二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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【銀魂】 紅瞳の少女 一話④うp
日時: 2011/04/19 18:02
名前: 姫梗 ◆CfaefuuTtY (ID: vLlTyC08)

どうも、初めまして!姫梗という者です(*´∀`*)
銀魂…何か妙に書きたくなったので書きます。
主のオリキャラが主人公のgdgd小説ですが、よろしくお願いします。

注意

*更新おっせぇ
*駄文
*シリアスあり(コメディをほぼ重視)
*荒しは即プラウザバック!



目次

プロローグ>>3
登場人物&オリキャラ募集用紙>>17

第一話『偶然の出会いほど腐れ縁なものはない』>>16>>21>>22>>25

Page:1 2 3 4 5 6



Re: 【銀魂】 紅瞳の少女 一話うp! ( No.21 )
日時: 2011/04/11 20:33
名前: 姫梗 ◆CfaefuuTtY (ID: vLlTyC08)

「…」
「……………」
「……………………………」


そして沈黙、沈黙、さらに沈黙が続いた後、3人から一斉に驚きの声が上がった。

「い…従姉ぉ!!?神楽、テメー…一度も『従姉がいる』なんて俺達に言ってなかったろ!」
「そうですよ神楽ちゃん!しかも全然神楽ちゃんと違ってまだお淑やグホォッ!」
「知るか!私が一番聞きたいくらいネ!大体親戚にも“春蕾”なんて———…」

だが、その時神楽はウチの名前を口にし、ようやく目を見開いた。
ぞくに言う、何かを思い出して吃驚してる顔、とでも言える顔だ。

「お…思い出したネ!春蕾————何でお前がこんな所にいるアルかっ!?」


そしてウチを指差して、まるで幽霊でも見る様な眼でそう言う。
ハイハイ、そう言うリアクションされると思ったわ。
せやけど先に、さ…

「いい加減、この縄解いてくれへんか?」
「あ、は、ハイ!すいません、すぐ解きますね!」


シュルリ。

ふぅ…やっと解けた。
堅く結ばれていた手も体も、ようやく自由の身となった。
思わずため息がこぼれたが、気を取り直して。

「ほな…」
「お、おう…とりあえず何だ…新八、お茶出せお——」

「ほな…テメェ等ぁ、よっくもロープで縛りよったなこのボケェェェエエエエ!!いっぺん地獄落ちて逝けやゴルァアアアアア!!」

「ええええええええええ!!!?」

ウチがそう叫んだ瞬間、三人の断末魔っぽい叫び声が上がった。





「銀さん、久しぶり!あたしだよ、瑠璃…って、アレ?」
「銀時兄ィ、みんな、ただいまー!さっき瑠璃と偶然そこで会って———
 …って——ええええええええ!?コレどういう状況!?」

そして数分経って、おつかいに出ていた斉賀 和月が帰ってきた。
そして彼女の傍らには、瑠璃と名乗った女の子がヒョコっと現れたのだが…二人は目の前の状況を目の当たりにして愕然とした。
つい最近、万事屋に出入りするようになった彼女等は、以前から銀時の知り合いではあるが…


初めて、神楽含めて万事屋三人が人に殴られのびている所を目の当たりにしたのだった。



* * *



真選組屯所———妙な胸騒ぎがして居ても立っても居られない様子の男が一人。
真選組副長こと土方十四郎は、忙しなく屯所内を行き来していた。
どうやらある人物を探しているように思えるが、煙草をくわえたまま彼が角を曲がると、縁側で外を眺める人影と出会った。

「———ここにいたか、斎藤」

斎藤———そう呼ばれた男は、ゆっくりと視線を上げ、そして土方の方を向いた。

「…どうかしましたか、副長」
「テメェとは長い付き合いだ…いい加減その堅苦しい呼び方止めろっつってんだろ」

ふむ、そう言いたげに腕を組み考え込むポーズをとると、再び彼は視線を上げた。

「…まさか、アンタがそれだけの事を俺に言いに来た訳じゃないでしょう」
「無論だ——“例の件”についてテメェに頼み事がある」
「……」

斎藤はその言葉を聞いて、少しだけ顔つきを変えた。
真選組唯一の常識人、またポーカーフェイスと呼ばれる彼は、感情すら読めないものの、話は通じる男だ。

彼は、土方を見据えた。
土方も、腕組みをしながら面倒くさそうに言葉を吐き捨てた。

「例の奴が——どうやら江戸に潜伏してるらしい。テメェには“奴”について極秘に調査してもらいてぇ」
「…俺、が単独で動けばいい訳ですか?」
「どうも、奴は“アレ”に関わってやがるらしいからな」
「えぇ、それは俺も聞いてます。

