二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

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キョンの消失
日時: 2012/01/09 22:32
名前: デストルドー (ID: xPOeXMj5)

初めまして、デストルドーと申します。新参者なので至らないところもあると思いますが、よろしくお願いします。


〜注意〜

・これはライトノベル「凉宮ハルヒシリーズ」の二次創作です。涼宮ハルヒシリーズファンの方は特にキャラのイメージが各々の方と異なる可能性があります。キャラのイメージを損なわないよう努力致しますが、あらかじめご了承お願いします。


・作品の評価や感想は厳しくとも喜んで受けとるつもりですが、謂われのない誹謗中傷はご遠慮ください


その他何か問題点等あればいってくださるとありがたいです。

〜目次〜

・プロローグ >>1

・第一章 >>2 , >>3 , >>4 ,>>5

・第二章 >>6 , >>7 , >>8 , >>9

・間章 >>15 , >>16

・第三章 >>17

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Re: キョンの消失 ( No.14 )
日時: 2012/01/09 09:07
名前: デストルドー ◆s4.FcLcEko (ID: CjSVzq4t)


初めまして。

ご感想ありがとうございます。

いやー、やっぱりタイトルがありきたりでしたか。
何とか内容は独自性が表せるといいなとおもいます。

Re: キョンの消失 ( No.15 )
日時: 2012/01/09 11:19
名前: デストルドー ◆s4.FcLcEko (ID: xPOeXMj5)



〜間章〜






僕は足早にマンションのエントランスを出ると、道路に止まっている黒塗りの車に乗り込んだ。

「古泉、任務はこなしたわね?」

「……ええ、もちろん」

「そう、それならいいわ」

僕に声をかけたのは、助手席に座っている森さんだ。僕が座っている後部座席の方に振り向き、微笑みながら隙のないオーラを飛ばしている。

「あなたがあんな行動をとるとは驚いたわ。一応忠告しておくけど、次はないと思った方がいいわね。正直次は庇いきれない」

「はい……先ほどは取り乱して申し訳ありません。反省しています」

「本当に反省しているの?」

すると、運転席から、

「おい、その辺にしといてやりなさい。そんなにボロボロになった後、任務までこなしてきたんだ。もう疲れているだろう。古泉ももう分かっただろう。こんなことはもうしないさ」

優しいテノールで諭すように話すのは新川さんだ。

「まあ……そうね、もうやめておきましょう」

ここは素直に助かったと言っておきたい。ありがとうございます。森さんは怒るとなかなか厄介だ。メイドのときののように穏やかであったらいいのに。

僕は先程反省していると言ったが、半分本当で、もう半分は嘘だ。森さんに迷惑をかけたことには反省しているが、僕はそうやすやすと行動を改める訳にはいかない。

そんなことを考えていると、

「古泉、例の作戦決行は早まるかもしれないわ」

「……!なぜです?」

森さんは呆れたように、

「あなたが余計な行動をとったせいでね。それから、他の組織内でも段取りとは違うことが起きてしまったようなの。イレギュラーな行動をとったのはあなただけではないようね」

「……そうですか」

僕は焦っていた。元々勝算が低い作戦だったのが、さらに厳しくなった。ミッションインポッシブル。どうやら僕以外の人も失敗に終わったようだ。だが、ここであきらめる訳にはいかない。僕は約束は守る方だ。




─────それが「機関」にとって好都合なことなのだとしても、僕は一度だけ「機関」 を裏切ってあなたに味方します。僕は「 機関」の一員ですが、それ以上にSOS団 の副団長でもあるのですから。

Re: キョンの消失 ( No.16 )
日時: 2012/01/09 14:13
名前: デストルドー ◆s4.FcLcEko (ID: xPOeXMj5)

「情報統合思念体へのアクセスを申請」

却下。もう一度。

「情報統合思念体へのアクセスを申請」

却下。一週間前から数えて25421回目の申請却下。

私からのアプローチはかけられない。情報統合思念体からの一方的な指令のみ。

ただ、これは予想できたこと。しかし、私の認識が甘かった。
これは情報統合思念体からの制裁。次はない。恐らく、次は私の有機情報連結の解除。

────そうなったら最後。私ができることはなくなる。


ガチャリと玄関の鉄扉が開いた音がする。

「こんばんは、長門さん。どれ位ぶりかしら。何度も消えたり蘇ったりして解らなくなっちゃった」





そこには私のバッグアップであった、朝倉涼子の姿があった。

Re: キョンの消失 ( No.17 )
日時: 2012/01/09 22:39
名前: デストルドー ◆s4.FcLcEko (ID: xPOeXMj5)



《 第3章 》





「キョン!何ぼけっとしてんの!シャキッとしなさい!人生は有限なんだから!時間は待ってくれないんだからね!」

全く、いちいち感嘆符を多用する奴だ。もう少し静かにしゃべれんのか。俺は悠久の時が誘うままに生きていくさ。

「ダメ!そんなんじゃ全然ダメよ!そんなんじゃあっという間に年とって、『俺の人生って一体なんだったんだ……』なんて後悔しかねないんだから!そんなんでいいの?」

もう少しのんびり生きても、というか、もう少しのんびり生きた方が人生は楽しいぞ。休むことは大事だ。大体日本人は働き過ぎてい……

「そんな屁理屈はどうでもいいの!あんたはつくづく頭の固い奴ね!」

少なくともお前よりは柔軟な思考を持っていると自負しているがな。

「あー、もういいわ!あんたと話しても埒あかない!もうあたし一人でやるもん!あんたはお役御免よ!」

そうかい、そりゃありがたい。ようやく普通の生活が堪能できるぜ。

「……!……あんたは普通の方がいいの?」

ああ、そりゃ普通の人間だからそれ相応のものがベスト、いや、ベターくらいか。まあ、右往左往して草臥れるよりは全然いいね。

「……そう」

なんだ、急に。長門の真似か?

