二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ♪完結♪学園アリス〜未来に映る永久のキオク〜
- 日時: 2010/12/18 13:34
- 名前: 萌依 (ID: quLGBrBH)
貴方にとって、大切な人は誰ですか?
友達?親友?家族?
—恋人?
もう、うちは全てを失った
だってコレは最初から遊び。
レクリエーション。
—そう、そのハズ……だったのに…。
これは仕方がないこと。
ダカラ、サヨナラ。
……棗。
- Re: 学園アリス〜未来に映る永久のキオク〜 ( No.4 )
- 日時: 2010/12/16 11:35
- 名前: 萌依 (ID: quLGBrBH)
蜜柑は組織の自室で、一人歌っていた。
—寒い寒い北の国
闇に潜んだ魔物を狩りに 黒薔薇の騎士立ち上がる
城では皆 宴の準備—
「続き、早く。」
親友の珠理がねだってくる。
『わかった。』
この歌は初めて聞くもんな。珠理。
—うまく退治成功すれば しらゆり姫と結ばれる
黒薔薇の騎士 待ち続ける—
「それで、それで?」
—きたゆく鳥よ、伝えておくれ。
黒薔薇散ったと 伝えておくれ
滅びの森も 滅びの城も
メルディア国は 滅びゆく
黒薔薇の騎士 待ち続ける
愛しい愛しい 姫の為—
「悲しい歌ね…」
『そうね、でも…』
「いいわ、それ以上言わなくても」
珠理が微笑む。
この子はZが誘拐してきた子だ。
私は、気付いたらここにいた。
『続きは、また明日ね。』
「今度はいっぺんに歌ってねッ」
『わかったわ』
カツ…カツンッ…。
地下牢に向かう。
まだ記憶は消されていないから…せめて、最後に顔を見よう。
『ふふ……。黒猫と言えど、その特殊加工の鎖はやぶれないようね?』
「……蜜柑。」
『いい気味よ。貴方はこれからZの実験に使われるんだもの』
「実験……だと?」
『成功すれば、貴方の能力は全員へと配られる。
貴方の大事な人も、学園も、全てZによって…』
—だからさようならよ。
「こんなところにいたのか。」
『レオ……えぇ、蜜柑の記憶に無様な黒猫のすがたをうつそうとね』
「ははっ。さぁ行こう、もう準備は整った」
差し出された手を、そっととった。
『……ごめんね、棗。』
「蜜柑ッ!!
行くな、蜜柑…
蜜柑———————!!!」
ポタッ
ポタ…
『ごめ、なさ……』
「蜜柑。この装置に入るんだ…優のアリスを凝縮した機械だ」
『ひっ、う……はい…』
機械が、作動した———
- Re: 学園アリス〜未来に映る永久のキオク〜 ( No.5 )
- 日時: 2010/12/16 12:07
- 名前: 萌依 (ID: quLGBrBH)
ウィィイイン……
頭が割れるほどの痛みに襲われる。
『いやああああああ!!!』
その声は遠く離れた棗にも。
Z襲撃に来たA組にも。
教師にも聞こえた。
「いけない、急ごう!!」
鳴海が叫ぶ。
『ああああああああああ!!!!』
「クククッ、もう少しだ。」
シュウウゥゥ……—
煙が上がると、蜜柑が出てきた。
『……ぁ、あ…』
まだ息を荒くし、少し耳鳴りもしていた。
レオは構わず続ける。
「お前の名は?」
『レオ、どうしたの?私の名前は……。
朱里(しゅり)…』
「そうだ。早速だが…新しいアリスを習得したお前に頼みがある」
『どーせ学園の侵入者をやれでしょ?』
「あぁ。ま、声掛けるまで部屋にいろ。部屋には珠理が———…」
ガッシャン!!
ちっ、棗が逃げた。
「お帰りー、朱里ー。」
『ただいま珠理』
「集合、かかったから。私先に行くよー」
……外では戦闘が繰り返されてる。
さぁて、ちょっちいくかな!!
『……それから黒薔薇どうなった?
きたゆく鳥よ 伝えておくれ
黒薔薇散ったと 黒薔薇枯れたと
どうか 伝えておくれ—…。』
学園側が声のする方へ向いた。
棗もいる。
『それから姫様 どうなった?
伝えておくれと 黒薔薇頼む
南ゆく鳥 黒薔薇に伝える
しらゆり 散ったと———…』
「朱里、その歌……。」
蜜柑は右手を上げ、丁寧にお辞儀をする。
『あぁ……あぁ……。
学園は何をしにいらしたのです?』
「蜜柑ちゃん。帰ろう」
鳴海が差し出した手を
蜜柑は振り払う。
『触らないでいただけますか?
