二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- とある青年の時空旅行記
- 日時: 2010/12/09 20:22
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
第1話 逃亡
「はぁはぁ・・・」
1人の少年が暗い夜道をひたすらに走っていた。あたりには頼りない明かりが外灯から放たれていて、わずかに足元を明るくしているだけだ。黒いコートを身にまとい、夜の街に漂う闇に同化しようとしている。
しかし、そんな彼の後ろからは黒の修道服を着たシスターたちが追いかけてくる。その手にはさまざまな霊装が握られている。どれもランクは低いものばかりだが、魔力しだいではどうとでもなるものばかり。それらを取り出して王のだからそれ相応の危険人物なのだろう。
「どこへ行った??」「こちらにはいない」「あっちはどうだ??」「わたしたちは向こうを」
それぞれ報告をしながらも次のポイントへと移動するシスターたち。言えと家の間にあるゴミ箱の陰に隠れていた少年。すっと走って行く彼女たちの後姿を見届けてハァ〜っと大きなため息をつく。肩まで伸びた茶髪、ところどころをワックスでなのかもともとそうなのかはねている。顔は整っているほうであり、下手すると女装すると美少女に見えるくらいである。瞳は黒で全体的に東洋人の雰囲気をかもし出していた。
「まったくこの世界に来た瞬間からこんな面倒なことに巻き込まれなきゃいけないのか・・・」
己の不幸な体質にため息をつかないで入られなかった。カチャカチャと小さな音を出しているのは二丁の拳銃だった。それは彼の武器であり、霊装であり、魔装錬器であり、その他もろもろのものだった。マガジンなど現実のものとはまったく違い、見た目は同じでも構造がまったく違う。弾がないのだった。
それをそっと腰に巻いたホルダーへと入れる。どうやら足音はなくなったようで遠くかあるいはあきらめて戻ったかのどちらかだ。しかしあれだけのものを見てしまった少年を生かしておくとは考えられない。それは少年自身感じていることだった。
「まったくなんで現れるところがイタリアなんだかね〜。それもあんな危険なやつらの前って。座標間違えたかな〜??」
頭を掻き掻きゆっくりと気配を消しつつ気配を感じつつ街を歩いていく。海辺に出ると観光用の船が厳重に止められていた。できればこういうところを女の子と来たいものだと思うのが普通の男というものだが、少年はある体質の清で女性が苦手というものがあった。
かぜが優しく汗でびっしょりの顔をなでる。涼しさとともに海の潮の香りがかすかに香ってくる。こんなすがすがしい気分に浸っていたいと思うのだが。
「いたぞ」「あそこだ」「向こうからも来たから挟み撃ちにしろ」「殺してもかまわない」
二方向から走ってくるシスターたち。どうやら捜索班と増援を呼ぶ班に分かれていたようだ。ちょっと考えれば予想できる構造だったが、如何せん、色々なことがあって処理が追いつかなかったのだ。しかもまだ彼はいつもの状態。
———あれになっていればもう少し楽だったかな・・・。
いまさらになって素の自分のトータル能力の低さが悲しくなった。しかし今はこの状況を打破しなければいけない。仕方ないと一度瞳を閉じて精神を集中する。じりじりと近づくシスターたち。ようやく目を開けた少年の瞳は先ほどの黒ではなく、紅蓮の赤に変わっていた。あたりの雰囲気が変わる。ぴりぴりとして緊張がこの場に居合わせているものを包み込む。
「まったく・・・子猫ちゃんたちの躾はいつになっても慣れないな」
ポケットに手をつっこんだまま、シスターたちに向かって歩き出す少年。
- Re: とある青年の時空旅行記 ( No.1 )
- 日時: 2010/12/10 07:08
- 名前: 泉 海斗 (ID: B240tmf4)
第2話 科学
