二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
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- ぬらりひょんの孫 -僕等の世界-
- 日時: 2012/08/31 20:05
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
初めまして、またはこんにちは。快李です。
【注意事項】
・駄文です
・亀更新です
・誤字脱字あり
・荒らしはご退出お願いします
・一応、原作沿いで行きたいと思ってます
-table of contents-
プロローグ・・・>>1
オリキャラ・・・>>2
第一輪【小学校へ】>>3
第二輪【妖怪の姿】>>4
第三輪【僕等の血】>>7
第四輪【二人創作】>>8
第五輪【僕の妖は】>>9
第六輪【僕の力は】>>10
第七輪【輪交繋の】>>11
第八輪【時は超え】>>12
第九輪【崩れる図】>>13
第十輪【良い気分】>>14
第十一輪【遠い距離】>>15
第十二輪【追い続け】>>16
第十三輪【憧れる背】>>17
第十四輪【遠野の里】>>18
第十五輪【違う空気】>>19
・start...2012/08/14
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.11 )
- 日時: 2012/08/21 15:27
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第七輪 -輪交繋の-
ガゴゼは追い詰められていた。部下が次々と倒れていく中、ガゴゼ一人だけ無傷だった。そんな時、三人が狙われた。リクオと仲が良いカナと、清継、島が。
「こいつらを殺すぞ!?若の友人だろ!?殺されたくなければオレを・・・」
後ろから何かが三人に向かって走っていった。白銀と漆黒が混ざった綺麗な髪を靡かせて、刀を立ててガコゼの顔の中心を切る。血が噴射しても、幼い妖怪の主は恐れない。
「若!?」
「なんで・・・なんで・・・。貴様のようなガキに・・・。ワシの・・・ワシのどこがダメなんだ—!?妖怪の誰よりも恐れられてるというのに——!!」
・・・子を貪り喰う妖怪はおそろしい。でも、弱い者を殺して悦にひたってる妖怪が、世界で一番の「おそれ」になれるはずはない。
「情けねぇ・・・こんなんばっかか。俺の下部の妖怪どもは!・・・だったら!!」
態度は急変してる。言い方や正義感は、人間時のリクオとはやはりかけ離れていた。
「オレが三代目を継いでやらぁ!!人にあだなすような奴ぁ、俺が絶対ゆるさねぇ」
「若・・・」
「・・・リクオ」
「世の妖怪どもに告げろ。オレが魑魅魍魎の主となる!!全ての妖怪は、俺の後ろで百鬼夜行の群れとなれ」
最後にガゴゼをまっぷたつに切り裂き、宣言した。これで将来人間生活に満足するような奴にはならないだろう。きっと俺達妖怪の為に・・・尽くしてくれる筈だ。
ドサッと誰かが倒した音がして、眼を開ける。リクオが煙を出して地面に倒れていた。妖怪達はみんなリクオを囲み、奏もその中に入っていった。どうやら人間の姿に戻っただけだったらしい。
僕だけ先に帰って、ぬらりひょんの所に行く。輪を手に入れたことや、輪で出来た妖怪の事・・・。話したいことが山ほどある。
「何が言いたいのかくらいわかってるわい」
「・・・リクオ、かっこよかったよ」
「ワシの孫じゃからの」
「・・・この輪、体中が輪で出来た奴に貰ったんだ」
「!!・・・そうか、もうそこまで行ったか」
「ねぇ、教えてよ。僕達は何者なのさ」
ぬらりひょんはお茶を三口飲むと、深いため息をついた。話したくないんだな。でも僕は知りたい。自分の事を知らない事ほど、辛い事はないんだから。
「お前達は、できちゃったんじゃ」
