二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 小さく、咲き誇る。(デュラララ!!)
- 日時: 2011/01/15 12:05
- 名前: てと (ID: slitpE5G)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode=view&no=20166
初めまして。てとと申します。
えっと、家族夢は初めてでs((
複数ヒロインで、甘さも控えめ、キャラとの絡みも控えめでいきたいと思います。(家族なのにというツッコミは嫌です←)
(ただし、恋愛はするので、恋愛を開始した時点からはどんどん関わって行きたいと思います。)
宜しければコメントお願いします。
(タメや呼び捨てで構いません←)
ただいま、やって欲しい事や話のネタを募集しております(コスプレとか←)
出来ればネタを下さい←
<来て下さった御方>
・ゆn様
ヒロイン設定 >>1
No.00 「歪みの中で、咲き誇る」>>2
<デュラララ!!×1>
No.01 「壊れたモノはもう二度と」>>3
No.02 「普通の二人は」>>4
No.03 「希望なんて無い」>>5
No.04 「歪み狂った兄妹愛」>>6
No.05 「愛されたい、それだけで」>>7
No.06 「非日常」>>8
No.07 「それが偽善だと気付かないままに」>>11
No.08 「崩れてく」>>12
No.09 「彼女が恋情を抱くまで後—…」>>13
No.10 「終わりを告げるわけではなくて」>>14
<デュラララ!!×1 完結>
<デュラララ!!×1.5>※原作とは無関係です
No.11 「小さく笑う人影は」>>15
- Re: 小さく、咲き誇る。(デュラララ!!) ( No.4 )
- 日時: 2010/12/29 14:04
- 名前: てと (ID: slitpE5G)
No.02 「普通の二人は」
池袋の人混みに少女はただ流されていた。
少女、といえど先ほどビルの屋上で機械的に笑っていた人物とはまた異なる人間だ。
「ああ、もう」
呆れたような、だけどどこか楽しそうに呟けばどこかへ駆けて行ってしまった人影を追いかけるためにするすると人混みをなんとか避ける。
少女が追いかけていたのは憧れのトップモデル「アキ」こと折原美加。美加は臨也の事務所を飛び出せば少女—竜ヶ峰彩音—を頼りに池袋まで来たという。
「今日はミカド兄が来るんだっけか」
ポツリとミカド兄、という人物の名を呟く。兄という部分を除いてその人物の名前はミカド、もしくはミカドに近い人物なのだろう。
兄ということは、親戚か本当の兄。
「まあ、マサくんが迎えに行ってるし、良いか。そういや、もうすぐ入学式なんだっけか」
呟きながらも足を止めない彩音。身長が低いのもあり、少し視界が狭いのだが、その身長を利用して素早く動いている。
「嗚呼、もう高校生か。早いなあ」
彩音が高校生なのか、ミカド兄やマサくんという人物が高校生なのかは不明だ。
しかも、彩音は小学生並みの小ささ。—やはり、ミカド兄やマサくんといった人物が高校生になるのか。
「ってか、美加ちゃん待ってよね」
たたたた、と彩音は可愛らしく走りながらため息を吐いた。
「っっうー…」
一方、場所が変わって人の少ない公園にて、女性—美加は蹲っていた。泣いているようにも見えるのだが、あいにくそうではない。
先ほど、転んでしまったらしく、膝は擦り剥けている。つまり、痛みに苦悶している様子だ。
「はぁ…」
軽く、本当に軽くため息を吐きながら美加はあたりを見回した。
錆びたブランコはキィキィと音を立て、滑り台には落書きがしてあり、—簡単に言えば人っ子一人居ない古びた公園、だ。
今時そんな公園が此処、東京のしかも池袋にあったとは驚きだ。
「ねえ、美加さん!」
「あ、アヤちゃん…」
つまらなさそうに地面に落書きをしていた美加に明るい声がかかった。顔を上げれば、息を切らした彩音の姿があった。
「全くもう! 心配したんだから」
「ごめん」
本気で心配したらしい彩音をみて、美加は素直に呟いてうなだれた。
—こんな小さな子にもそんな事言われるなんて—…。
「ごめんね」
「ううん。ね、アヤの家に行こうよ?」
彩音はただ、笑って美加に手を差し伸べた。
(まだ白く、)(歪まず狂わずのモノ)
- Re: 小さく、咲き誇る。(デュラララ!!) ( No.5 )
- 日時: 2010/12/29 14:27
- 名前: てと (ID: slitpE5G)
No.03 「希望なんて無い」
嗚呼、何時から此処に居たんだろう。
何時からこんな血塗れになってたんだろう。
ワ カ ン ナ イ 。
—適当なのかな。
来良学園の入学式を終えた彩音の来良のイメージはそれだった。あっさりと終わったし、制服着なくても良いし。
ある意味で学園天国なんだけど、自由すぎじゃないか。
と、そういう彩音も私服を身に纏っているのだが。
「アヤー! こっちだぜ、こっち!」
「マサくん! と、ミカド兄!」
「彩音!?」
