二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 帝国的日常。 ( No.60 )
日時: 2010/07/10 22:49
名前: 鮫 (ID: 14pOvIO6)

本日最後の小説更新!頑張ろっ!!
                   
佐久間は深い静寂の中、意識の底をさ迷っていた。
「佐久間!」
聞き慣れた声に、はっと振り返る佐久間。
そこには、あの真帝国学園を創り上げた本人、影山が立っていた。
「どうした佐久間。まだ自分の置かれている状況が分からんのか。…仕様がない奴だな、教えてあげよう。今お前は…」
やめろ…
「このチームに…」
やめろ…やめろやめろ…
「必要とされている存在ではない!」
「やめろぉぉお!!」
佐久間は、叫び声と共に布団から起き上がっていた。
「だっ、大丈夫か佐久間!!」
源田が、肩で息をしている佐久間の背中を優しくさする。
「……俺は…」
「倒れてたんだよ、廊下に。」
呆然とする佐久間に、そう諭す辺見。
「廊下に…?」
「まさか、記憶がないんですか?」
成神が3人の会話に割り込んできた。
その様子を見て赤面する源田。
「なっ、成神…っ!お前は寝てろって言っただろ!!」
「何でそんなに慌ててるんですか先輩。」
「そりゃあ…その、お前が俺の事すっ、好きとか言うからだろ…!」
必死に声を絞り出す源田に対し、きょとんとした表情で首を傾げる成神。
「あの…俺そんな事言った覚え無いんですけど。」
この言葉には、全く状況が分かっていない佐久間以外の全員が驚愕の表情を見せた。
「え…本当に?」
「はい。」
「寝ぼけてたのか…?」
「さぁ…もし起きてても、そんな事はまず言いませんから。」
ぽかんと口を開けたまま布団の上に座っていた源田の顔が、みるみるうちに落胆の表情に変わっていくのを辺見は見逃さなかった。
「は、はは…だよな、普通そうだよな、いやぁ本当、本気じゃなくて良かった…」
「じゃあどうしてそんなに悲しそうな顔をしてるんですか。」
ぐっ…と、源田が声にならない声を上げる。
「あーあ源田君、遂に恋しちゃったんだね…成神に。」
辺見がわざとらしく茶化すと、源田の顔は更に赤くなった。
「うっ、うるさいうるさいうるさーい!!いいだろ別にっ、お前たちには関係ない事だっ!」
「あ、認めた。」
認めてなんかなーいっ!!と妙に女々しくなった源田の声が飛び交う中、佐久間はいままでの事を必死に思い出そうとしていた。
(鬼道さんを捜しに行って、見つけたところまでは覚えてる。その後はー…)
続きが出てこない。つまり、佐久間の記憶が残っていないのだ。
「倒れてたんだよ、廊下に。」
辺見の声が脳内にこだまする。
倒れていた…?
いや待てよ、何か大事な事を忘れているような気がする。
佐久間は、もう一度記憶を辿ってみることにした。
………あ。
何かが、佐久間の中で繋がった。