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　　　*one life*

「何?またアイツ来たの?」

「こんなに嫌われてんのによく来れるよね〜。」

「自覚してねぇんじゃねぇ?アイツ馬鹿だしっ!」

「言えてるぅ〜!!」


クラスの張り詰めた空気の中から心ない言葉が聞こえてくる。
その言葉は今教室に入ってきた子の少女に向けられたものだった。

——3年D組。

銀魂高校の三年生の中でもっとも荒れているとされるクラスで、先生たちも手を焼いている。

夜遊び、喧嘩、万引き、エスケープなんて日常茶飯事。
そんな数ある汚名の中で、もっとも先生たち、否、生徒たちも心配しているのが———



クラス39人対1人の異常なまでにひどいいじめ。


その標的となっている彼女の名は、花咲ラル。

イタリアと日本のウォーターなので目立つ上に、彼女は少し自由すぎる面がある。

授業は放棄する。遅刻は当然。出席日数はまるで足りない。そこは普通の不良連中となんら変わらない。

むしろ、指定の制服を着ようともしない彼女はＤ組の中で一番目立つだろう。

彼女は性格上、自分に正直にしか生きられないのだ。