朝。蒼い空が学園都市を見下ろしていた。太陽の日差しがまぶしく、ちょうどいい温もりを与えていた。そんな平和な学園都市の朝の静寂を破る叫び声がとあるレストランの中から聞こえてきた。すると突然一人の制服姿のツンツン頭の少年がそこを飛び出し、そのあとを数人のスキルアウトたちが追いかけていった。
上条当麻は不幸な少年である。現在とあるレストランから数人のスキルアウトたちをひっつれて鬼ごっこのまっ沙中である。そんな逃げていく上条たちの後姿を心配そうに見つめる女子中学生と上条とともに食事に来ていたシスター。しかしシスターのほうはなぜか心配そうというよりも怒っていると言ったほうがいい。
「とうまがいつものとうまなんだよ・・・」
がっちんがっちんと鋭い牙とも呼べる歯を鳴らして、隣に立つ女子中学生を怖がらせていた。
そしてとうの上条当麻はいつぞやの橋の上でとある女子中学生と向かい合っていた。先ほど上条を追いかけていたスキルアウトたちの姿はどこにも見えない。上条の前に立つ少女は体から電気をほとばしらせている。
「また電撃びりびりをお見舞いしたのか??御坂」
「仕方ないでしょ??あんたがまた追いかけられてるから手伝ってあげたんじゃない」
「まあ、逃げ切る自信はあったが万が一もあるからな。一応感謝する。ありがとうな、御坂」
「ふぇ!?ええっと・・・そうよ分かってくれればそれでいいのよ!!」
上条に素直に感謝されたために思わず挙動不審になる美琴。大丈夫かと覗き込む上条の顔が近いことにさらに赤面し、漏電してしまう。慌てた上条は美琴の頭に右手を置いて、その電気を消滅させる。上条当麻の右手にはどんな異能の力も打ち消す幻想殺しが宿っている。そして上条に頭をなでられているのは学園都市が誇るレベル5であり、第3位の御坂美琴である。超電磁砲というとおり名もあり、それは音速の3倍以上超えるという。
しかしそんな彼女でも上条当麻には全戦全敗であった。レベル0の上条に負けることがレベル5でしかも学園都市第3位のプライドが許さない。そのためいつも喧嘩をふっかけては逃げる上条を追い掛け回しているのだった。
「今日こそあんたにぎゃふんと言わせてあげるわ!!」
「え〜、御坂さん??私上条さんは早く戻って注文した品物を食べたいんですけど・・・」
「問答無用!!」
バチバチッと電気が唸り、青白い電撃が上条めがけて放たれる。上条は右手を左手で支える形で突き出す。するとバリンと何かが割れるような音とともに、電気は跡形もなく消えうせる。顔を上げるとその瞬間にコインが中を待って落ちてくる。通り名のとおり、超電磁砲〜レールガン〜だった。赤い閃光が軌跡を残して音速を超える速さで上条に襲い掛かる。それがまるで右手に引かれるようにぶつかり、コインだけを残して電気は霧散する。
「な・ん・で・・・いつもそうやって涼しい顔して止められるのよ!!」
「どうだ??今日もまたいつものように俺の勝ちのようだな。ていうか内心びくびくなんですけど上条さんは」
「ふざけないで!!あんたからの攻撃を私は喰らってないわ!!」
「ええっと・・・上条さんは理由も無く女の子を叩きたくないんですけど・・・」
「理由だったら私と決闘してるってのがあるでしょ!!」
「とにかく上条さんは女の子を叩くようなことはしません!!」
「戦え!!」
「断る!!」
そうお互いに叫びながら上条が飛んでくる電撃の雨をかわしつつ逃げ、それを美琴が攻撃しながらも追いかけるという構図が今日も蒼い空が広がる学園都市にあった。
「不幸だあぁァァァァァァ!!」
泉海斗です。コメントなど待ってます。
- Re: とある青年の時空旅行記 ( No.2 )
- 日時: 2010/12/10 22:31
- 名前: 武藤 徹也 (ID: VBgkspJi)
どうも武藤徹也です!!
とある青年の時空旅行記を読んでとても面白かったです!!
これからも頑張ってください!!
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