二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 真選組★波乱日記★ ( No.278 )
- 日時: 2010/07/25 20:07
- 名前: 月芽麻 (ID: H5up09UV)
第八十五訓【不思議な奴は案外何か深い事を考える】
走姉さんと櫻の作った朝食を食い終え俺——眞木友里亜は屯所の縁側に座って空を眺めていた。
最近は、妙な事件もなくただただ平凡な日々を過ごしている訳だが…。
今日は何故かひっかる物があるのは気のせいだろうか…?
そして、友里亜は深く息を吸い大きな溜息を吐いた。
「どうしたの? 友里亜ちゃん?」
ふと、耳を澄ますと聞こえてくる櫻の声。
俺はとおとお幻聴まで聞こえる様になったのか?
しかし、その声はいつもの櫻の声なわけで…。
「友里亜ちゃん…如何したの? 大きな溜息なんかついて…。」
「いや、特に大きな事はねぇんだけど…。」
櫻の目を見て、友里亜は言う。
「何か今日…変な事でも起こるんじゃないかなぁって。」
「変な事…? あぁ、今日の満月の日の事ですか?」
「まぁ、そうなる。櫻は何も感じないのか?」
そう問うと、櫻はクスリと笑い『大丈夫。』と言ってくれた。
何故か、その言葉には深い意味などないとは思ったがどこかしら落ち着いた雰囲気を運んでくれた。
「そっか。じゃぁ、大丈夫だ。」
そしたら、俺の顔も綻んでいた。
「そうだ…、友里亜ちゃんコレ。」
そう言って、櫻は小さく斬られた紙を渡して来た。
「…何だこれ? 短冊か?見た所。」
「はい、折角の楽しい噂なので気分だけでも楽しもうかなって思って。」
そう言って、何時もの柔らかい笑顔を見せる櫻。
「櫻らしいな。じゃぁ…書いとくわ。」
「分かりました。それじゃぁ、私は洗濯があるので。」
そお言い残すと、櫻は栗色の髪を揺らし洗濯所の方へ消えて行った。
「願い事…か。」
そう呟くと、友里亜は何の躊躇いもなく自前のペンを走らせた。
——櫻が幸せになりますように。
書き終えると、友里亜は苦笑いを浮かべ短冊を見つめて何時もの笑みを浮かべた。
月が満ちるまで後——— 十五時間。