二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: *+改×24+* ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.712 )
日時: 2010/04/22 21:34
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: マモルカチガアルノカッテ、キイテンノ。


*+第二百六話+*


(あれは、輪廻??)

唖李栖は榊監督と話しながら、向こうに居る人を見る。
(でも、おかしい。雰囲気がいつもと、違う…??)
頭で考えながら、榊監督と普通に話してられる唖李栖。

「後、暁野宮。お前の姉の状態はどうだ??」
榊監督が聞けば、唖李栖は後ろを指差す。
「あそこに居るので、大丈夫だと思いますよ」
ニコッと唖李栖は笑って監督に言う。

「そうか。では、暁野宮行ってよし」
いつものポーズと台詞を言えば、唖李栖はペコッとお辞儀をした。
そして、向かう先は輪廻の居場所。

「ねェ、試合しようよ。唖李栖の部長サン??」
ニヤリと笑う輪廻にいつもの姿は




















ナイ—————————————————————。






***


「っ!!」
此処は、人が滅多に来ない、裏側のコート。
「テメェ、監督に言われてじゃねーな??」
跡部の言葉に、輪廻はニヤッと笑う。

「今更、気付いても遅いよ?? アンタがあの子の部長で良いのか、教えてよ」
その表情、言動に跡部は不思議に思った。
「(コイツ、本当にアイツの姉か??)……、覚悟するんだな」
跡部の言葉に、輪廻はクスッと笑う。



























「覚悟するのは、アンタの方だよ??」





***

「銀花ッ!! 輪廻知らない??」

唖李栖は色んな所を走り回っていた。
「輪廻がどうかしたの??」
銀花はタオルを持ちながら、唖李栖に聞く。


「さっき見ただけで居ないんだ。何処にも。さっき、駆けつければ良かった」


唖李栖の瞳に映るのは、後悔の念だけ。
「何で、駆けつけられなかったの??」
銀花が聞けば、唖李栖は下を向く。

「ちょっと、ね??」
苦笑い気味で唖李栖は言う。
「そう。………あ、そういえば、さっき桃城くんが見たって言ってたよ」
銀花が答えると、唖李栖は「何処行ったか分かる??」と聞いて。

「それは、分からないけど。跡部さんと居たって言ってたかな」
銀花の言葉で、唖李栖の顔は青ざめていく。
「それ、ヤバイ…」
小さく呟くと、唖李栖は何処かに走っていった。

***[唖李栖視点]


輪廻、何処に居るの??





そういえば、何で跡部さんと一緒なんだろう。





嗚呼、成るほど。何で、僕は気付けなかった。





さっき、無理やりでも“彼”を防げば良かったんだ。





そうすれば、こんなコトにならなかったのに。





***


「おい、暁野宮。お前の実力はこんなもんか??」

コートに倒れている輪廻。
それを、見下ろす跡部。

「ハァ、ハァ、」
輪廻は息切れ状態。
目は右腕で隠しているから、見えない。

「何が見えてないか分からねぇと、唖李栖を傷つけることになるぞ」
唖李栖の名前を言った瞬間、ビクッと輪廻の息切れが止まる。
「貴方には、分かるわけ、ない」
そう言った声は涙声のような声で。

「アーン?? お前、何言ってるんだ」
跡部が不思議そうに言えば、輪廻の口元は緩む。
「私は強くなくちゃ、いけないから。だから、何も見えなくたって、構わない」
一言、一言を輪廻は力強く言う。

「あの子が…、唖李栖が、笑っていてくれれば、何も、いらない」
輪廻の目尻からは一粒の涙が零れていく。
「そうかよ。じゃぁな」
跡部はジャージの上着を取ると、コートから去る。

***

弟だけでは、なかった。





異常な程の“執着心”。





それは、姉の方にもあったわけだ。





「ったく、どうでも良い所で、同じ気持ちになりやがって」




そうだ。テニスとは、全く持って関係ない気持ち。





あいつ等は、お互いを思いすぎている。





それが、異常な“執着心”となっているだけ。





「想うのはええけど、異常なまでの“執着心”は相手を傷つけるコトになるで」




忍足の言うとおりだ。





なんで、あいつ等双子は、そんな単純なコトに気付けねぇんだ…。





































































互いの思いが一致した。





























































それは、吉か、凶か————————————————……??