二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜
- 日時: 2010/12/12 15:57
- 名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)
どうも、気まぐれです
今回はサザエさん一家が、いきなり超能力を持つところから始まります
バラバラになった家族が平和に暮らせるためにサザエさん達が奮闘します
それでは、どうぞ!
第1章「選ばれてしまった家族」
>>1-
- Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.5 )
- 日時: 2010/12/07 14:22
- 名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)
一方、サザエとタラオは我が家で親子水入らずの時間を過ごしている。コーヒーの匂いがサザエの鼻をくすぐる。すると、突然タラオが一枚の紙を見せてきた。紙にはコーヒーを飲んでいるサザエが描かれていた。サザエは驚いたように
「いつのまに写真を撮ったの?タラちゃん」
とタラオに聞く、タラオもびっくりしたように
「カメラなんて使ってないです。勝手に絵が出てきたですよ。」
と答えた。タラオがついた可愛い嘘だと思い、この絵を部屋に飾ろうと思うサザエであった。
夕方になってマスオと波平が一緒に帰ってきた。子供達が仲良く二人を玄関まで迎えにいく、夕食になって家族が今日あったことを話し始めた。ワカメがいつの間にか教室に居たこと、フネが拾った財布の持ち主の顔が鮮明に浮かんだこと、タラオが写真のような絵を描いたことなどが話題に上った。しかし、その中でカツオが黙って食事を食べている。彼はテストで20点を取ってしまったことを波平から隠そうとしていた。カツオが焼き魚に箸を伸ばしたとき
「カツオ、テストで20点だったのか」
波平が口を開いた。カツオは心臓が止まるほど驚いた。それと同時に口を開き
「ど、どど、どうして分かったの!?」
「仕事中、急にカツオの声が聞こえてな」
「お兄ちゃんは、なんて言ってたの?」
興味津々なワカメが波平に聞く。
「うむ、お父さんに見せたらマズイ!と言ったおったな。それに今、テストを小さく畳んで服の中に隠しておるだろ」
これを聞いた、マスオが茶碗を卓袱台に置き、こう切り出した。カツオはテストの隠し場所まで当てられ動揺している。
「まるでテレパシーと透視みたいですね、お父さん」
「テレパシーって何ですか?」
幼いタラオが母親であるサザエに聞いた。
「そうね・・・・離れていても言葉が伝わるっていうことかしら」
「すごいです〜!」
無邪気な声が食卓に響いた時、マスオが叫んだ。
「みんな、急いでテーブルの下に隠れるんだ!」
全員が何事かと思ってマスオを見たが、彼は本気で言っているようだ。その言葉に従い、猫のタマも含め7人と1匹がテーブルの下に集まる。数秒後、家が激しく揺れた。震度3はあるだろうか、かなり大きい地震が襲ってきたのだ。しばらくして、揺れが収まり全員が落ち着いた時にカツオがマスオを見ながら
「マスオ兄さん、なんで地震が来るって分かったの?」
「僕も分からないんだ、急に地震が起こる映像が現れて・・・・・」
その時、地震の影響で不安定になった花瓶がワカメの頭を目掛け落ちてきた。
「あっ、危な〜〜い!!」
サザエが叫んだ瞬間に花瓶の動きが止まり、宙に浮き始めた。
「えっ、花瓶が宙に浮いてる・・・・・」
「サ、サザエ!花瓶を棚に戻せるかい?」
マスオに聞かれ、サザエは花瓶を棚に戻れと念じた。案の定、花瓶はサザエが念じた通りの動きをした。
「間違いない、僕らは超能力を使えるようになっているみたいだね」
ずれた眼鏡を直しながらマスオは確信した。
- Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.6 )
- 日時: 2010/12/08 13:26
- 名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)
「ちょ、超能力ですって!?」
サザエが声を震わせた。マスオは自分の部屋に戻り、帰ってくる、手には一冊の本を持っていた。タイトルには「超能力の存在」と書いてある。本を開き、ページを繰りながら話し始めた。
「少し前に面白そうだから買ってみたんだ。この本には色々な超能力の種類が書かれているよ。今までの話をまとめると・・・・・」
ワカメも一緒に本を覗きながらマスオに聞く。
「私はどんな超能力を持っているの?」
「ワカメちゃんは、いきなり教室に居たんだよね?ということは一瞬で場所を移動できる(瞬間移動)を使えるようになったみたいだ。」
フネも気になったようで、マスオに同じ質問をした。
「お義母さんは、財布に触れた瞬間に落とし主の顔が浮かんだ、ということは触れた物体の残留思念を読み取る事が出来る(接触感応)ですね。」
「接触感応って何?マスオさん」
「物体には持ち主の記憶ってものがあってね、それに触れることによって、その物体の持ち主の顔、どういう時に使っていたかなどの色々な情報を読み取れるんだ。」
カツオは眉をひそめた、どうやら理解できていないらしい。