パカッと口を開け、笑って人差し指を立てるぬらりひょん。・・・できちゃった?それは・・・。
「アンタは遊び人だったってことか」
「最初に輪交繋と出会ったんじゃが・・・失踪してのぅ。お前だけが見つかったんじゃ」
笑って過ごすぬらりひょん。気にかかった言葉は「失踪」輪交繋に何があったのか、聞けば聞くほど謎は増えてくる。
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.12 )
- 日時: 2012/08/23 11:11
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第八輪 -時は超え-
あれから何年も経って、リクオは中学一年生になった。僕達はまだ、正体を聞き出せないままにいた。いや、聞いてない。・・・なぜか、怖かった。自分の事を知るのが・・・知らないよりもずっと。
「おはよう丕!今日こそ学校行こうよ!」
「・・・行かない」
「どうして?最近休みっぱなしだよ」
「・・・良いから」
「わかった・・・。リクオ、行こ!」
入学式から一週間。その間に「清十字怪奇探偵団」という清継が部長的な部活的なのに入れられた。部活かどうかなんて知らない。・・・思えば、最初の一週間しか学校に行ってない。
嫉妬・・・焼きもちなのかもしれない。奏は・・・もう人間に馴染んでしまった。だから僕は一人になることが多い。・・・僕等は小さい頃からずっと手を繋いで、一緒にいた。自分達だけの世界を作ってた。なのに・・・もう僕等の関係は終わりかけている。
「丕くん」
「若菜さん?」
「ちょっといいかしら」
「・・・はい」
食卓に行くと、若菜さんは袋とメモと、二千円が入った財布を渡してきた。
「おつかいに行ってきてくれる?買うものはメモに書いてあるから。そうそう、余ったお金で欲しいもの買ってきてもいいわよ」
「・・・わかりました。行ってきます」
「気を付けてね」
リクオはガゴゼの時以来、妖怪に変化することはなかった。逆に「立派な人間」へと成長していた。三代目を僕を期待している妖も少々いるが、僕は断然拒否だった。
あの時見たリクオの背中は、大きくて凛々しかった。それは組のみんなが承知している。・・・僕は小さな背中で、頼りない。奏を取られて嫉妬してるくらいだから。
「・・・イチゴ、グラニュー糖、バター・・・」
まるでお菓子の材料みたいだ。グラニュー糖なんて普通の料理には使わないし。・・・今日のご飯は何なんだ?
やけに周りから視線を感じて、なんか嫌な気分になった。お金は700円くらい余っていて、何故か自然に足が花屋に行っていた。そこにあったのは、奏が好きな花「百合」価格は200円で、迷わず買ってしまった。
「プレゼントですか?」
「・・・はい」
「リボンは何色がいかがですか?」
「・・・桃色でお願いします」
「はい」
家に帰って、買ってきたものを若菜さんに渡した。若菜さんの視線は、真っ先に百合の方に行った。
「二人共、仲良いのね」
「・・・わからないです」
「そう?私は良いと思うけどな」
優しく微笑みかけてくれても、笑って返せなかった。昔は間違えなく仲は良かった。でも・・・今は。
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.13 )
- 日時: 2012/08/23 11:09
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第九輪 -崩れる図-
晩御飯は、いつも妖怪達と食べることになっている。もちろんリクオや奏もいる。・・・でも最近は一緒に食べていなかった。奏の隣に居ることを恐れていた。でもみんなから、今日は絶対来てと言われ、行くしかなかった。
「丕様が来たぞ!」
「ホラ皆、位置について!」
障子を開けたら、みんなが綺麗に並んでいた。その中心には、リクオと奏。みんなが満面の笑みでこっちを見ていた。