「……結局あんたも解ってくれないんだ……他の人達と一緒なんだ……」

おい、どうしたんだ、どうい……

「うるさい!あたしはやっぱり一人なの!」

「そんな叫ぶな。後、人の話は最後まで、っておい、どこ行くんだよ」

ハルヒは俺が言い終わらない内に部室の扉をぶち破る勢いで開け、陸上部さながらの走りで駆けていく。俺も追いかけるものの、みるみるうちに置いていかれ突然辺りが真っ暗になった。

ちょっと待ってくれ。ハルヒ。置いてくな。

────ハルヒ……!




────────────────────────



ドン、と鈍い音が背骨に響き、やがて全身に伝わっていく。

「痛っ!」

……またあの夢か。なんだってんだ。一応忠告しておくがあのワンシーンは俺は実際に体験していない。妙にリアルで気持ち悪いが、それだけは確信をもって言える。

急に変な夢を見ることはときたまあるが、今回のは少し特殊だ。なぜならこの夢を見たのは今日を含めて一週間連続であり、更新を留めそうにはあまりなさそうだ。

実体験がトラウマとなって、夢としてフラッシュバックするなら解るが、これは何ら体験の覚えのないフィクションだ。ちょっとしたスペクタクルだぜ。フロイト先生に夢判断でもしてもらいたいところだね。良い研究材料になると思うんだが。


……冗談はさておき、だ。この夢は何か意味深長なことを暗喩しているのではないだろうか?信じたくはないが、俺の命は後一週間足らずのものらしい。そしてその予想された悲劇に少なからず関係しているであろうハルヒのイレギュラーな団活動の欠席。これはこの夢を見始めた一週間前の出来事だ。何か関係があるのかもしれない。一週間のズレはあるにせよ、な。

……それから、古泉の推測に過ぎないが、席替えでの一件が関係しているかもしれない。

どういうことなんだ、ハルヒ。俺に飽きたのなら……うーん、なんだ、改まってそう考えてみると何か心に靄がかかる気がする。どうかしちまったのか、俺。まあ、この気持ちのエラーは置いておこう。だから……えーと、つまりだな……って、何故に言い訳しようとしているんだ。こんなことはどうでもいいのだ。

つまり、人に飽きたからって何も殺すことはないだろうってことだ。いくら常識はずれのアイツでもそのくらいは分別がつくだろう。そうでなかったらとっくにあの陰険な数学教師や谷口、いや、大半の人間が今頃死んでいるはずだ。



……それとも、それとも、だ。




アイツは俺を殺したいくらいにうんざりしているのだろうか────

Re: キョンの消失 ( No.19 )
日時: 2012/01/10 16:28
名前: デストルドー ◆s4.FcLcEko (ID: F08K/Z64)

……いかんな、ついついネガティブなことを考えちまう。やれやれ、どうやら人間は追い込まれたときには深く思考し過ぎない方が良いようだ。これはあくまで俺の仮説に過ぎないが。

だが、俺が何もアクションを起こさない訳にはいかない。長門も古泉も信じてくれ、なんとかする、といってくれた。がしかし、あの爽やか笑顔の気障野郎の助けにただすがるだけなのは癪に障るし、長門ばかりに負担をかける訳にはいかないのだ。去年の12月にそう決めたのだ。それに、今回のことは世界の法則が乱れるとか、存亡の危機とかじゃない。俺の命一つの命運なのだ。そりゃ俺にとっちゃまさに命と同じくらい大事という意味が身にしみて解るほどかけがえのないものだし、命あっての物種とも言う。だが、こう言っては極端かもしれないが、今回あの二人からあまり緊急性は感じなかった。これは本当ただの俺の勘だが、俺が死のうがハルヒには大きな影響がないんじゃなかろうか。長門も情報操作が使えないというのになんだか上の空だったし、古泉の物言いにも何か引っかかる物がある。

なんてことが本音であったりするが、とりあえず今回は自分でなんとかする、ということを前提で動くべきな気がする。もちろんあいつ等のことは信頼している。朝比奈さんは少々頼りない部分があるのも否めないが、俺は信頼している。でも、それでも今回は、頼り過ぎちゃいけない気がするんだ。


なんて偉そうなことを能たれてはいるが、具体的な方針はまだ決まっていない。うーん、とりあえずハルヒにいろいろ聞いてみるか。

なんて考えているとふと部屋のデジタル時計が目に入る。

午前8:20分

ちなみに今日は普通授業がある平日だ。


……やれやれ、時間は待ってはくれない、か……


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