 …夜兎族、でしたか」


斎藤が淡々と述べると、土方は黙ったまま頷いた。

「承知しました。アンタは動きたくても目立つから動けない…攘夷志士も目が離せない訳ですからね」
「…悪いな、面倒事を押しつけちまって」
「いいですよ、アンタに、近藤さんに、総悟に関わっている事自体面倒事ですし」
「テメー…悪気があって言ってるんじゃねぇだろうな?」
「…?」
「いや、いい。とにかく、そっちの件は任せた。とりあえず、テメェの信頼できる隊員数人で、できるだけ目だたねぇように調査してくれ」

そこまで言うと、土方は斎藤に背を向けた。
しかし、斎藤はすっと立ち上がり、土方を呼びとめた。

「…あ?」

土方が振り返ると、斎藤は土方の加えていた煙草を取り上げた。
そして、ポーカーフェイスであった彼であるが、その時だけ微かに微笑んで、こう言った。


「煙草は、体に悪いですよ」


そしてそのまま土方を通り抜けた。
土方はその去っていった背中を見て、ポツリとこう呟いた。


「やる気満々、って事か。アイツが笑う時は大抵そうだしな……」



Re: 【銀魂】 紅瞳の少女 一話②うp! ( No.22 )
日時: 2011/04/11 22:26
名前: 姫梗 ◆CfaefuuTtY (ID: vLlTyC08)
参照: >>21の続き

「やる気満々…って事は、例の件は斎藤に任せたって事ですかィ?土方さん」


と———土方が呟いた瞬間、フスマの向こうで誰かが土方にそう言った。
土方は一瞬黙り込んだ後、勢い良く襖を開けて一言。

「盗み聞きとはいい度胸だな———総悟」
「いいじゃないですかィ、別に…俺に聞かれて困る事でもないでしょう」

総悟——そう呼ばれた彼、沖田は相変わらずの様子で言った。
真選組でも剣豪と知られる彼は、そんな風には思わせないユルい雰囲気を纏うが——

「ま、それの方が俺の仕事も減って万々歳ですけどねェ」
「テメェも行くに決まってんだろ、斎藤一人に任せらんねーだろが」
「あー、ウゼーな土方コノヤロー。頭打ってポックリ逝ってくんねーかな」

土方に対しての毒々しい毒舌も相変わらずだ。
しかし、それに毎回イライラさせられる…つまりは悩みの種である沖田に対して、土方も少なからず嫌悪を抱いてもおかしくない筈だが、その積み重ねが多すぎて、土方はすでに彼の毒舌には抗体ができているというのも事実である。

「逝くのはテメェだ馬鹿」
「いやいや、俺に構わず逝ってくだせェ。
 
 …アンタもそう思うだろィ————弥永」

って、どれだけ立ち聞きされてんだ。と、土方は反省しつつ、沖田が向いた方向を見た。
するとそこには、アジサイの花、いや…正しくはアジサイを這っているナメクジを、存在感なくただ黙って見ている青年が一人。しゃがみ込んでそれを見ていたが、話を振られた事により、面倒くさそうに頭をかきながら立ちあがった。

「沖田隊長…頼むから僕に振るのやめてくれません?」

そしてゆっくり目線を上げ、二人を見据えた後、ついでにと一言追加した。


「まぁ、結論からして———死んでください土方さん」
「テメェも斎藤についてって、総悟と並んで死んでこい」
「…僕馬鹿ってよく言われますけどね、貴方が大アホだって事位すぐわかりますよ。まぁ貴方の場合は人としての“大アホ”ですね」
「甘ェな、弥永。土方は本質的にも大アホだが…実の所、頭ん中は大アホ以下の鳥頭でさぁ」
「——分った、そこに並べ。俺が綺麗にテメェ等の腹斬ってやらぁ!」
「待ってくださいよ、とりあえず…僕って本当に斎藤隊長について行かなきゃなんですか?」
「あぁ、そうだ。今俺が決めたんだよ」
「「理不尽死ね」」
「一々声合わすんじゃねぇ!本気マジでたたっ斬るぞ!」


そんなこんなで————真選組の屯所内も騒がしくなってきたのである。
声的な意味と、そして“例の件”についての意味でも…




Re: 【銀魂】 紅瞳の少女 一話②&③うp! ( No.23 )
日時: 2011/04/12 16:47
名前: 瑠々 (ID: .qxzdl5h)

更新乙!
ひゃっほぉい((殴
瑠璃出してくれてありがとう^^

春蕾ちゃん強い・・・(^^;

Re: 【銀魂】 紅瞳の少女 一話②&③うp! ( No.24 )
日時: 2011/04/12 17:25
名前: 姫梗 ◆CfaefuuTtY (ID: vLlTyC08)

>>23
瑠々様

コメありです!
そろそろ真選組にも動いて欲しかったので、ついつい2話更新しました((
彼女は次の話からバンバン出てくるので楽しみにしてくださいな(`・ω・´)