「・・・何」
「コレ、開けてみて」
奏が差し出したのは、白い箱だった。開閉出来るようになっていて、リボンを外して開けると、僕の好きなイチゴのショートケーキが入っていた。一体何がどうなってる。
「最近、丕元気ないでしょ?だから皆、丕を喜ばそうって張り切って。みんなで作ったんだよ、このケーキ」
「・・・元気がないワケじゃないよ。ただ・・・」
「ただ?」
「・・・・・・なんでもない。作ってくれてありがとう。でもお腹いっぱいだから」
断って立ち去ろうとすると、後ろからリクオに呼び止められた。
「一時間くらい後、学校の旧校舎にみんなが集まるんだ。丕も来ない?」
「・・・嫌だ」
学校に旧校舎があるのは知らなかったな。何故夜中に集まるんだ。妖怪探索か何かか。
「私も行くよ」
その言葉に、耳が少し動いた。奏が行くのか・・・妖怪探索に?怖がりの奏が?・・・そう思うと、心配になってきた。振り返って、改めて返事をする。
「行くときは部屋に来い。行くから」
二人の返事も聞かずに、僕は立ち去った。和服からパーカーの服に着替え、髪を結び直す。物心ついたころから、髪は長くて結んでいた。ぬらりひょんが元々長かったそうだし、リクオの妖怪時も長かった。・・・似るもんだな、親子って。
「丕、行こ。そろそろ皆集まると思う」
「わかった」
奏は僕と同じ茶色の髪を伸ばしている。雪女よりは短いが、結ぼうとはしない。いわゆる家長みたいな感じかな。でもアイツよりは長い。
旧校舎ではなく高速道路の下で待ち合わせだと。鳥居と巻は用事があって来ないらしい。
「あ、丕くん。久しぶり」
「・・・」
「よし・・・そろったね。メンバーは8人か・・・」
清継、島、家長、リクオ、僕、奏、知らない女子と男子。計八人だった。いや、知らない男女じゃない。どっかで見たことある顔だ。明らかにあの二人に似ている。リクオが気付かないのがおかしくてたまらない。
「丕、手つないでいい?」
「・・・いいよ」
久しぶりに繋ぐ、触れる奏の手は冷たかった。ひんやりとしていた。それは僕等の関係を意味しているのかもしれない。
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.14 )
- 日時: 2012/08/24 14:00
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第十輪 -良い気分-
旧校舎の中は、妖気で充満していた。普通の人間やリクオはわからないが、僕等にはわかる。昔の妖怪じゃなくて、若い・・・現代の妖怪。
「丕・・・妖怪いる?」
「いないよ」
「だって妖気が・・・」
「それ僕の」
「あ・・・そうなの?」
背中にしがみついて、眼を強く瞑る。僕の妖気じゃないけど、怖がらせたらいけない。
タンスを開けると、赤ん坊くらいの大きさが入っていた。こっちを見て、笑ってくる。取りあえずグーで殴って気絶させて、タンスを閉める。・・・気持ち悪い妖怪だな。
「ねぇ丕・・・」
「酷い顔だぞ」
膝に手を置いて、ゼェゼェ深呼吸するリクオ。多分妖怪を退治・・・殴っていたんだろう。酷い有様だ。
「妖怪多過ぎだよ・・・丕も手伝ってくれない?」
「言われなくてもやってるよ。・・・別にもしもの事があったらゆき・・・。夜の姿になれよ」
「ゆき?・・・そんな簡単になれるものじゃないんだよ。それにみんなに危険が」
「みんな何てどうでもいい。僕が大切なのは奏だけだ。お前等なんてどうでもいい」
「そんなの・・・」
何も知らないくせに。奏がどれだけ辛いめにあったのか。僕が今どれだけ苦しいのか何もわからないくせに。なんなんだよ。
食堂に入ると同時に、ペチャペチャと音がする。島がライトを当てると、五人程妖怪がいた。囲まれているのは骨が見える野犬で、貪り食っている。
「・・・・・・・・・え?」
「どうする?リクオ。襲ってきたよ」
