二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- イナズマイレブン 私と世界の仲間達 ( No.109 )
- 日時: 2010/08/25 14:11
- 名前: 薔薇結晶 (ID: w/o6P.S0)
第20話 「ジュリアとカンナ」
ここはシャルソン邸から一番近い病院。
ジュリアは、入院していた。
ジュリアだけではない。
特に傷の酷かった、マークやフィディオ、ビヨンやエドガーも入院している。
ジュリア「……苦しい。」
マーク「どうしたんだ、いきなり。」
ジュリア「みんなと同じ空間にいるのが、苦しい。」
フィディオ「何回も言ってるじゃないか。俺たちは大丈夫だよ。」
ジュリア「でも、私がみんなを傷つけた事に変りはない。」
沈黙。
マーク「…カンナとは、」
ジュリア「…?」
マーク「カンナとは、誰だ。」
ジュリア「…故人よ、もうこの世には存在していない。」
マーク「それだけじゃないだろ…。」
目が見えないジュリアでも分かった。
マークは…少し苛立っている。
ジュリアはマークを怒らせるのは得策じゃないと考えて、話す事にした。
ジュリア「…剣法寺 鉋。剣法寺の家は代々剣道を続ける一族だった。カンナは剣道をひどく嫌っていたの。どうしてかは知らないけどね。カンナと私は友達だった。カンナは私と一緒にサッカーを始めたの。でも、カンナのお父さんはそれを許さなかった。そして…カンナのお父さんは、カンナを殺させた。妻に竹刀で。カンナは私と同じ薔薇使いだった。ただし…黒い薔薇のね。」
フィディオ「黒い薔薇って…。」
ジュリア「そう。カンナは私に取りついたの。「絶対に父さんと母さんを許さない。だから、アタシに力を貸して」…と。私は断った。でも、カンナはそれを無視して…。そして今まで、4回。今回を合わせて5回の暴走をしてきた。私の体を乗っ取って。…しかも、暴走する度に『代償』を私に求めるの。で、今回は視力ってワケ。まぁ1週間で切れるって言ってたけど。」
エドガー「そんな事があったんですか…。」
マーク「すまない。…そんな話をさせて。」
ジュリア「…別に。いずれは話さないといけなかった話だし。」
ジュリア「ねぇ、フィディオ。」
フィディオ「なんだ?」
ジュリア「サクラ、怒ってた?」
フィディオ「なんだ、その事か。メールで送ってきてたよ。『ジュリアに、全然怒ってないって言っといて』って。」
ジュリア「そう、良かった。恨まれてるんじゃないかと思った。」
フィディオ「どうして?」
ジュリア「ふふっ、何もないっ。」
第20話 終わり