二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 新 モンスターハンター・バロル  番外編(シルバ)1話更新  ( No.5 )
日時: 2009/12/30 22:08
名前: アビス (ID: 7.60N42J)

番外編(シルバ)2話
          決着



シルバが向かった先にはテオが待ち構えていた。
シルバはすぐに十数本ものナイフを一斉に投げつける。

しかし、テオはそれを翼で弾く。弾かれたナイフが地面、床。天井、壁に突き刺さる。
何本か当たったが、ダメージにはなっていない様子だった。

テオは翼を大きく広げる。辺りに赤い粉が飛び交う。

「まずい!!」

シルバがすぐにその場から離れる。

—ボカーーン!!—

赤い粉が粉塵爆発を起こす。するとすぐにまた自分の周りに粉塵が囲む。

—ボカン!!ボカーン!!ボカーーン!!—

幾度無く粉塵爆発がシルバを襲う。それを必死に逃げる。だが、
動き続けていた足が止まった。逃げようとした先が溶岩の中だったのだ。
辺りにはすでに粉塵が舞っている。

「しま・・・」

—ボカーーン!!!—

他の方に逃げようとしたが遅かった。爆発に呑まれるシルバ。
なんとか、そこから這い出るがダメージはでかい。

テオは休ませないとばかりに広範囲のブレスを吐く。
シルバは広がりきる前に横に逃げる。そしてがら空きの横腹にナイフを投げつける。

テオはそれを弾こうともしなかった。当たってもダメージが無いとふんで
完全になめていた。だが、それが仇となった。

—ビリビリ!—

投げたのは麻痺ナイフだった。テオは体が痺れて動かなかった。

ぬかった。テオはそう感じずいられなかった。
弾いていればこんな事にはならなかったものを。傲慢さがこの結果を生んだ。

テオは自分の愚かさとこの人間に対する怒りでいっぱいだった。
人間は攻撃してこない。おそらく回復に有しているのだろう。
あの人間は自分が必ず焼き払い、切り裂き、ずたずたにしてやる。


テオは痺れから痺れから抜け出すとこちらの方を向いた。
シルバは回復はしていなかった。所々火傷の跡が酷く残っている。
テオは雄叫びを上げるとこちらに向かって突進してきた。

シルバはもう避けるだけの体力は残っていなかったのか、膝を突き、動こうとしない。
テオは今も猛然と来ている。地面にあるナイフも蹴飛ばしながら進んでいる。

その内の一つを飛ばした瞬間、テオの動きが止まった。
そして、その瞬間テオが空中に飛んだ。いや飛ばされた。

テオがわけもわからず空中でもがく。だがもがけばもがくほど
体に正体不明の傷ができる。

「暴れるな。余計に自分が辛くなるぞ」

シルバはよろよろと立ち上がりながら言った。
テオは暴れるのは止めたがこちらをずっと睨んでいる。

「解せない様子だな。モンスターに説明しても理解できると思えんから、実際に見せてやる」

そういうとシルバはナイフを二本取り出すと投げた。
それが地面、壁にと刺さる。そしてその間には岩があった。

今度は左手を前に出す。その手は何かを引っ掛けているように見えた。
シルバが左手を開く。すると・・・

—スパァン!!—

岩が名刀の刀にでも切られたかのように切れた。

「糸よりも細く、鉄よりも硬い。性質はゴムのように
伸び縮みするワイヤーだ。これと同じようなワイヤーが今お前の体中に張り巡らされている」

そう、テオが痺れている間に行っていたのは、辺りにワイヤーつきのナイフを刺し、
罠を張っていたのだ。そして仕掛けたワイヤーと繋いだナイフを地面に刺し、
テオがそれを外すことでワイヤーが引っ張られ、今の宙吊りへとなっている。

シルバはナイフを一本手に持つと遠くに刺さっているナイフを見る。

「あれにもワイヤーが張ってある。俺があれを抜けば、お前も
あの岩のように真っ二つになる」

シルバはそう言うと静かにナイフを投げた。ナイフは地面に落ちている
ナイフに当るり地面から抜ける。

—ゴト!!—

音も無くワイヤーがテオに向かい、そしてテオの体の上半身が地面に落ちる。
下半身を空中に残して。

シルバはその場で突っ立っていたが、しばらくするとテオの元に向かった。

そして、テオから素材を貰うために剥ぎ取りをしていると不思議な形をした
赤い物体を見つけた。

「これは・・・見たことも無い形をしているな。
テオの体内で生成される特別な素材か?」

なんなのか分からなかったが、不思議な力を感じたのでそれをポーチに入れた。


—ギルド—

シルバが帰ってくると、皆その手に持っているものを見て驚愕し口が開く。
カウンターの女性も向かってくるシルバをただただ見つめていた。

「・・・・」

シルバは相変わらずの無言でカウンターに「炎王龍の剛角」を置いた。

「あ・・あんた。テオ・テスカトルを討伐したのかい?」

その言葉にシルバは黙ってうなずく。女性もギルドの皆も沈黙する。
シルバはしばらくすると、だまったままギルドを出て行った。

いつもと同じような態度。だがシルバが喜びに満ちていたことは
女性にはわかっていた。