二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 唄い鳥 〜桜蘭高校ホスト部〜 ( No.5 )
日時: 2010/06/14 21:38
名前: さくら (ID: 50PasCpc)

「光、馨。何してるの?」



情けなくて上げられなかった顔。
そしたら凛とした落ち着きのある声が聞こえた。

ちょっと高めの声。

女の子…?



「別にー?」

「転入生に挨拶してただけだよ」

「「あ、一応自己紹介するね。僕が常陸院光で、こっちが馨」」

「ハモってちゃわかんないじゃん…」


女の子がふたりを咎めたけど、ふたりは全く気にしていないようで、


「「こいつが顔上げないんじゃ同じでしょ」」














昼休み、逃げるように屋上へ向かう。
広い校舎は迷いそうだったけど、なんとか辿り着いた。



「………はぁ」


先行きが思いやられる、とサクラは思った。



———常陸院…お母さんがデザイナーの…


そういえば、昔会ったことがある。

よくパーティーなどに行った時に、歌を歌わされた。

常陸院家に招待された際にも歌ったことがあった。



———あの頃から、すごくわがままだった。


サクラの歌った曲を、「「つまんなーい」」と罵ったのだから。

そう思うと、サクラはなんだか笑えてきた。

ふたりはきっと覚えていないだろう。
すごく小さな頃だったし、何よりあの時出会ったのは女の子の篁で、今の自分は男の高村なのだから。