二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

青の祓術師inNARUTO〜疾風伝〜
日時: 2011/07/17 01:02
名前: だだだ (ID: Uvcwa5h/)

NARUTO世界観で、青エクの燐くんが登場します。

オリキャラが結構出てきますので、分かりづらくなるかもしれません。

へたくそですが、どうぞよろしくお願いいたします。

Page:1 2



Re: 青の祓術師inNARUTO〜疾風伝〜 ( No.1 )
日時: 2011/07/17 11:54
名前: だだだ (ID: Uvcwa5h/)

——————誰だ?
 燐はいつも夢の中でそうつぶやく。

 夢の中に現れる金髪の女性。純白のドレスに身を包んでいる。いつも燐に何かを話しかけてくる。燐は、その言葉を聞きとることはできない。

——————待ってくれ。聞き取れないんだ。お前、一体誰なんだよ。
 
 そして、燐が彼女に触れようとすると—————。

 ピピピピピピピピ

 目覚まし時計が盛大に鳴り響き、燐を現実へと戻す。

 のっそりと起き上がり、目覚まし時計を止める燐。ぼんやりと彼女の姿を思い出す。

 食堂に向かうと、雪男がちょうど朝食を取りに行っていた。

「あ、おはよう、兄さん。ここのところ、ずっと寝坊しないで起きられているね。何かあったの?」

「え?ああ・・・。あの、さ・・・。・・・いや、なんでもない」

「?」

 夢の中に出てくる彼女のことを雪男に話そうとおもったが、所詮ただの夢だ。雪男に話したところで、どうしたっていうんだ。

 朝食もとり終わり、塾の準備をする。

 と、ここでカバンの中に何かが入っていることに気付く。長い布切れの真ん中に、鉄製の額当てがあった。中央には奇妙なマークがついていた。少し年季が入っているようだった。

「雪男、これってお前のか?」

「え?これって?何のことを言っているの」

「これだよ、これ。この額当て・・・」

 燐の言葉が途切れる。雪男は不思議そうに燐の顔を覗き込んだ。

 いたのだ。

 ドアの前に立っている。

 夢の中にいつも出てきた、あの女性が。

「ッ!!お前ッ」

 燐が叫ぶと、彼女はスーッとドアの向こう側に消えて行ってしまう。

「!?に、兄さ・・・」

 雪男の声は届かない。燐はその女性の消えて言った方向に走っていく。ドアを勢いよくあげて、廊下をきょろきょろと見渡す。

「!・・・いた・・・」

 彼女を見つけるとすぐさま追いかける。なんだか、女性は楽しげに逃げているようだった。これではまるで鬼ごっこだ。

「おい!!待てよッ!あんた・・・一体、誰なんだ!?」

 彼女はくすくすと笑っては静かに滑るように廊下を通る。意外に逃げ足が速いので、燐は走って追いかける。

 いつの間にか、外の大広場に出た。噴水が勢いよく飛び出し、水の音を響かせる。彼女を見失ってしまった。それでも燐は、息を荒げながらあたりを注意深く見渡す。

 気がつけば、額当てを握りしめていた。なぜか倶利伽羅もちゃんと持ってきていた。彼女を敵だと思って反射的に持ってきてしまったのだろうか。

 そういえば、雪男にこの額当てが見えていなかったようだった。何故見えなかったのだろうか。彼女—————夢の中に出てくる女性も見えていなかったようだった。

「もしかして・・・この額当てと関係してんのか・・・?」

 じっと額当てを見る。

——————リン・・・。

「ッ!!」

 誰かに声を呼ばれた。

 声に聞き覚えはない。しかし、燐がその声を聴いて一番初めに思い浮かんだ顔は、あの、女性だった。

——————リン・・・。キテクレタ・・。

「おい・・・あんたなのか!?夢に出てくるあんたの声なのか!?」

——————・・・リン・・・。オネガイ・・・。

「・・・・・え?」

 すると、その瞬間。

 地面が揺れたような気がした。

 足元を見ると、自分が立つ足場の周りが渦を巻くように歪んでいく。

「う・・・ぁぁぁあああああ!!」

 燐が、その渦の中に吸い込まれていく。

——————タスケテ・・・。

「・・・・!!」

 今、なんて言った?

 燐が、確認しようとしたときには、すでに渦の中に飲み込まれていった。


Page:1 2



この掲示板は過去ログ化されています。