マサくん—基、紀田正臣—とミカド兄—竜ヶ峰帝人—の下へ駆け寄る彩音。
帝人は流石に双子の妹がこの学園にいるとは思わなかったのか、彩音を見て素っ頓狂な声を出した。
「はろーはろー、久しぶり」
片手を上げて軽く挨拶をする彩音に帝人は少し呆れながらも笑みを浮かべた。
正臣はと言うと、既にクラスへ行ってしまった。離れたのだ、クラスが。彩音は正臣と同じなので、とことこと着いて行った。
帝人は苦笑を浮べながら、自分のクラスへと入った。
自己紹介も、簡単だった。
誰も興味を示さず、ぼうっとしている者や落書きしている者、ましてや読書をしている者すらいる。
クラスを見回すと、空いている席が二つ。帝人は不思議に思いながらも放っておくことにした。
暗いけど、怖くない。怖いけど、暗くない。
矛盾した考えを持ちながら少女—亜美は血塗れで横たわっていた。顔面は蒼白で、いたる所からドクドクと血が流れている。
「事故った、のか」
あまりにも簡単すぎる答えだった。飛び出したわけじゃない。ただ、ダンプカーが突っ込んできたそれだけだ。
周りに人が集まる。けど、救急車が来る気配もない。救急車もトラブったらしくて。
「っ!? 亜美!」
聞きなれた声に目を細めれば姉の姿があって。
「お、姉さ、ま…」
安心したのか何なのか。
そこで意識はプツッと途切れた。最後に見えたのは…
誰 か の 笑 顔 で 。
(嗚呼、死ぬのかなあなんて)(呟いた)
- Re: 小さく、咲き誇る。(デュラララ!!) ( No.6 )
- 日時: 2010/12/29 17:38
- 名前: てと (ID: slitpE5G)
No.04 「歪み狂った兄妹愛」
ピーポーピーポー。
あれ、こんな表現は相応しいのかな、相応しくないな。
ちょっと待て。俺、今運ばれてる? わあ、吃驚。
「亜美ッッ…!!」
泣かないでよお姉様。
心配してくれるのってお姉様だけだよね。マイもクルも、ましてやいざ兄なんてもう俺の事すらどうでも良いって思ってるよ。
全く反対の事を考えながら亜美はただ痛みに薄く開いた瞳を閉じた。真っ赤な瞳に写っていたのは歪みと狂気。
「嗚呼、何でだろうな面倒だな」
彩音は一人ため息を吐いた。周りには突っ伏す不良達。彩音を襲ったわけじゃなかった。この不良達は彩音の部下であり後輩なのだから。
恐らく、何も知らずに平和島静雄にでも喧嘩を売ったのだろうと彩音は呆れたような笑みを浮かべた。
「じゃあね」
気にすることも無く不良達を邪魔なので積み重ねればそう呟いて歩き始める彩音。
目指すのはアニメイトだ。
「嗚呼、電撃文庫の新刊でてるかな。何円持ってきたっけ」
バッグから取り出した財布の中身を確認して彩音はにんまりと笑む。
良く見れば地面に、不良達のものと思われる財布が転がっていた。
総合病院にて。
亜美は無機質は音が響く無機質なベッドにて寝ていた。
「うあー」
呻くような声が自然とこぼれる。痛みが予想以上に大きいらしくて。
幸い、骨折はしてなかったのでよかったんだけど、と亜美は呟いた。
「ほんと、ドジっ娘とでも言おうか?」
「いざ兄、」
「無事で良かったけどさ」
ポツリと呟かれた言葉に少し瞳が潤んだ。けど、泣けば負けのような気がして、泣かなかったが。
「いざ兄がドジっ娘といっても、きもいよ」
「酷いね」
ケラケラと笑うその様子は全然酷そうに見えなくて。
久々に、温かくて心地よくて。嗚呼、まだ入院でも良いかなと笑った。
妹が、事故に遭った。
そんな事を聞いて病院まで態々来れば妹は嬉しそうに笑った。
俺は人間が好きだ、愛してる。けど、妹はもっともっと好きだ。異性愛じゃない、歪み狂った兄妹愛だ。
けど、俺は姉が嫌いだ。平和島静雄よりはマシだが、姉は白過ぎて嫌いだ。それと、竜ヶ峰彩音も白すぎる。
やっぱり、俺は妹が一番好きだ。マイルとクルリとは比べ物にならないほどに。
「ほんと、ドジっ娘とでも言おうか?」
様々な意味をこめて、そう言ったけど。
歪み狂って、だけど純粋で無邪気な妹には伝わらなかっただろう。
(もっともっともっともっと)(大好きなんだよ)
- Re: 小さく、咲き誇る。(デュラララ!!) ( No.7 )
- 日時: 2010/12/29 18:21
- 名前: てと (ID: slitpE5G)
No.05 「愛されたい、それだけで」
深夜。
真っ暗な外を見ながら少女—彩音は軽いため息を吐いた。
チャットルーム(深夜)
——田中太郎さんが入室しました——
——田中初音さんが入室しました——
<どもっ♪へへん、勝ちましたねお兄ちゃん>
【こんばんはー。うわ、負けましたorz】
[ばんわー]
【あー、セットンさん。今日、見ましたよ!】
【例の黒バイク!】
<良いなあ良いなあ!>
[? 田中太郎さん池袋に来たの? と、いうか田中初音さんスネないの]
<スネてません(イジケ>
【すねてるよ、初音。ええ、実は私、今日から池袋に住むことになりまして。今は友達の家から繋いでますけど、明日から駅の近くのアパートに住むことになってます。予めプロパイダの契約は済ませてありますんで、すぐネットにつなげられると思います】
[へえ、おめでとう。一人暮らし?]
