二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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放浪スル一匹狼 戦国BASARA
日時: 2010/12/31 01:01
名前: 椎羅 ◆nCuTvDr8cY (ID: MLajaLHR)


BASARAが大好きだという事で立てました!
時間がないので今はとりあえずこのままで…
後々に詳しい事うpしていきますw

よろしくお願いします^^

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Re: 放浪スル一匹狼 戦国BASARA ( No.1 )
日時: 2011/01/04 13:27
名前: 椎羅 ◆geiwiq3Neg (ID: MLajaLHR)


序章




「…飽きた、待ってるのはもう飽きた!」

———全てのハジマリは、この一人の青年の一言からだった。

荒々しく吠えるその青年の髪は漆黒を連想させる黒で頭の高い位置で束ねられており、
瞳は禍禍しい血の色を思わせる紅い色をしていた。
さらに、深い瑠璃色の着物の腰には、日本刀…それも小太刀ほど長い刀が下げられ、
鞘は月光に照らされ怪しく輝いていた。

「……早く来いよ…迎えにくるんじゃねぇのかよ————秀吉…」

そんな青年が呟いた言葉は、虚空へと虚しく響き消えていった。
青年は溜息をついて目の前の大海原と、水平線の先に見える“日ノ本”へと目線をずらした。
月光が眩しく、くっきりとその大陸の輪郭が浮かび上がり…それを見て余計にもどかしい気持ちになる。

この島に追放されてから何年の月日が流れただろう。
アイツと別れ際に交わした言葉を思い出し、妙に切ない気持と、得体の知れないざわつきを覚えた。

日ノ本にまた乱世が来ると言って、俺をこの島に逃がした旧友。
俺だって、アンタと共に乱世で闘いたかった。けど、それを許さなかった半兵衛。
そして半ば強制的に送り込まれた、本州とは離れた隠岐の島…
居心地は良かったけど、本州の事で頭がいっぱいでそれどころではない。

…もう待つだけは嫌だ。
「…分った。お前が来ないなら、俺からそっちに行ってやる。持ってるのなんざ、とっくに飽きてんだよ」

青年は、決心したかのように呟いた。
彼の紅い瞳に映るのは、地平線の先にある大陸のみだった。

「ったく…俺をこんなにまで放っておくなんてよ……会ったら思いっきり文句言ってやる」

彼のその待ち望む人物がいないという事を知らぬまま、彼は叶わぬ夢を抱き呟く。
そして、現実を知らぬまま…彼は本州へと赴いたのだった。



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