二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 《銀魂》凛として咲く花の如く ( No.329 )
日時: 2010/10/03 22:20
名前: 月兎 (ID: 3ePGpESz)

第二十四訓「後姿で決めつけて人間違いとか人間の片隅にもおけない、とか言って誰でも一回はある」


『流石ですねぇ、俺…なんか声のトーン変えました?』
笑顔で揺義は質問を返していく。

そのときすでにもうナイフは手には握られていなかった。

「なにアルか、コイツ。作り笑いも程ほどにするネ」
心底嫌悪そうな顔をする神楽、その言葉にも揺義は顔を変えずに笑いながら言う。


先程よりも声のトーンを下げて。

『作り笑いなんて、してないけどなぁ』
揺義は作られたもののように、人によって声の色もトーンも表情も、接し方も、何もかもが変わる。

決められたように。

年下以外には敬語を、と…


「揺義、よせ。ワシの言葉には絶対じゃな?」
雪羽氷は言った。
『残念ですが雪羽氷様の言う言葉とあれ命令には向かう事はできません』


「命令?」

『命令されてるんですよ、雪羽氷様を取り返し、そして尚貴方達に粛清を…と』
雪羽氷はその言葉に硬直をした。
神楽はいまだ彼から目を離そうとはせず、眉間にしわを寄せている。
銀時は揺義を見て、新八は雪羽氷の肩に手を置いて心配そうな、縋るような目で銀時を見る。

「物騒な奴。ご主人様の言葉は絶対、随分献身的な執事、でも…



そんな本気じゃないのに殺すとかほざくのやめな」

神凛は床に落ちていたナイフを揺義に投げ返す。

『?何故ですか?俺が本気じゃないとでも?』
揺義は受け取ったナイフを懐にしまうと、神凛の予想外の言葉に少しだけ笑顔を固まらせてから言う。

「うん、そーだね。テメーは私達を殺す気もないし、ち○この命令に聞く気もない。」

沈黙。




「それに、焼いたのも雪羽氷の屋敷じゃないんだろ」

少し間を開けてはなった言葉は、雪羽氷の目を見開かせその場の全員から注目を浴びさせた。

揺義は今まで以上に優しい声色と微笑みですぐにかえした。
『そーですよ。貴方達はすぐにでも食ってかかってくると思ってたんですけど思い違いですかねぇ…』

それから
『俺が殺しをすると思いました?』

なんて笑って今までのシリアス雰囲気と戦闘シーンを放棄した。


それには全員唖然、神凛も本当に素直に頷くと思ってなかったのか少し溜息をついていた。
「私にナイフは投げてきたくせに」

雪羽氷は揺義を見ていた。

少し微笑んだかのようにも見えた、見間違いかは分からない。


「…じゃあ、どういう料簡だ?裏切りひつじさんは」
銀時は言う。

「しつじです、銀さん」
シリアスツッコミをいれる、=簡単に放つことのできる短いツッコミのことである。

『万事屋さんに依頼があってですね…』
揺義はずっと不信で嫌悪的な顔をしていた神楽に笑いかけるようにニコニコした。

それには
「笑ってんじゃねぇアル!」
とヤクザ的な文面を返し、揺義を照らし合わせていた。

自分の実兄と。


「(重なるネ、アイツと…)」