フネの次はタラオの超能力を調べた。
「タラちゃんは写真みたいな絵を写し出した。ということは(念写)が使えるんだね。」
「パパ、ネンシャって何ですか?」
「タラちゃんが見たものをクレヨンなどで描かなくても頭で念じれば絵が浮かび上がるんだよ、だから写真みたいなものになったんだね。昔の記憶も未来も念写できるんだけど、記憶が曖昧だとぼやけた絵になってしまうみたいだ。」
「格好良いで〜す!」
タラオは体を使ってものすごく喜んだ。
次は波平とカツオの能力をマスオは調べていく。
「お義父さんの能力は恐らく(透視)ですね、カツオくんのテストの隠し場所を当てましたから、カツオくんは(テレパシー)だよ。相手に自分の言葉を声を使うことなく伝えられるんだ。」
どうせなら瞬間移動が良かったとカツオは思いつつ一つの疑問が浮かんだ。
「超能力を使おうと思っていないのに、どうして使うことが出来たの?」
「たぶん、超能力を得たばかりで精神が不安定だったから無意識で使ってしまったんだろうね」
最後にサザエとマスオの超能力を本から探し出した。
「サザエは花瓶などの物体を宙に浮かせた、つまり物体を手を使わなくても操れる(念力)を使えるんだね。ちなみに僕は地震など、これから起こることを予測できる(予知)が使えるみたいだ。」
その時、台所に居たタマの口から火が出た。ライターほどの小さな火だったが、これも超能力かと思いページを再び繰り始めた。
「あった、タマの能力は火を自在に発生させる(発火能力)だね。みんな、危ないから気をつけてね。」
「まさか、私達が超能力を使えるようになるなんて思いもしなかったわ。」
食べ忘れていた夕飯に再びありついたのは、サザエが花瓶を浮かせてから30分後だった。しかし、一口食べたあと居間の窓を叩く音がする。全員が窓を見ると一人の男が外に立っていた。
- Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.7 )
- 日時: 2010/12/07 17:15
- 名前: ACT (ID: nrzyoCaD)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
すごいおもしろいです!!
ホントおもしろい!!
僕もサザエさんの小説書いてるんですけどお互い頑張りましょう^^
- Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.8 )
- 日時: 2010/12/07 17:35
- 名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)
ACTさん、感想ありがとうございます^^
爆想サザエさんも、すごい面白いですよ!
- Re: サイキック!サザエさん〜日常を求めて〜 ( No.9 )
- 日時: 2010/12/08 11:48
- 名前: 気まぐれ (ID: i0zh.iXe)
「玄関からお上がりください」
フネが男に言う、男はにっこりと笑いながら玄関へ向かった。窓から見ると暗くて分からなかったが、男は40代ぐらいで身長は170cmほど左目の下にはホクロがあった。男は自分の名刺を一家の主である波平に差し出した。名刺には内閣総理大臣秘書官と書かれている。
「いきなり押しかけて申し訳ありません。私、総理大臣の秘書をしております宇凪登(うなぎ のぼる)という者です。」
非常に丁寧な自己紹介を受け、サザエ達は宇凪を居間に迎えた。
宇凪が腰を下ろした瞬間、波平が宇凪と話し始めた。
「総理大臣の秘書というと、あの城宮竜雄(しろみや たつお)さんの?」
「はい、本来は首相も来るはずでしたが忙しい身でして私だけがこちらに参らせていただきました。」
何故、総理大臣ともあろう方が一般の家庭に来るのかと疑問に思ったのだ。
「こちらに来た理由は外でもありません。昨日、こちらに隕石のようなものが落ちてきませんでしたか?」
「ええ、透明色をした隕石が落ちてきました。」
波平は隕石の特徴を交えながら宇凪の質問に答える。
「その隕石はどこへ?」
「家族全員で庭に片付けましたが・・・・・何か?」
宇凪は詰まった声でこう答えた。
「ここだけの話ですが私ども政府の研究機関で70年前から超能力の研究をしてきたのです。そして近年、超能力を使える源となる物質が発見されました。しかし、その物質は宇宙にあり採取することが困難だったのです。」
家族が沈黙する。自分達が隕石に触れたことで超能力を手に入れてしまった事実を知ってしまったからだ。続けて宇凪は
「その物質は地球の空気と化合する事によって超能力を人体に流し込めるようになるのです。空気と化合してから12時間で効果は無くなります。私は隕石の落下地点から、この家を割り出しここに来ました。窓から覗かせていただきましたが、あなた方は家族全員が隕石に触れてしまったようですね。」
宇凪はサザエの念力を見ていたのだ。時計の針は午後8時を指している。長針が動いたとき、宇凪はこう切り出した。
「あなた方の超能力を政府に譲っていただきませんか?」
その一言が磯野家の時間を止めた。
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