二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ルーンファクトリー 異種族との架け橋   ( No.149 )
日時: 2008/11/26 22:09
名前: リュウ (ID: QxOw9.Zd)

「…実は私の前にも、人間の町に交流の為に旅立ったエルフがいるんです。」

「そうなんですか?」

「ええ。ゼリアスという方で、レオンの父親でもあった方です。」

「え?レオンさんの…?」

「はい。ゼリアスさんは面倒見の良い、優しい方でし

た。里のエルフも彼を慕っていました。彼が人間の町

に行くと言った時、当然反対する人もいましたが、ゼ

リアスさんは両種族の交流のためには必要なのだと反

対意見を押し切り、里を旅立って行かれました。その

時まだ幼かったレオンも一緒に連れて行ったんです。」

「なるほど…でもどうしてレオンさんは人間嫌いに?

ゼリアスさんが人間と交流を持とうとしたのに…。」

「…ゼリアスさんは、町の人間からも好かれていたそうです。ですが、ある時……」

タバサはここで言葉を切った。

「…ある時?」

「…突然変異で巨大化、凶暴化したモンスターがその町に襲いかかったんです。」

「え!?どうしてそんなモンスターが!?」

「理由ははっきりとは分かりません。私も人から聞いた話なので…。」

「…そうですか…。すみません、続けて下さい。」

「町に戦えるような人間はろくにおらず、ゼリアスさ

んが一人で迎え撃ったそうです。ゼリアスさんは剣術

魔術ともに大変優れた使い手でした。しかしそれでも

苦戦を強いられるゼリアスさんを、レオンは誰か助け

てやってくれと泣いて頼んで駆け回ったそうです。」

「そんなことが…」

「ですが先ほど言った通り、ゼリアスさんを助けられ

るような人間はおらず、ただ見守ることしかできなか

ったようです。ゼリアスさんは決死の覚悟で戦い、何

とかモンスターを追い払いました。ですが、ゼリアス

さんも深手を負い、エルフの森に戻って養生したので

すが、治療の甲斐なく……。」

「……」

「レオンは自分の父親を見殺しにした人間たちを、ど

うしても許すことができませんでした。それ以来、レ

オンは人間を憎み続けているんです…。」

「…レオンさん、ショックだったでしょうね…お父さんが死んだ時…。」

「ええ……。」

重い空気が流れた。やおら、アリアナが立ち上がって言った。

「さあ、いつまでも暗くなってても仕方ないわ。タバ

サ、皆に挨拶に来たんでしょう?タバサからの土産話

は十分聞けたし、そろそろ他の人の所にも行ってきたら?」

「…ええ、そうね。そうしましょう、ラグナ様。」

「は、はい…。」


二人はアリアナの家を出て、再びドッシに乗った。

「それで、次はどこに行くんですか?」

「そうですね…エンドールの家に行きましょうか。」