二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 紅花様リク ( No.446 )
- 日時: 2010/09/28 16:06
- 名前: 氷橙風 ◆aeqBHN6isk (ID: yjS9W/Zh)
+*ケーキよりも大好き、(ホントはね)*+
「みんなーおやつの時間よー」
瞳子の明るい声にすぐさま寄っていく子供達。「今日のおやつなあに?」「おいしそー!」など、幼い声が次々とあがる。
「今日はケーキ。何種類かあるから、好きなのとってね。でも喧嘩しちゃダメよ」
木のテーブルに並べられたのはチョコレートケーキ、ショートケーキ、チーズケーキ、フルーツタルトなど。どれも美味しそうであり、子供達は目をきらきらと輝かせた。
「あたしこのイチゴの!」
「あ、杏とっちゃダメ、それクララも欲しいー」
「マキ、チョコレート大好きぃ!」
最初にとびついたのは女の子。まだ五歳なのに落ち着いている雰囲気の玲名をのぞき、やはり女子といえようか、スイーツにはかなり興味があるようだ。
女の子達の可愛らしい戦争が終わるとようやく男の子の番になった。ちなみに女子の戦争に入っていかなかったのは彼らは自分達よりもこういうことに限っては女子の方が圧倒的に強いとなぜか悟っていたからである。
残るケーキは六個。まだサッカーで遊んでいるヒロト、晴矢、風介、治、大夢、リュウジのものだ。
瞳子が「もう一回呼んでこようかしら」と呟いた時、ドアから勢いよく六人が入ってきた。
「あら、泥だらけ……手とかちゃんと洗ってからケーキ食べてね」
「はーい!」
きらっきらの笑顔で元気いっぱいに答えると、だだだだっと洗面所に向かう。「走らない」と瞳子の声が後ろからかかると静かに歩く六人。微笑ましいものだ。
「……あ、そだ」
すると洗面所に向かう途中、ヒロトが小さく声をだし。どうした、とその声に気付いたリュウジをのぞく四人に、ヒロトはにっ、と笑いかけた。
**
最後に手を洗い終わったリュウジがテーブルに行くと、テーブルに乗っているケーキは五つしかない。あれ、とリュウジがもう一回数え直しても五つのままである。
「リュウジのはないもんねー、俺らのもんだから!」
「どっかに消えちゃったよ」
けらけらと笑う晴矢と大夢を見て、すぐに涙目になるリュウジ。
「嘘つかないでよ! 皆が隠したんでしょ!」
「ついてない。ふん、そんなにすぐ泣くなんて子供っぽいな」
わーっと言うリュウジに風介は鼻で笑うが実際にリュウジは子供である。それに風介も晴矢との喧嘩で簡単に泣いたことがあるのにやはり子供の喧嘩とは微笑ましいものだ。
「リュウジはケーキぐらいで泣くのか? 男とはいえないぞ」
「そうだよ、髪も長いしリュウジは女の子なのかなあ、あはは」
今度は治とヒロトがにやにや。リュウジの黒い目から、涙があふれでる。そしてついに大声で泣き始めた。
「……げっ姉ちゃんが来ちゃう」
「というか玲名もなんか来てるし」
「お、怒ってない、か……?」
途端に慌て始める五人。ヒロトが床に座り込んでぐずっているリュウジの背中をなで、必死になだめつかせる。しかしリュウジは泣くのをやめ、むしろますますエスカレートしていく。あわあわと何をしたらいいかわからずその辺を動き回る晴矢に大夢。最も、彼らはリュウジに悪いとはあまり思っておらず瞳子や玲名の怒りが怖いのだが……。
「——ちょっと」
するとどこかからか低く鋭い声が聞こえ、びくっと背中が震え立つ五人。おそるおそる振り向くと、そこには鬼のような瞳子と玲名が。サーッ、と青線が走る。
「またリュウジを泣かせたわね! いい加減にしなさい!」
「お前ら、そんなことして子供っぽいと思わないのか!」
瞳子ならまだしも同年代の玲名にくどくどと怒られるのはかなり恥ずかしく彼らの可愛いプライドが許さないのだが、反抗しても無駄なことはわかっているため大人しく正座をし。
「リュウジもすぐ泣かないの。そんなんじゃいつまでたってもこのままよ」
「そうだ、少しは泣くのを我慢しろ」
リュウジも怒られ、まだぐずりながら正座をさせられる。
その後、何十分も二人の女のお説教は続いた。
「……はい」
そっぽを向きながら白い皿に乗ったケーキをリュウジに渡すヒロト。リュウジは数回瞬きをし——
「ヒロト達にあげる。ぼく、いらないから」
「え……?」
少し目の周りが赤いが、軽くにこっとするリュウジに五人は不思議そうに声をだす。
「……その、いつも……一緒にいてくれるお礼」
恥ずかしそうに目を伏せて小さくそう呟かれた言葉に、五人は驚いた表情になり。
にこ、と笑った。
+
えっとゴメンなさいよくわからない意味☆不明なお話に……
こんなんでよろしかったでしょうか? だ、ダメですよね!
まあお陽さま園の子供はみんな仲良し、ってことで。
リク、有難う御座いました。