二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ■━━紫弓【銀魂】━━■ ( No.36 )
日時: 2009/12/30 14:19
名前: 帽子屋 ◆8ylehYWRbg (ID: vtamjoJM)
参照:               ———『攘夷最強を嘗めんじゃねェぞ』   

■━━…拾七

静かな空気の中、ただ時計の針が進む音が鳴り響く。
ただ3人の脳内は、先ほどの紫づくめの事でいっぱいだった。

いきなり来て、家族の居場所を聞くなり、さっさと出て行ったあの人物。

新八や神楽が今まで会った事無い人種であるのは間違いない。

「銀ちゃん、新八…、ゴメンアル…。ワタシが変な事言ったから…あの紫づくめ…」

神楽は申し訳なさそうに俯いた。

銀時はそんな神楽の頭にポン、と手を置いた。

「お前のせいじゃねーよ。あいつァ俺達が何しようと力ずくでも聞き出してたさ。そういう奴だ」

慰められ、少し立ち直りかける神楽。

「でも銀さん、あの人何者なんですか?」

「見たところ、何かアイツと銀ちゃん仲良さそうアル」

新八の問いかけに続き、神楽も質問する。

銀時はふうと一息つくと、稜弥の事について話しだした。

■━━


『さて、あん中に居なかったった事は、どっか出掛けてるんだよな? じゃ、待ってれば来るでしょ、多分』

あまり説得力の無い見当を立てながら、稜弥は万事屋へと続く階段の前に立った。

大通りに出っ放しだったら幕府の狗どもが来るかもしれねェ。
面倒事は免れたい。

『いやー、でも案外簡単に分かって良かったよ本当に! でもこれからどうすっかな、何しよっかな』

待ってる間は暇だと思う。
しかしする事が無い。

そんな事で悶々と頭を抱える稜弥。

『あああどうしようマジで俺暇なの苦手なんだよねェェ…。今から銀時ンとこに戻るか…、いやいやそんな恥ずかしい事できやしねェ』

あーもうどうすればいいんだー!! と叫んでみる。
周りから、何か変な目で見られたが稜弥は気にしなかった。

ううう…と唸っていると、丁度探しものが稜弥の前に現れた。

「あー…、すまぬがどいてもらえぬか。貴殿がそこにおると我が上に登れぬのだ」

その藍色の髪は、稜弥の目に美しく映った。
凛々しい顔立ちや立ち姿など、全ては写真より2倍美しかった。

『あ、アンタ…』

稜弥は震える指をその女に向け、すこし真の抜けた声で喋った。

『センウさん…だったりして?』

■━━…