【はい】
<今度遊びに行くね!あ、ちょっと用事で落ちます、退室はしないんで>
[了解しました]
♂♀
——シレイさんが入室しました——
(どうもこんばんは、お久しぶりでふノノノ)
[ほんとお久しぶりですねシレイさん]
【おおっ、久しぶりですねー】
内緒モード(いざ兄、いる?)
内緒モード≪ん、居るけど何?≫
内緒モード(病院ってさ暇)
内緒モード≪知らないよ≫
(っと、今日は事故にあい病院からなので落ちます。ありがとうございましたお休みなさいませ)
——シレイさんが退室されました——
♂♀
<入れ違いΣ ウチも落ちますね、お相手感謝ー>
——田中初音さんが退室されました——
「っくぁ…」
少女は軽く欠伸を漏らしていた。
病院が暇なのだろう。
病院は、白白白白白シロシロシロシロシロ…気持ち悪い
「死んじゃえ、歪んじゃえ」
くすくすと亜美は口元を歪ませて冷たい瞳で呟いた。
少女は平凡が好きだった。そして、人間が好きだった。
愛していた、愛されたかった。
そ れ だ け な の に 。
大人は少女を理解しようとしなかった。少女を蔑み、嫌い、酷く罰した。人を愛するだけで、愛されたかっただけで。
何時しか少女は、歪んでいった、狂っていった。
人間を愛して、人間を憎んで。
(愛されたくて)(愛していた)
- Re: 小さく、咲き誇る。(デュラララ!!) ( No.8 )
- 日時: 2010/12/29 19:10
- 名前: てと (ID: slitpE5G)
No.06 「非日常」
池袋の人混みに、少女は流される事無く呆れていた。
このまま流されていけば、見事にデジャヴだったのだが、あいにく今日はそんな余裕が無かった。
「邪魔邪魔邪魔ああああ!」
少女、彩音なりには大きな声を出したのだろうが、車の音にまぎれて虚しくも消えていく。
それもまた、池袋という場所に溶け込んで行くのだが。
「っ大丈夫?」
声が掛けられて振り向けば美加の姿があり、ほっとするのも束の間—すぐにその姿は人混みへと紛れて行ってしまう。
はああ、と重くため息を吐きながら彩音はただ池袋を恨んだ。
刹那、
「あ゛ぁああああぁ゛ぁあ!」
叫び声が、池袋に木霊した。
ゴキ、メキ。という嫌な音がして誰もそちらを見なかったが、其処には自販機に押しつぶされる哀れな男性が居た。
平和島静雄に喧嘩でも売ったか
彩音は別に慣れっこではあったので、特に気にはしなかったが。
遠くに見えた人影に気づき、慌てて彩音は男の傍を走り出す。
「あ?」
静雄は不思議そうに彩音を見て、次に彩音が向かっていく方向を見た。
其処に、居たのは—…
「「亜美!」」
「…嗚呼、君達か」
二人の声が同時にして亜美は流石に彩音達を見る。
右目には医療用の眼帯、腕にも足にも包帯。手には松葉杖。
「病院は!?」
「嗚呼、外出許可は貰ったけど」
「病院!?」
「事故った」
彩音の問いに答え、次は静雄の問いに答える。
亜美が事故に遭ったのは入学式の日なので、静雄はソレを知らなくても当然といえば当然だ。
それにしても、数日で歩き回れるとはある意味恐るべし回復力だ。
「…じゃあ、もうそろそろ帰らなきゃだし」
ふらふら、と松葉杖を持ちながら病院の方へと歩いていく亜美をはらはらと見守る彩音。
この後、何が起こるか亜美は知らずに。
セルティの首が体を付けて歩いてた?
そんな、嘘だろう。
「嘘嘘嘘嘘嘘ウソウソウソウソ」
絶対、嘘。
けど本当なんだって。嗚呼、見ときゃ良かった。
病院なんかにいるより、見たかったなあ、セルティの首。
亜美はため息を共に何処か口角を吊り上げて、ベッドへともぐりこんだ。
(非日常が)(幕を開ける)
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