髪の長い妖怪はハサミを持って。ハゲの妖怪は口を大きく開けて襲いかかってきた。鍋にでも入れられて調理されればいい。お前等がどうなろうが・・・。・・・・・・・・・・・・・・・。
「リクオ様。だから言ったでしょ?」
「お前が継がなきゃいけねーんだよ」
「え?」
後ろからは女子に化けてた雪女と男子に化けてた青田坊。そして僕も輪を取り出して、妖怪達を凍らせ、殴り、突き刺した。
「こうやって若い妖怪が、奴良組のシマで好き勝手暴れてんだよ」
「うせな。ここはてめーらのシマじゃねえぞガキども」
青の一言で、妖怪達は逃げた。その時に清継と島の気絶してる姿が見えて、だらしなく見えた。
「もう大丈夫だよ奏」
「ううん・・・出るまで嫌だ」
「・・・」
正直言うと、離れて欲しかった。いつまでもくっついていると、心までくっついてしまいそうで。
「・・・帰ろうか、皆。青、清継達よろしくな」
今日は良い気分だ。・・・久しぶりに明日、学校に行ってみようかな。
- Re: ぬらりひょんの孫 -僕等の世界- ( No.15 )
- 日時: 2012/08/27 13:27
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第十一輪 -遠い距離-
「はい、丕くん。これお弁当ね」
「ありがとうございます」
噂によれば、リクオは昨夜妖怪の姿になったらしい。見れなくて残念だ。
久しぶりに今日から学校に行くことにした。でも奏やリクオとは別の時間帯・・・速く登校する。
「あの・・・ごめんなさい」
「ん」
「職員室はどこですか?勝手がわからなくって」
「・・・この棟の二階」
「おおきに」
同級生くらいの、髪の短い女子。この学校の制服は着てたが、方言使ってたし、見たことないから転校生か?・・・まぁ、僕は制服違うから目立つけど。
「・・・ねむ」
「やっぱりここ?」
「・・・奏」
「駄目だよ、授業サボッたら」
「別に」
「将来損するよー」
「お前こそ、サボッてんじゃん」
「後でカナちゃんに、ノート見せてもらうから。・・・あの時のこと、まだ引きずってるの?」
・・・奏は女子や男子や、先生にも人気が高い。優しくて、かしこくて、運動も出来る。まさに完璧な「人間」になっていた。「妖怪」ではなくて・・・。
「別に」
「・・・丕が悪いんじゃないよ」
「じゃあ誰が悪いのさ」
「それは・・・」
「ホラ。俺しかいない」
「・・・どうしてマイナスの考え方しかしないの?」
「俺の人生マイナスで出来てるから」
「じゃあ、私の人生のプラスを分けてあげる」
・・・意味が分からない。でも、風に揺れる奏の髪と綺麗な笑顔は、絶好だった。こんな画、もう二度と見れないかも知れない。
「お前のプラス分けてもらったら、お前が「動ける時間」がなくなるぞ」
「いいよ。死ぬわけじゃないもの」
「死んでると同様だろ」
「・・・丕の馬鹿」
一時間目の終わりのチャイムが鳴り、奏は屋上の階段を下りていった。・・・おこらせてしまった。あの奏を。でも本当の事を言ったまでだったのにな。
「ただいま」
「ずいぶん早いお帰りですな」
「昼より夜の勉強の方が俺のため」
俺の帰りを出迎えるのは、毎回木魚達磨。長いヒゲとハゲがモチーフだ。
「奏様は、かなり馴染んでるようですな」
「関係ない。あんな楽しい時間、すぐ終わるさ」
「・・・奏様の事、理解してないようですなぁ・・・」
「は?」
何を言ってるんだ。僕等は双子。相手の気持ちなんて充分理解してるんだよ。奏は、人間と仲良くしてるのが幸せなんだ。
「僕は奏の良き理解者だ」
「・・・失礼ながら、丕様は本当に奏様と血の繋がりがおありか?」
「だから何だ」
「いえ、知らないにも程があると思いましてな」
「・・・うるせぇな」
だったらお前は。奏の事を知ってるのか?理解してるのか?みんな・・・他人事のように思っていない、あの「出来事」を。
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