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第１１話　　　　　離せ！


〜由羅衣SIDE〜
今、影山に口をふさがれている。
いくらあがいても離してくれないその手を、自らの手でなぎ払い、やっと脱出。
「はぁ・・・はぁ・・・っ！影山っ！なんのつもりだ！そして何故お前が此処に居る！？」
荒れている息を落ち着かせながら影山に激しく質問した。
「なんのつもりか？と？わからないかね？君をもう一度私の自信作につくりあげる為だ。そしてどうして此処に居るか。その応答は、」
影山が俺を指差し、こういった。
「お前を手に入れて、赤雷希沙羅を、フフフ・・・」
「希沙羅を・・・！？」
「おっと。このことは誰にも話すなよ。話したらお前の身に何かが起こるだろう」
「っ！」
とっさに右目を抑えた。
“身に何かある”とは、右目のことだ。
これ以上傷を悪化させられない。
「特に、赤雷には話すなよ。では、またお前の前に現れよう。ハハハハハハ！」
「希沙羅に手をだすなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」
その場に膝をつき、両手で右目を押さえながら、叫んだ。




—続く—