二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- 暗黒騎士呀鎧伝 業
- 日時: 2012/05/15 19:33
- 名前: 千本桜 (ID: StvfWq.v)
黒き闇に落ちた心
その心に輝きはなかったのか
その心に希望はなかったのか
それを知りたい者は行くがよい
暗く 深い 闇の中へと
暗黒騎士呀鎧伝
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.34 )
- 日時: 2012/11/18 12:41
- 名前: 千本桜 (ID: WfT2i/6h)
「ねえこれどうなってるの?さっきの私みたいな人は誰なの?」
「大丈夫。きっとあいつが助けに来てくれる。だから心配しないで瑛子
それまで私が絶対守るから」
「あいつって?」
「それは…」
"魔戒騎士のことか?"
ビクッと身構えると瑛子もどきの奴は上の鉄柱に逆さまのまま歩いて私
達を見下ろしていた。
瑛子の手を取り逃げようとしたが一瞬で目の前に立ちふさがり出口を封じられてしまった。
「なによ。そういうあんたはホラーでしょ」
"いかにもホラーですけどなにか?"
「!!」
さっきまで瑛子の姿だったのに今度は木村さんの姿になった。
"この姿はあなたの記憶から作った幻でしてね。私は人間の記憶から様々
な人に化けられるのですよ"
「それに何の意味があるってゆうのよ」
"わかりませんか?例えばその人にとって大切な者が死んだとします。そ
こに死んだはずの者が現れたらどうなります?絶望に打ちひしがれた人
間は歓喜するでしょう。その人間を喰らう。これ以上の美味はないでし
ょう?"
「下衆の考えね。反吐がでるわ」
"別に人間に理解してもらおうとは思いませんが、そろそろあなたをいただくとしましょう"
「くっ!」
こんな奴相手に逃げきれる自信なんてない。なら…
「瑛子、私が囮になるからその隙に逃げて」
「そんな!それじゃ御坂ちゃんが!」
「しっ!あいつの目的は主に私よ、あなたにはそんな興味はないはず
だから」
「でも…それだと御坂ちゃんが…」
瑛子はもう涙目になって私の服の裾をギュッと握りしめて震えていた。
「心配しないで私はもう誰も見捨てない。見捨てるくらいなら…」
「死んだほうがまし…か?」
ハッと声のした方を見ると上の窓に黒いフードを頭まで被ったあいつが
立っていた。
"何者だ!?"
「自分を犠牲にして人を助ける?自己満足もいいとこだな」
いつのいまにか優斗は私たちの目の前まで降りてきてホラーを蹴り飛ば
していた。
「お前はそれでいいだろうが残された者はどうなる?悲しみ、孤独、
罪悪感にかられるかもしれない。お前はそれでいいのか?」
「…嫌に、嫌に決まってるじゃない!!けど嫌なのよ!私の大切な人
が目の前で死んじゃうのが!」
「なら生きろ!どんなことがあってもどちらとも助ける道を選べ!自
分が犠牲に…なんて二度と口にするんじゃない!」
「…うん。分かっ…た。だか…ら…助けて」
緊張の糸が切れたように私の涙腺が崩壊した。安心と怖さがいっぺんに
涙へと変わっていく。瑛子はそんな私を抱きしめてくれた。自分も怖い
だろうに…そんな瑛子の優しさが、私は大好きだ。
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.35 )
- 日時: 2012/11/30 00:26
- 名前: 千本桜 (ID: OYJCn7rx)
″おのれ…人間風情が…″
「残念だが俺はただの人間じゃないんでね」
″!!…なるほど魔戒騎士か。だが貴様に斬れるかなこの私を!″
「いちおう言っておくが俺は今機嫌が悪い。余計なことをせずにさっ
さと…」
″お前の母の姿を!!″
ホラーは形を変えると俺の母の姿になった。
「どういうつもりだ?」
″アハハハハハハ!!どうだお前の死んだ母の姿だ!斬れるかな!?斬れな
いだろう!?別人でもこれは…″
「だから」
鎧を召喚し、黒炎剣を抜くと俺は一気に間合いを詰めホラーの胸元めが
けて突き刺した。
″が…なっ!?″
「貴様のつまらん能力で母さんを汚すな」
ホラーが弾け散ると空中に陰我が漂うが俺はそれを斬り裂いた。
「喰らう価値すらない」
鎧を解くと二人のところに歩み寄る。
「終わったぞ、早く帰るんだな」
「あ、ありがとう」
御坂がお礼を言って立ち上がろうとしたがそのままストンとまた座って
しまった。
「なにしてる」
「な、なによ別に腰が抜けて立てないわけじゃないんだからね!」
「御坂ちゃん。ツンデレ?」
「ち、違うわよ!なんでこんな奴なんかに!」
「どうでもいいから…仕方ない。そこでじっとしてろ」
俺は魔戒剣で二人の周りに円を描くと光が二人を包み込む。
「後は自分の家を思い浮かべれば転移できるはずだ。そのあとは出歩
くなすぐに寝ろ」
元来た道を帰ろうとしたとき御坂の友達が待ってと俺の足を止めた。
「なんだ?」
「今日はありがとう。御坂ちゃんを助けてくれて、このお礼はちゃん
とするから」
「…」
まったく御坂の周りの人間はおかしな奴ばっかりだな。だが…久しぶ
りに人間を見た気がする。二人ばかりな…
言葉を返す前に二人は転移して消えた。
「帰るか…」
明日になったら俺はいつもの自分に戻ろう。…いや偽りの自分に
戻ろう。これ以上重荷は増やしたくはないからな…
俺の姿は闇に溶けるようにして闇夜に消えた。俺自身の虚栄を残して
…
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.36 )
- 日時: 2013/01/18 22:02
- 名前: 千本桜 (ID: uz6Wg9El)
予告
闇の森にこだまする巨刃の咆哮
今暗黒騎士の前にそびえ立つ
預言
゛巨刃゛
いざ交えろ闇の斬魔剣!!
