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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 雨音 amaoto{REBORN!}ロミツンup!! ( No.291 )
- 日時: 2010/08/04 09:38
- 名前: 雨宮メグ ◆hjAE94JkIU (ID: nS8l1UZI)
23@言うこと 恭は…
「何でも、聞くんでしょ?」
不敵なその笑みは、ぞっとするくらい黒く見えたけれど、その裏では…
楽しんでいるようにも見えた。
「い、言うことって…?」
恭の表情は変わっていなかった。
私の心臓は、とてつもなく速く動いていた。恭に音が聞こえそうなほど。
「…嫌がらないでね」
そう耳元でつぶやいた恭は、手を私の顎に当て、自分に近付けて………
恭は、私の唇に
自分の唇を重ねていた。
軽く、
軽く触れるだけの
甘いkissだった———
一瞬のキスは、一瞬で終わった。
「最初、この部屋に来た時。
獄寺隼人のことで泣いてたでしょ」
…そうだった。
でも、気分が晴れたのかな…
今は、なんとも…
「僕はそんな亜希を見たくない。
——これが命令かな」
え…?
「泣くなら、僕のことで泣いてよ」
「………」
Tシャツを持ってきてくれた獄寺。
フォローしてくれる山本。
優しく接してくれるツナ。
…素直になれてない、私。
「だから「今はまだ、」…」
私は恭の言葉をさえぎって結論を口に出した。
「今はまだ、わかんない。
恭が好き。でも、まだわかんないんだ。
自分の中で、整理できてない。
だから、待ってて。
…私が素直になれる日まで」
無言でも、恭が言いたいことはわかる。
「絶対に、約束は破らない」
私はそう言葉を残して、時計を見上げた。
ちょうど10分…——
私は立ち上がり、ドアのところまで来た。
去る直前に、恭をふと、振り返って見た。
その時の私の表情は、
最高の笑顔になれていただろうか。
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