けがらわしい……。』
- Re: 学園アリス〜未来に映る永久のキオク〜 ( No.6 )
- 日時: 2010/12/16 13:57
- 名前: 萌依 (ID: quLGBrBH)
「……みか、んちゃ…」
『蜜柑?…誰ですか、それ。』
ボソボソと蜜柑が何かを唱える。
『眠れ』
—カクンッ。
鳴海は眠ってしまった。
『力を抜け』
次々と皆が倒れていく。
残ったのは蛍、ルカ、棗。
蜜柑は蛍にこう言った。
『バカン砲を、二人に撃て』
よけられてはいけないので二人にこう言った。
『その場から動くな。』
ピキッ
二人は固まってしまう。
—バカン、バカン
「うわ!!」
「…ッ」
『うふふ…。
もう用はないわ、どうしよっかなー……?
そうだ。』
蜜柑はポン、と手を叩く。
そして蛍にこう言った。
『…自分に向けて、バカン砲撃ってみてよ。』
「何をばかなことっ…」
バカン、バカンッ
「きゃああああ!」
『自分の手で自分を撃つ、間抜けな話ね』
「…ねぇ、朱里。レオがもういいって。
これ以上屍累々にならないようにって。」
よく見れば周りは人、人、人。
さすがにヤバいと思い消えた。
「さっきの歌……聞かせて…?
わらべ歌…。」
『珠理気にいったの?』
珠理は無言でうなずいた。
蜜柑はすぅ…と大きく息を吸う。
そして口を開いた。
- Re: 学園アリス〜未来に映る永久のキオク〜 ( No.7 )
- 日時: 2010/12/16 14:13
- 名前: 萌依 (ID: quLGBrBH)
—寒い寒い 北の国
闇に潜んだ 魔物を狩りに
黒薔薇の騎士 立ち上がる
城では皆 宴の準備
うまく退治成功すれば しらゆり姫と結ばれる
黒薔薇の騎士 待ち続ける
きたゆく鳥よ、伝えておくれ。
黒薔薇散ったと伝えておくれ。
滅びの森も 滅びの城も
メルディア国は 滅びゆく
黒薔薇の騎士 待ち続ける
愛しい愛しい 姫の為—
『これが第一章。』
「この歌…好きよ…。
お互いを大切に思ってるから。」
悲しそうに微笑む珠理の頭をなでた。
—それから黒薔薇 どうなった?
きたゆく鳥よ 伝えておくれ
黒薔薇散ったと 黒薔薇枯れたと
どうか 伝えておくれ
それから姫様 どうなった?
伝えておくれと 黒薔薇頼む
南ゆく鳥 黒薔薇に伝える
しらゆり 散ったと—
「散ったって、死んだってことでしょ?」
『そう。』
「じゃあ騎士はどうなったの?」
目を輝かせ、歌を待つようにしている珠理。
…かわいいな。
—黒薔薇の騎士 姫を探し
道行く道を 迷いながら
ほろんだ故郷に たどり着く…—
コツン…カツン
「綺麗な歌だな」
『レオ』
「わらべ歌なんだって。」
「そうか……悲しい歌なんだな」
『……そうね、さぁ。早く始末しましょう?』
蜜柑たちは会議室に向かう。
そう、今日は大事な会議。
—学園をいつ潰すかという。
『生徒をフェロモンで戦わせるのは他愛ないけど…』
「強いアリス者は連れてきて…」
だとか、色々交わしていた。
ドスッ、ドシッ
この足音!!
『ボスだわ』
- Re: 学園アリス〜未来に映る永久のキオク〜 ( No.8 )
- 日時: 2010/12/16 14:31
- 名前: 萌依 (ID: quLGBrBH)
「久しぶりだな!!」
『ボス〜、お久しぶりです』
「今回は、いい知らせだ。
…塔が完成したんだ」
Zが求めるものは、強さでもない。
“自由”と…
“仲間”。
『本当ですか!!』
「あぁ。生贄を一人、力が強い者をささげれば完全になる」
「それでは日向 棗を?」
延々と交わされることば。
ドクドクと脈打つ心臓。
—何なの?これ。
『塔には、セイドがいるんですよね?』
「あぁ。お前を呼んでいるよ」
Zの階段を駆け上がる。
塔っていうのは、幽玄の塔。
…Zを表の世界へ、学園を裏の世界へと導くことさえできる。
「来ると思っていたよ、朱里…」
『セイド……。』
はぁはぁと息が荒くなりながらも、必死に地面を蹴って胸に飛び込む。
『会いたかったよ〜!!』
「お前は相変わらずだな…?」
『えへへーっ。』
くるりと大きな水晶に目を向ける。
これが…生贄が入る所…。
ガシャンッ
『棗!?』
「くっ、塔が壊れた…ヤバイな…」
「壊すのは…お手の物なのよね」
三人だ。
蛍はバカン砲、ルカは動物、棗は鬼火。
『丁度いいわ、三人のアリスの力が揃えば…大きな力になる!!』
スッ
目の前に手が出される。
『せ、セイド?』
「この塔は崩れる、あいつらのおかげでな」
三人が塔を破壊している。
下も次々壊れているようだ。
『でも……約束、した…よね?』
「いいから逃げろ」
パラッ
壊れて崩れて原型を失う塔。
「…Zはここで終わりかもな。」
悲しそうな貴方の声に
私はそっと…決心した。
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