二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: モンスターハンター・バロル 39話更新 ( No.35 )
- 日時: 2010/02/15 18:24
- 名前: アビス (ID: 3CAtWHbZ)
10話
破壊の龍と創造の龍
「おや?お前さんたちは・・・」
「お!村長!」
村の前にまたも村長が立っていた。
「こんにちは」
ミルナが丁寧に挨拶をする。
「おや?ミルナどうした。随分すっきりした顔をしてるな?
なんか嬉しいことでもあったのか?」
「あ、いえ」
手を顔の前で振って誤魔化す。
「まあよい。後で二人共、わしの家に来てもらえんか。話したいことがある」
そういって村長は村に戻っていった。
「「話したいこと?」」
ソニックとミルナは二人そろって、首をかしげた。
〜村長の家〜
「おお。来たか二人共」
家の前で立っていた。村長がいった。
二人はあの後すぐに、エルディにクエストの報告書を提出した。
そのとき、エルディが
「あら、ミルナ〜。あなたなんか良いことでもあったの?」
と、村長と同じことをいっていた。
(さすが、付き合いが長いことだけはあるな)
ソニックはそんなことを思っていた。
「まあ、中に入りなさい」
そういって、村長は家のドアを開けた。
中は案外普通であった。ソニックが住んでいるところと、大して差はなかった。
「ま、適当に座んなさい」
ミルナが礼儀正しく正座する。一方ソニックは完全にあぐらだ。
「それで、お話しとは?」
ミルナが呼ばれた理由をきいた。
村長は、うんと頷き話し出した。
「大した用ではないんだが。ちょっとした、昔話しを聞かせてやろうと思ってな」
「は〜!村長そんなことのために俺ら呼んだのかよ」
ソニックがあきれ果てる。しかし、村長は
「まあ、まあ。お前もきっとおもしろいと思うぞ」
と、笑っていう。
「わかったよ。ちゃんと聞くよ」
ソニックはあきらめた。
「よし。では、はなそう。それではソニックよ。この世界はどうやってできたと思う?」
「・・・・は?」
村長のわけのわからぬ質問に、呆気にとられる。
「ふふ。いきなりこんなこといわれても困るか」
村長が笑う。しかし、また口を開く時には真剣な顔になっていた。
「竜族に伝わる言い伝えがあるんだ」
そういうと、村長は目を閉じ、語りだした。
—この星がただの巨大な隕石だったころ—
—すでにこの星には生物がいた—
—人ほどの大きさの小さな黒い龍—
—山ほどの大きさの巨大な白い龍—
—息もできないこのの星で生きていた—
—あるとき白い龍がある力に目覚める—
—体が大地に触れれば草が生え—
—口を開ければそこから空気が漏れる—
—それからどれだけの時が経ったか—
—世界は自然で満たされていた—
—生き物が草の生えた地を歩き—
—多くの湖にたくさんの魚が泳いでいる—
—恵まれた自然で豊かだった—
—しかし唯一それを憎んでいるものがいた—
—ちいさな黒い龍だ—
—なぜあいつだけだけがあんな力を—
—同じ時に生まれたのになぜあいつだけ—
—小さな黒い龍は憎んだ—
—それからさらに月日が流れる—
—白い龍はある異変に気づく—
—空が暗い—
—原因はなにか空を見上げる—
—白い龍が驚愕した—
—空にいたのは自分より遥かにでかく大きくなった黒い龍—
—黒い龍は憎しみに身を任せ力を増大させていった—
—そしてついに己の力に目覚めた—
—それは白い龍の力とは逆の力—
—黒い龍はついに己の力を解放した—
—体中から黒いイカズチが地におちる—
—地は砕け生き物は跡形もなく滅する—
—ほんの一瞬で楽園を地獄に変える—
—だがそれでも黒い龍は力を出し続けた—
—この世のすべてがなくなるまで—
—その力のまえに白い龍はなす術もなく—
—イカズチが白い龍を襲う—
—すべてを破壊した黒い龍は力尽き地に落ちた—
—白い龍もまた地に落ちていた—
—白い龍は目に映った残酷な世界に—
—悲しみ一粒の大きな涙をこぼした—
—その涙が地面におちた瞬間—
—それは地面に奥深く埋まり—
—黒い龍の体は朽ち残った憎しみの邪気もまた—
—地中に潜った—
—こうしてこの世界の始めての生物は滅んだ—
—のちにこの2匹の龍は伝説となり—
—2匹になかった名前がつけられた—
—白き龍の名は『白阿神・ジルスト』—
—黒き龍の名は『黒吽神・ジスペル」と—
—だがまだどちらも生きている—
—いつかまたこの地に復活するため—
—己の力と共鳴するものが現れるのを待つため—
—今も地中に生きている—