二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 無双夢小説(三國無双、戦国無双取り扱い!) ( No.2 )
- 日時: 2010/05/13 20:44
- 名前: 天下無双 ◆D5K0PnGiio (ID: F35/ckfZ)
短編小説「約束」 真田幸村
「秋桜殿ー!!」
「真田殿……。どうかなさりました?」
「お手合わせ願いたい! 生憎、どなたも都合があるようで……」
「そういうことでしたら今すぐに準備します。少し待って下さい」
「はい!」
秋桜殿はかなり強いお方。異界から来たという異説もあるが、その実力はだれもが認めるものです。
「お待たせしました」
鎧に身を包んだ秋桜が帰ってくる。
「いえいえ、全然……っ!?」
「どうかなさいました?」
「いえっ、気にしないで下さい……」
秋桜殿は動きやすさ重視の鎧を好んでいて、かなり露出度が高い。薄い素材で作られた鎧で、体の線がよく見える。正直言うと、目のやり場に困るのだ……。
「……そうですか」
訝しまれながらも、どうにかその場を逃れた。
「で、では! 私から参ります!」
秋桜殿の疑うような視線が痛くて、無理矢理開戦を告げた。
そして、十文字槍を振りおろす。
「やっ!」
しかし、その槍を簡単に弾き返す。秋桜は女だが、男武将並みの力の持ち主でもあった。
「くっ!」
「では、次はこちらから参ります」
秋桜殿は、対戦相手が槍を持っているなら槍を持ち、剣を持っているなら剣を持つ。相手武将と同じ武器で戦うのです。
「はっ!」
真田幸村と同じ十文字槍を振りおろす。
「むっ!」
真田幸村はそれを受ける。二人はしばらくつば競り合い状態になって、なかなか決着がつかない。
「っ……」
最終的に引いたのは秋桜の方だった。
「はぁ、はぁ……。どのくらいの間あの状態だったのでしょう? もう疲れましたね……」
「本当、何方も止めて下さらないから……」
つば競り合いだけでここまで疲れることはないと思います。
「申し訳ございません、無理させてしまいませんでしたか?」
「いえ、私は大丈夫です」
「強いお方だ」
二人はしばらく他愛もない会話を続けていた。
「……何があっても頑張って下さい。私は、貴方を応援し続けます」
真田幸村の手を取って、懇願するように言う。
「……どうかなさりました?」
「いえ。戦乱の世が終われば……」
「終われば?」
歯切れのいい秋桜殿が言葉に詰まるのは珍しいことだった。
「……やはり、戦乱の世が終わった後に言います」
「あっ! なんですか、それ! 気になるじゃないですか!!」
「それならば戦乱の世を終わらせて下さい」
握っていた手を、さらに強く握りしめる。
「秋桜殿の為にも、この真田幸村、戦乱の世を終わらせて見せます!」
真田幸村も、美麗の白くて細い手を強く握る。
「勿論、私も一緒に」
「勿論です! さぁ、参りましょう!」
「はい」
そして、二人は走り出した。握った手を離すこと無く……。
〜後書き〜
いきなり真田幸村。贔屓キャラに入ってないのに、いきなり……。最近、真田幸村殿にハマったんです。
イメージは奥手な二人……。私的に、二人は将来の約束を交わしてるんですよ。大変わかりにくいですが……。『戦乱の世を……』あたりから将来の約束ですよ。