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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: あまつき【天竜桜*〜ココロノ君へ〜*】 ( No.10 )
- 日時: 2010/05/16 17:32
- 名前: ターフ ◆lrnC2c/ESk (ID: 3c0JYUg8)
- 参照: http://名前変えたよ★(元はトコ)
「もうそろそろ…春も終わりですね」
彼が過ぎ去った後、桜が散るのを見てそう呟いた。
桜吹雪はまるで彼女に笑顔を見せるように過ぎ去って行く。
そこへ、ガサゴソと草むらに何か通った音が聞こえた。
彼女はため息し、その音に向かって言う。
「また来たのですか…——小妖怪の者達」
そう言うと、小さな妖怪達が次々へと出てきた。
「キキィッ……ヒメサマ」
「姫様…ワレラにお助けを…」
「………」
その声を聞かない振りをする。
彼らは菖蒲を天座の後継だと思っている。
だから彼らに「姫様」と言われていた。
菖蒲は少し瞼を瞑り言う。
「私には…そんな力は無い。帰られよ、そして二度と私に来るな」
小さき妖怪達は少し黙った。
こんな事を言われるのはいつもの事だが、やはり力を貸してほしいもの…。
「ヒメサマハ、我達を見捨てる…」
「いつもそうだ…。ワレタチヲ見捨てて人を助ける…」
「帝天にも助ける…」
「…そなた達はそう言えば良い。だが物は言い過ぎると…そなた達を助けはせんからな」
強く言うと妖怪達は一目散と逃げて行った。
チリン………———。
「——!…気のせいか?」
聞いた事がある小さな鈴の音が鳴った方向に向いたが、そこには誰もいない為少しため息を付いた。
第6話 〜「姫様」と言う枠〜
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