二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D,グレイマンⅡ 数百年後の終焉再来オリキャラ募集 ( No.120 )
- 日時: 2010/07/07 23:19
- 名前: 亜倉歌樹 (ID: EE/vzbC4)
不可思議
エルバは教室に戻ったあと、しばらく不機嫌だった。
エピトの態度があまりにも許せなかった。
確かにエピトはアクマだが、人間に何か恨みでもあるのか。
そんなことを授業中ずっと考えていたため、授業に集中していなかった。
トールにチョークの雨をふらされたのだった。
「どうしたのエルバ君。ずっといらついてるみたいだけど」
給食の時間だった。学校の全員が食堂で学食を食べ始めていた。
話しかけてきたのはシャオンだ。
「いや、なんでもないよシャオン」
「ううん、分かるわよ。エピトのことでしょ?」
「う…」
少し困ったようにクスクス笑いながら、エルバの隣のいすに座る。
「…話は変わるけど…エルバ君」
「ん?」
「す、すっごく食べるね」
エルバの前には山積みにされた料理という料理が生徒たちの目を引いている。
「これくらいはまだ軽い軽食みたいなものだよ? バノに聞いたんだけど、寄生型エクソシストはイノセン
スが体に宿ってる分、エネルギー消費が凄いんでしょ?でも、ここに来る前はお金が消えて消えて…」
「エピトだって寄生型エクソシストだけど、こんなに食べないよ?」
「そ、それをいったら僕がただの大食いじゃないか…」
隣にひょいとバノが顔を出した。
「エルバ、お前すんげー食べるな。他にも数人寄生型いるけど、お前が一番だぜ?」
「バ、バノ〜…。それを言わないでよ…」
エルバはふと、バノの横に女子二人がいることに気づいた。
一人は短い茶髪で目は黒っぽく、頭に海賊のようにバンダナをかぶっている。
もう一人は癖っ毛で短い金髪の髪にカチューシャをつけ、そして茶色の目だった。
「あれ? アナにマテル。どうしたの?」
エルバは二人を知っている。それはもちろん、同じクラスだからだ。
アナ・リズマン。そしてマテル・オズワルドだ。
「いつも二人と食ってるさ」
「そういや、あたいらは話したことないんやったな。じゃ、改めて自己紹介しとこか?」
「いやいやいーでしょ。紛らわしーし」
マテルは普通だが、バノとアナはやはり口調がどこか外れている。
「…えっと、アナはロシア出身だよね?」
エルバが聞いた。
「ん? せやけど?」
「なんで、大阪弁?」
「ん〜…大阪で過ごしてたからやろ。慣れてしもうた」
そんな笑い方はまるで少年そのもの。
「隣座るさー」
「ええ、どうぞ」
バノはシャオンの隣に座った。
バノの前の椅子に、アナ達が座った。
「エルバ、エピトにおこっとるんやろ?」
ふいに、アナが話しかけてきた。
「ん…」
「ほーれ、あっちにおるで?」
ニヤニヤしながら横に指で示した。
ちょっとだけむっとしていたエルバだが、そちらを向かないとアナは笑い顔を止めない。
仕方なく指した方を向く。
エピトは寝ていた。…様に見える。
泣いていたように見えたのは、エルバだけだっただろう。
「…あれ? そういえば、エピトは何か食べるの?」
「んー? 食べるよー。殺人衝動を食欲として抑えんの。うちらが食べられちゃやだからね〜」
答えたのはマテルだ。彼女が笑って体が振動することで、彼女のきているポンチョが揺れる。
「ハーフダークはほかにもあと4人いるんだけど、なんでかエピトだけは人間嫌いなんさ」
「理由とかはいってないの?」
「オレも聞こうとしたんだけど、転換されたんさぁ。泣けるぜ!」
絶対わざとだ、と全員が思った。
(なんでだろう…)
エルバはやはり気になった。