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.37 )
- 日時: 2013/01/27 18:12
- 名前: 千本桜 (ID: rJoPNE9J)
「う〜ん!絶好のキャンプ日和だねえ御坂ちゃん!」
「やめて〜あまり大きな声を出さないで〜車酔いがひどくて吐きそう
なのよ〜」
「バスの中であんなにはしゃぐからだよ。はいこれ薬、先生には私か
ら言っておくから少し部屋の中で休んでなよ」
「うん、ありがとう瑛子」
私たちは今学校行事の旅行で山の中にいる。なぜ山なのかというと校長
いわく゛人の力は自然の中でこそ発揮される少年少女よ大志を抱け!わっはっは!!゛ということで今日は学校私有地の山で2泊3日の林間学校の初日で私は車酔いでグロッキーである。
「ううやっぱり無理…」
こんなことになるなら家を出る前に酔い止めの薬飲んでおくんだったな
あ
「こんなとこでなにをしてるだお前たちは」
「「!!?」」
いつの間にか優斗がいつもと同じすまし顔で私たちをドアの前で見てい
た。
「影宮君こそここでなにをしてるの?もうすぐ集合時間だよ?」
「俺は別にいいんだよ。いようがいまいが関係ない」
「…あのさ前から聞こうと思ってたんだけど、なんでクラスのみんな
は優斗が授業にいなかったとき誰も気にしなかったの?」
「聞かない方が身のためだ」
「…」
凄んでるけど冗談だよね?
「ほらっ」
ヒョイッと優斗から渡されたのはなにやら奇妙な液が入っている瓶だっ
た。
「ちなみに聞くけどこれはなに?」
「さあな」
「おい!」
「…その様子だと必要なかったか」
「?…なにか言った?」
「なんでもない。それよりそっちのお前に聞きたいことがある」
- Re: 暗黒騎士呀鎧伝 業 ( No.38 )
- 日時: 2013/03/12 01:01
- 名前: 千本桜 (ID: nWEjYf1F)
「なに影宮君?」
「この山の麓に立ち入り禁止の区域があっただろう。あれはいつから
なってたんだ?」
「え?なんでそれを私に聞くの?」
「ここの山はお前の親父いわゆる学園長の私有地だろう」
「まあそうなんだけどね。えっとお父さんから聞いたんだけど数年前
にお父さんがここに来たとき一人の男の人がきたみたいなんだけど、
でもその人こんな山奥なのになんの荷物も持ってきてなかったらしい
から話しかけてみたみたいなんだけど無視されたみたいで…その夜な
の森で鬼の鳴き声みたいのが響いた直後に火の玉が出たって、それ以
来あの森は鬼哭の森って呼ばれて誰も近づかなくなったの。ああでも
その後偶然お父さんが雑誌でその人をみつけて、え〜と確か名前は…
」
「龍崎 駈音か?」
「…正解、よくわかったね」
それだけ聞ければ十分だというように優斗は部屋から出て行こうとす
る。
「ちょっと待ちなさいよ優斗、それって…あなたと関係がある人なの
?」
「お前たちには関係ない」
その言葉に思わず私はカチンとなった。
「なによその言い方!人がせっかく心配してるのにその態度はなんな
の!」
「…なにかお前は勘違いしているようだな。俺は別にお前たちがホラー
に喰われようがなにをされようが関係ないんだ」
「なっ!?」
「このさいだからはっきりいっておくお前たちは俺にとって利用でき
るものだから助けているだけだ。わかったな」
今度こそ優斗はなにも言わずに部屋を出て行った。
「ひどい。なんであんな言い方…」
思わず泣きそうになる。あんな言い方されるなんて思っていなかったか
ら、いや優斗の雰囲気からそんな風に思っていたのは心の奥でわかって
いたかもしれない。だからこそ悔しい一人でなにもかも背負っていくあ
いつになにもできない自分が…
「でも御坂ちゃん。影宮くんなにか泣いてるみたいだった」
「えっ?泣いてたのあいつ?」
「いや泣いてはいなかったけど、なにか泣いてるみたいだった」
「…瑛子がそういうんだったらそうなんだろうね」
「あっでも御坂ちゃん影宮くんがどう思っているにしろ御坂ちゃんを
心配しているのは間違いないと思うよ」
「なんで?」
「影宮くんさっき御坂ちゃんに多分だけどなにか薬みたいなのをあげ
ようとしてたみたいだから」
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