二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【D灰】Betrayal of...?≪裏・愛≫ ( No.2 )
日時: 2010/02/11 17:35
名前: 芽子 ◆rbFb2e5rbM (ID: yCPJRH6h)

第≪01≫幕 『終焉な前奏』





「んじゃ…いつものでお願いします、ジェリーさん!」


“黒の教団”本部、活気に溢れる食堂でのこと。
白髪の小柄な少年─アレン・ウォーカー─が、にこやかに目の前に聳え立つ、料理長ジェリーに、
そう注文した。


「はぁい、どうぞ♪」


それから間もなく数秒後、相撲取りでも苦戦しそうな色とりどりな料理を、ドンとカウンターに持ち運んでくる。
アレンはそれを軽々と持ち上げ、テーブルに運ぶ。

そしてアレンはそれを疾風の如く、ペロッと平らげる。



「ご馳走様!」

この身体の何処にこんなものが入るのかは分からない。
─アレン・ウォーカー。
白髪に童顔という、見事に矛盾するパーツを持ち合わせているこの少年。
見た目に合わず、酷く辛い経験をしてきた。そして今も…

──エクソシスト。
黒の教団に所属する、AKUMA≪千年伯爵によって造られる生きた悪性兵器≫
退治を専門とする、黒の聖職者。
生まれつき奇怪な腕、左眼を持ち、父に呪われる。

それだけ聞くと十代とは思えない程の、過去だった。




「──アレンくん!」



そこへ、艶やかな黒髪を肩まで伸ばした、妖艶な少女が駆けてくる。
少し息があがっていて、アレンを探していたようだった。

─リナリー・リー。
アレンと同じく、黒の教団に所属するエクソシストだった。


「…リナリー? どうしたんですか?」


アレンがきょとんとした様子で訊ねると、リナリーはハァ、と肩を落とした。
それから、仁王立ちのように腰に手をあてる。



「今日の午前十時! 集合かかってたでしょ?! 新入りの子が来るって」



「…あぁ! そういえば…」


アレンがハッ、と思い出したかのような顔をすると、リナリーはグッと
アレンの腕を掴む。



「行くよっ!」



始まりがあれば、終わりもある。


そうして、終焉への前奏を奏でる────。






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