二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 幻想郷放浪記 ( No.14 )
- 日時: 2010/11/07 11:53
- 名前: 昨日の今日 ◆7LxmAcs00. (ID: t51BWMGM)
「どうも! 私の名前は萃香だよ! よろしくね!」
「ああ、よろしく。…霊夢、これ酔ってるよな?」
「大丈夫です。いつもこんなんです」
「…そうか」
なんて奴だ。
少女は萃香という名前で種族は鬼。だから角が生えていたのか。
触ってみたいな。
「えーでは私はこれで」
「え? 霊夢は飲まないの?」
萃香が訊く。もちろん俺も疑問に思った。
「…私は宴会の手伝いがあるのよ。呑み相手ならおじさんにでもしてもらって頂戴」
なんという無茶ぶり。いきなりすぎる。
「ちょ、俺も用事g」
「よーし。じゃあいこうよおじさん」
萃香が俺の言葉を遮って腕を掴んで引っ張る。小柄な体型とは反対にすごい力で引っ張られる。
…俺生きて帰れるかなぁ。
「むむ。人間にしてはなかなか呑むねぇ」
「あ? そうなのか?」
「そうだよ。普通の人間だったらここで潰れてるもん」
「そうか…」
「よーし。私も負けられないぞー!」
そう言って杯を手に取って一気に酒を呑む。
変な対抗心を持たれてしまった。
「あー美味い! やっぱりお酒はこれぐらい強くないとね!」
「そんなもんか? …俺には少々キツすぎるんだが」
キツイと言いながらも瓶を二つ開けてる俺ってなんなんだろう。
「え〜? そうかな〜? もっと強くてもいいぞー」
「誰もお前の希望なんて訊いてないから。ところでさっきから気になるんだが」
「え〜? なに〜?」
こいつもう舌が回らなくなってきてないか?
「…角がさっきからゴツゴツ当たっているんだが」
萃香が首をカクッカクッってするたびに俺の肩にグサッと刺さる。かなり痛い。
「おおっ、そりゃ悪かったねぇ」(ゴッゴッ)
「いてぇよ。本当に分かってんのか、おい」
「えー…? 聞いてるよ…うん…」
ちょ、まて。こいつ眠り始めてないか?
「おーい。眠るなよー」
「ねむってなんか…ない…よ……」
そして俺の肩にもたれかかる。角ごと。
「眠ってんじゃねーか。しかもいてぇよ。かなり刺さったよこれ。…聞いてないか」
ちょっとどうすんの? あとお前酒が服にかかったけどいいのか?
てか疲れてたなら家に帰って寝てればよかったのに。
…宴会が楽しみだったってことか。
「……」
俺は空を仰いでいた。別に満月とか見えるわけじゃない。満月昨日だし。
「…はぁ。いいかげん出てこいよ。八雲紫」
そして俺の隣から切れ目——スキマというらしい——が出てきてそこからあの少女の顔が出てきた。
「あらあら、バレてた?」
「ああ、そりゃもう見つけてくださいと言わんばかりに気配出してたし」
「そう。…じゃ、早速本題に入りたいけど」
「待て。ちょっと訊かせてもらう。まず俺の本名を知ってどうする? 得することなんかないだろ?」
「…まぁ興味よ興味。むしろ本名を聞きたいのは貴方を呼び出す口実だし」
何だそりゃ。
「じゃあ何なんだよ?」
「貴方に頼みたいことがあります」
「…ほう」
「実は最近ここ全体に異変が起きているの」
「異変…?」
「そう。妖怪たちが暴れることを異変と言うの。…まぁその異変が起きているから手伝ってほしいのよ」
「何で俺なんだ? 別の奴ら…それこそ霊夢にでもやってもらえよ」
「彼女らは活躍しすぎた。だから異変を招いたの」
「…?」
言っている意味がさっぱり分からない。
「勝者にはかならず敗者というものがある。その敗者が憎んだから異変が起こった。…そういえばいいかしらね」
「言っている意味が分からないが…とりあえず霊夢たちには相談出来ない、と」
「そういうこと。だから、他所から来た貴方にやってほしいのよ」
「"よそ者だから仮に死んでもリスクを受ける必要はない"…こんな辺りかね」
「ええ。他所からきた貴方だから使おうと思ってね」
「生憎だが俺は暇じゃないんでな。断らせてもらう」
「あら、怖いのかしら?」
「俺はこの世界がどうなろうと知ったこっちゃない。確かに俺はこの世界が好きだ。だがな、だからと言って救う必要があるのか? 俺は好きなところで死ねるなら喜んで死なせてもらう。例え酷い死に方でもな」
「…そう、残念ね。」
少女——紫は髪を掻き上げ溜息をつく。そして、
「……なら力づくでもやらせてもらうわ」
そんな声が聞こえた。
そして次の瞬間、俺は真っ暗な世界に居た。
第十一話です。萃香ごめんよ…。いつか出番増やすから。
次回から拠点が別の場所になります。どことは言いませんが。
第一話から第十一話までが一章って感じですね。
下のほうに一章の登場キャラでも載せておきます。
ではでは。
第一章—出演キャラ—
・博麗霊夢・・・東方projectの自機、東方永夜抄4面ボス
・霧雨魔理沙・・・東方projectの自機、東方永夜抄4面ボス
・八雲紫・・・東方妖々夢Phボス 東方永夜抄、東方緋想天、東方非想天則自機
・伊吹萃香・・・東方萃夢想ボス 東方萃夢想、東方緋想天、東方非想天則自機
・ルナチャイルド・・・東方三月精主人公
・サニーミルク・・・東方三月精主人公
・スターサファイア・・・東方三月精主人公
—以上—
え? 弾幕ごっこ?
…いつかします。きっと。
あとやっぱり自分の小説って見返すと恥ずかしいですね。