなりました。 私を逃がすためにわざとアラガミのおとりになって」
「……オレも両親いないよ。 ……捨てられたんだ」
「捨てられた?」
そう言った後、すぐ焦り顔でガナシアが到着する。昨日は怖そうに見えたその顔も、今日は何となく優しそうにレンの目に映る。
「悪いな。 さ、オレの車に乗ってくれ」
***
かなりの距離を走り、レン達は荒廃した街に足を踏み入れる。ヘリを使って移動している職員もいるようだが、新入りはまず車で移動するとガナシアが教えてくれた。
町には当然人の気配など何処にもなく、目に映る建物にはだいたいアラガミが食した跡が見られる。
「そうだな……オウガテイルのコアを5つほど摘出してもらおうか」
ガナシアはそう3人に命令し、街の入り口で待機している。
「ねえ……さっきの続きいいかな?」
「……良くないな」
3人の目の前に、2頭のオウガテイルが立ちふさがる。腕の無い、2本足で立つ恐竜のような顔と鋭利な牙。じっとこちらを見つめ、隙を窺っている。
「オレとセシルが前に出る。 お前は後方で援護していてくれ」
「はい、ボ……私、足を引っ張らないように頑張ります!」
「それと……敬語を使うのやめて、同期だから。 あとわざわざ私、っていい直さなくていいから」
「え……あ、はい」
レンの神機はスナイパー型のシヴァと呼ばれる装甲に青白い光を放つ1本線がはしっている銃。セシルは短剣型の冷却ナイフと呼ばれる冷気を纏う剣。そしてリオは長剣型のブラッドサージと呼ばれるのこぎりを思わすような刃の紅い刀だ。
2人が剣を振り上げ、斬りかかると同時に敵2匹もそれに向かって突進してくる。
オウガテイルはそこまで体が硬いわけではなく、一太刀一太刀が深々と食いこむ。血が吹き出し、耳が痛くなるようん金切り声を上げ、苦しむ。
そして、レンが出る幕もなくオウガテイル2匹はその場に倒れ、動かなくなる。
(あれ……? ボク必要なかった……?)
何となく寂しい気持ちのレンだったが、そんな彼女の気持ちを知る由もなく、リオは刀の先端をオウガテイルに向ける。すると、剣を多い尽くす程の巨大な口が出現する。軽々とアラガミの体をかみ砕き、コアを摘出する。このような行動を捕食、と言う。
「……あと3つ」
2匹のオウガテイルは見るも無残な死体へと変わり、レンは直視できず、目をそらす。
「……こう言うの嫌い?」
「アラガミは憎いけど……でもやっぱり死骸は————」
レンの言葉は突然街中に響き渡ったアラガミの咆哮によりかき消された。今まで聞いたこともないような獰猛なその叫びに、3人の体がびくりと動く。
- Re: 【ゴッドイーター】 神になった少年と神機になった少女 ( No.3 )
- 日時: 2010/11/03 23:25
- 名前: 灰 ◆zbc0mftbJU (ID: xwGoecEw)
すぐに数人の男性がこちらに向かって走ってくる。よく見るとそれはレンをいじめていたあの連中だった。怯えた表情で中には泣きじゃくる者もいた。
「お……お前……!————」
「どうした? この奥に何かいたのか?」
男の言葉を退けてリオが言う。
「み、見たこともねェアラガミがいたんだ! そいつに仲間を三人も食われて……!」
「……あれか」
虎のように素早く、しかしそれでいて巨大な獅子のような容姿の四脚の獣が接近し、彼らを目の前にして急停止する。鋭い眼差しがまるで釘を打ったかのように彼らの体に突き刺さる錯覚を覚える。男達は悲鳴を上げてさっさと逃げ出す。
「リオ! このままじゃボク達も危ない! 早く逃げよう!」
レンの呼びかけにも答えず、リオはじっと獣の姿を見つめる。
「リオ!」
いくら叫んでも彼は一歩も動かない。ゆっくりと、獣の前足が振り上げられる。セシルが連れ戻そうと手を伸ばすが、前足はほとんどリオを押しつぶす瞬間だった。
目をつむって、耳をふさぐレン。金属音が響きわたったのは耳をふさいでいたレンにも分かった。恐る恐る目を開くと巨大な楯がリオの前に展開されていて、獣の爪を抑えている。
「何してんだ!! 早く逃げねェか!!」
怒鳴ったのはガナシアだった。そこでようやくリオは動きを見せた。セシルに手を取られ、連れて行かれる。
「ここはオレが食い止める!! お前らはできる限り遠くに逃げてヘリの要請をしろ!!」
「は、はい!」
2人を追いかけてレンも走り出す。すぐ後ろで楯が獣の爪とぶつかって金属音を立てているのが良く聞こえる。
***
荒廃の町を出て3人はようやくそこで止まり、レンはヘリでの救命要請を行った。
「すぐ出るからその場で動かずに待ってろだって」
セシルはありがとう、とでも言うつもりなのか、笑顔で手をあげる。
「え……もしかして……今まで喋らないと思ったら貴方もしかして喋られないんですか?」
コクリと頷いた彼を見てレンは驚きに声を上げる。
「セシルは小さい時から喋ることができないらしい」
リオが喋れないセシルの代わりに説明する。大丈夫かと訊ねようとしたが、何故かその言葉が出ずに、飲み込んでしまった。
「何でも、小さい時アラガミに家族全員食い殺されてその時のショックが原因らしいけど」
今度は寂しそうな表情になって頷く。いつの間に彼からそんな情報を聞き出したのか分からないが、それについては特に触れなかった。
「ねえ……今度こそいいかな? 捨てられたってことは君にも親はいないの?」
「……どうだろうな。 今まだ生きてるのかもう逝っちまってるのかはオレにはわからない」
「……なんか、ボク達みんな似た者同士みたいだね。 親を亡くして、こうして同じ場所で戦ってる。 ボク、この班に入れて良かったかも」
初めて極東支部に就いて良かったと、レンは笑顔になる。リオやセシルもそれに吊られて笑みを見せた。
これが始まり。笑顔で始まる悲しみのレンの物語の始まりとなった。
第0章『最悪な始まり』 完
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