二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Requiem-今だから伝えられる- 2話 ( No.3 )
日時: 2010/06/10 19:55
名前: 迅榎 ◆85KeWZMVkQ (ID: JgT8Ge3V)

どくりどくりと、心臓が脈を打つ。

我ながら、緊張しすぎだと思う。


今あたしは、教室の扉の前に立って、先生に名前を呼ばれるのを待っている。

どうしてって? もちろん…

「転校生」だからだ。



「…苑原、入ってきなさい」


あぁ——ついに呼ばれてしまった。

掌を握り、出来るだけ普通のスピードで教室に入る。

男子と女子が半々ぐらい、大体30人前後のクラスだ。

みんな賢そうに見える…のは、気のせいじゃないだろう。

そして自分の名前の書かれている黒板の前に立ち、口を開いた。


「苑原夕李です。これから、よろしくお願いします」


なんとか言えた…少し肩の力が抜ける。

それにしても、自分の名前が男でも女でも通用する名前でよかったと思う。


「じゃあ苑原の席は——源田の後ろだな」


教室を見回してみると、真ん中の列の一番後ろが空いていた。

あそこが、あたしの席か…

源田と呼ばれた男の子が手を上げる。

…風に、いや暴風に吹かれてきたみたいな髪形だなぁ(失礼)

とりあえず、ぎこちなく歩いて、自分の席へ移動した。


「よろしく」

「こっちこそな」


源田君と短く挨拶を交わしてから、前を向いて座る。

特に連絡事項も無かったらしく。


「では、これで朝のHRを終わる」


そう言った教師は、教室から出ていった。

と同時に、あたしは眼帯をした水色の髪の男子に、質問攻めにあっていた。


「どこから来たんだ? 彼女いるのか? つーか何部に入るんだよ?」

「え、えっ…と」


あたしが狼狽えていると、前の席の源田(?)が助け船を出してくれた。


「佐久間、せめて一つずつ質問してやれ…」

「あー悪い悪い…で、どこから来たんだ?」

「えっと、イギリスから…」

「「イギリスぅ!?」」

「おわぁ!?」


佐久間(?)と、それから源田ではないもう一人の声に驚いた。


「おいハゲ! いきなり出てくんじゃねーよ!」

「誰がハゲだ! オレは辺見だって言ってんだろ!」


そして口喧嘩を始める二人。

ていうか、そこまで驚かなくても…


「悪いな、こんな奴らで…あ、俺は源田。源田幸次郎だ」

「うん…で、そこの二人は、」

「あ、オレは佐久間次郎。で、こっちのハゲが…」

「だからオレはハゲじゃねぇっつーの!…辺見渡だ、よろしくな」

「よろしく。あt…いやオレは、」


危ない、あたしって言う所だったよ…

気をつけないと、いつボロが出るか分かったもんじゃない。


「夕李、だろ?」

「、うん」


源田、覚えててくれたんだ。

ちょっと嬉しくなる。


「んでさ、質問の続きな…部活入んの?」

「あ、サッカー部入ろっかなーって…」

「「「マジで?」」」

「…ぷっ」


…三人が綺麗にハモった。

おもわず笑ってしまう。


「だー笑うな! つーかハモんなハゲ!」

「だ・か・ら〜! ハゲって言うんじゃねー!」


そして、また喧嘩。

飽きないな、この二人…


「…すまないな」

「いや、何で源田が謝るんだよ?」


あんたはその二人の保護者か。


「あ〜実はさ、オレら…」

「サッカー部なんだ」


いつの間にか口喧嘩を止めていた佐久間と辺見が言う。

へ〜……って


「マジで?」

「「「マジで。」」」


あ、またハモった。



   (面白いな、お前ら)





 *

 いったん切ります〜

 そしてやっと二話更新orz

 あ、咲山と寺門出すの忘れた…←






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