設定的に神楽は春雷に喧嘩で勝ッタ事が無い、という事になってます(((
まぁ…春雷がああも急にブチギレたのにも訳があります←
とりま次の話で変わる事だと思いませう(^ω^)

Re: 【銀魂】 紅瞳の少女 一話②&③うp! ( No.25 )
日時: 2011/04/19 18:01
名前: 姫梗 ◆CfaefuuTtY (ID: vLlTyC08)




日は落ちて夜。
歌舞伎町は昼に負けず劣らず騒がしい…その光景からフイと視線をずらすのは、春蕾だった。

「また…怒ってもたなぁ」

春蕾は拗ねたようにそう囁くと、近くにあった小石を川に向かって蹴った。
コロコロポチャリと、虚しく音を立てて沈んでいく小石。

「——御兄………何処におるんや…?」

春蕾の口からこぼれたその声は、えらく弱々しく響いた。


———————、


『かぁーぐぅーらっ!』


だがその時…突然春蕾の脳裏にある記憶が廻った。




『どないしたんや?そない一人で』
『…別に何もないヨ』

雨笠をさしたまま、プイと幼い神楽は目を背けた。

…、
嗚呼、また…待ってんのか…。

『神楽、待ってんやろ?』
『………、違うネ…』
『じゃあ行こう?一緒に遊ぼうな!神威君は———』
『五月蠅い!ワタシの事は放っててヨ!』

神楽は…“神威”という言葉を聞いた瞬間———声を荒げた。
ふるふると肩を震わせながら、涙を浮かべて泣いていた。

けど、幼かった春蕾は…声を荒げられた事についてイラッとしてしまった。
———何で怒るんや?
———神楽、もう分ってるやろ?神威君は…もう、帰ってけぇへんねん…!
———ウチかて、悲しいねん…


『神楽、いい加減にしぃや!待ってても、帰ってけぇへんねん!』
『…!』

神楽はその時、驚愕して目を見開いたと同時に、怒りに顔を歪めた。

『何が…』
『はぁ?』



『春蕾に…兄貴のいる春蕾なんかに、ワタシの気持ちなんか分らないネ!』



———!!

何かがその時、私の中で湧き上がってきたのが分った。
頭の中が白く塗りつぶされ、その次に感じたのは———怒り。

『神楽っ…!絶対許さへん!!何なんや、アンタ!』

その時、ウチは思いっきり腕を振り上げた。
持っていた傘を投げ出して、神楽の頬に向かって。

殴る、つもりだった。

妙に許せなくて…神楽にそう言われた事が悔しくて。
幼い頃のウチにその理由は分らなくて、とにかく神楽をブン殴ってやりたかった。



———パシッ

だけどとの時、後方から誰かがウチの腕を掴んだ。
グンッと強い力でその腕を掴まれ、ウチは神楽を殴れなかった。

だが、気が付くと神楽は…神楽の瞳には、ハッキリと恐怖の色がうつっていた。

『あ…』

初めて、そこで気が付いた。
自分が今、とんでも無い事をしようとしていた事を。


『………春蕾、神楽…』


そしてウチがゆっくり振り上げていた腕を下げると、その腕を掴む手は外れ…
代わりに、自分たちを呼ぶ声がした。

『そう…れん…?』
『お兄…!』

それは———寂しそうに笑う、“双煉”…お兄の声だった。

お兄は私達より低く姿勢を落とし、二人の肩を優しく掴んだ。
そしてゆっくりとウチ達を抱き寄せ、お兄は神楽の涙を拭いた。

『……神楽、もう泣かなくていい』

そして一言だけ神楽にそう言うと、神楽は『ん…』と小さく頷き、自分で涙を拭った。
次に、お兄はウチの方に向き直った。
ウチは神楽を殴ろうとしたした事を怒られると思って、目をつむった。
…お兄には正直、怒られた事が無いから怖かった。

けど、お兄はウチに向かって…こう言ったんだ。

『……春蕾、俺はお前を怒る気はないよ…』
『…え…?』
『…怒る事を我慢しなくていい。



 ———本当に怒りたいときにだけ、本気で怒ればいい』



…その後、お兄に『なにそれっ』って言ったっけ。
その後神楽にもちゃんと謝って、3人で神楽の家に向かった。

幼いウチは、お兄がウチに何を伝えたかったのか…分らなかった。


だからウチは、あの時からお兄のその言いつけを…ただただ守ってた。
お兄のいう事だから…素直にその言いつけを守ってたんだ。

ずっと。




「けど…その約束、破ってもうたなぁ…」

あの日から7年後の今…お兄も神楽もいなくなって、一人取り残されたウチ。
突然…3年前にいなくなったお兄を探して、ようやく辿り着いたここで、神楽と出会った。

本当ホンマに嬉しかった筈やのに…何で怒ってもうたんやろうなぁ…』


何でだろう、本当に…。



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