二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【REBORN!】幻覚花弁。—*angraecum*— ( No.18 )
日時: 2010/03/20 09:19
名前: むく。 ◆Y1ybAG.6mU (ID: mwHMOji8)

◎ #05  ハーリー&ハーリー


第二格納庫に着くまでそう時間は掛からなかった。

扉を開くと中は既に大騒動になっていて、スパナのモスカは機械音を立てながら辺りを飛び回っている。

「スパナにはこの爆弾と大砲の処理を頼む」

私はそう告げ、スパナが頷いたのを確認すると大きなモスカの前まで進んで行った。

その機械は人の気配に気づく事なくアジト内の崩壊を続けている。

今頃地上ではとてつもない地震が発生しているだろう。

私はリングに炎を灯し、その手を大きく振り翳した。

すると手からは大きな波動が流れ出す。無論、その波動は私たち術士にしか見えない。

「ギュイィイイン!!」

モスカは奇声を発してバランスを崩したが、これくらいの攻撃で壊れる程ちゃちな物ではない事は目に見えている。

「一体なんだよ!?この騒ぎは!」

先程の攻撃でアジトが激しく揺れたため、近くをうろついていた野猿が驚いた様子で足を踏み入れた。

「って…!モスカとさっきの…」

「ああ、あんたか。ウチのモスカが暴走したんだ」

スパナは爆弾を拾いながら呑気に言う。

「暴走するの今日で何度目だよ…なんでお前はモスカを止めねーんだ!」

「郁に爆弾と大砲の処理を頼まれた」

「ったく!じゃあオイラが…」

野猿は腰に付けていた匣を開匣し、嵐の炎を纏わせた鎌を出す。

「ショア!」

威勢のいい声と共に黒鎌ダークサイズと呼ばれる巨大な鎌が振り下ろされる。

「ダークサイズラッシュ!!」

その鎌はモスカに的中し、右腕の手首が破損した。

「ああ…モスカの手が…あ、落ちた」

スパナは振り返って力無く言う。大事そうに手に持っていた爆弾が数個落ちた。

「野猿、モスカの動力源を破壊して。私と、二人で」

私は淡々と言って野猿の方へ半歩寄る。

「あなたは右から、私は左から。同時に攻撃するの」

「へーい。じゃあせーので行くぜっ」

野猿はすう、と息を吸い、口を大きく開けた。

「せぇーのっ!!」

霧と嵐の炎が混ざり、モスカはバチバチと線香花火のように火花を散らす。

プシュゥウウ…

風船の空気が抜けたような音が部屋に木霊し、巨大な機械は跪いてうつ伏せに倒れ込んだ。

「うっしゃ!」

子供のように跳ねまわる野猿。

そんな私たちの様子をスパナは眺め、

「ウチのモスカが壊れた…」

彼にしては小さく呟いた。

「大丈夫…。この部屋とモスカは私の力で再生できるから」

私は無表情のまま、スパナに言う。

何か言いたそうな顔をしていたが、私が伝えたい事は伝えたので耳を向けなかった。向けない方がいいような気がしたからだ。

私は壊れて動かなくなったモスカに手を当て、特殊な炎を注入する。

そしてこの部屋も同様にして崩れた壁や木箱を再生した。


とりあえずこの事件は一段落ついたな…。



少し…疲れたけど。