二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン!火竜の少年〜オリキャラ(FD)の募集中〜 ( No.35 )
日時: 2010/08/18 15:37
名前: しずく ◆snOmi.Vpfo (ID: 2lvkklET)

番外編 アフロディのスカウト日和

 それは、蓮が韓国に拉致される1週間前ほどのお話です。
 季節は、知りませんが前に秋口と書いたのでそういうことにしておきます。よく晴れています。「天高く馬肥ゆる秋」とか言われるくらい、秋の空は高く、気温もお肌にちょうどいいくらい。ぽつぽつと鰯雲(いわしぐも)が浮かんでます。一番過ごしやすい時期でしょう。
 日本の某所上空を、一人のアフロディが、雲の海を下に見つめながら飛行機と並んで飛んでいました。両手を広げ飛ぶ姿は、まさに美の女神で章(変換ミス)。成層圏まで飛んでいるんです。科学的条件はつきつけないでください。これが超次元サッカーだ! はい、一般人が見たら、まず驚く光景。現に飛行機の乗客たちは、目を点にして窓ガラスに張り付いています。
 ついこの前も衛星写真に<ジ・イカロス>で飛んでいる姿が写り、未確認生物発見か!? とTVで大仰(おおぎょう)な特集が組まれたほどです。
 例によって世宇子のユニフォーム姿で、やっぱり背中には二対の白翼が、陽光を受けて光ってます。今日もまた<ジ・イカロス>の使い方を誤っています。ま、一週間後のことはさておき、今の描写。

「う〜ん……そろそろかな」

 何かを探しているらしく、アフロディはしきりに辺りを見渡しています。
 でも見えるのは上に青い空、下は海原の様な雲だけ。また左には飛行機しか見えません。ちなみに飛行機はオーストラリア発東京着のカンタス空港便です。
 しばらくして何か見つけたようです。雲海の一点でアフロディの視線が止まります。滑るように横で飛んでいた体勢から、急に上昇を始めます。やがて飛行機の左翼辺りの高さまで来ると、

「よしっ! 日本へ行こうかな」

 急に雲海の中へと下降しました。ダイビングです。
 一気に下るときの風圧はすごく、アフロディの長い金髪がいっせいに舞い上がります。アニメで言うと、アフロディが風を纏っているように見えると思う。筆者はそんな妄想をしております。
 
 やがてアフロディが完全に雲海の中へと姿を消すと張り付いていた乗客たちはいっせいに安堵のため息をもらしました。そして口々に、

「I am alive」
「是那个家伙什么人?」
「미확인비행 물체인가 !?」
「Il est vraiment beau」
「Ach ... war gefährlich」
「Futon svanì!」
「Hay tal un proverbio en la tierra.Ha terminado……」
「Eu jogarei futebol!」

 と声が次々に漏れました。上の意味は作者にもわかりません。エキサイト翻訳で適当に言葉をうってコピッただけですから。ちなみに上から英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語です。日本もグローバル化が進んでいるんです。



 さてさて地上に舞い降りた元神様アフロディは、一軒の建物の前でようやく着地。
 そこは白く高い壁に覆われた塀があり、目の前には立派な鉄扉があります。その向こうは遊具とかがある広いグラウンドになっていて、様々な歳の少年少女が混じってサッカーボールで遊んでいます。声を上げていて楽しそうです。
 アフロディはその微笑ましい光景を見つめながら、鉄扉わきにある看板に目をやります。『児童養護施設お日様園』、と金色に刻まれています。と、そこへ。

「よう、待ってたぜアフロディ」
「遠路はるばるすまない」

 声がかかりました。
 アフロディが振り向くと、南雲晴矢と涼野風介がいました。二人とも私服姿で南雲は、そで部分と後ろは白く前部分は黒と言う半そでの上着に黒い短パン。涼野は、青いシャツの上に紫のパーカーを重ね着。下? 試練の戦いを読んでください。

「やあ、二人とも待っていたくれてありがとう」

 いつもの神らしい微笑をはアフロディ見せます。
 ですが対する二人の顔つきはちと神妙です。涼野は腕組みしてますし。

「なあ……あの話って本当なのかよ?」
「うん。ボクは嘘をつく人間ではないからね」
 
 南雲が真剣なまなざしをアフロディに向けて、アフロディは相変わらず笑いながら頷きます。
 涼野と南雲、二人は見つめ合います。それからアフロディに向き直り、

「我々が韓国に行ってもかまわないのか?」
「もちろん。キミたちは、もう一度雷門と戦いたいとは思わないかい?」
 
 その言葉に涼野と南雲、目を大きく見開いてぱちくりさせます。そして少し考え込むように、視線を宙に泳がせます。先に南雲が口を開き、

「それは確かに思っている。でもな……」
「我々は、蓮と次は同じチームでサッカーしようと約束をした。また敵同士になるのか——」

 何やら寂しげな顔つきで二人はため息を漏らします。
 多分理由が気になる方がいらっしゃると思いますが、試練の戦いのネタバレになるので控えます。うん、後設定って大変だとつくづく感じていますよ。
 するとアフロディはう〜んと唸ります。

「蓮くんなら、日本代表に呼ばれる可能性は高いね」

 もうこの時点で蓮くん呼びは始まっていました。
 いつからこうなったのかは、やはりゴットノウズ。この呼び方はセーフだ!

 しかしアフロディは何やらひらめいたらしく、ポンと手を合わせます。そしてなにやらニヤニヤして、

「……実はもう蓮くんスカウトしたんだ♪」

 大ウソをつきました。本人は今頃雷門中学校で地理と取っ組み合いを行っています。
 すると落ち込んでいた二人の顔がたちまち明るくなり、やけに気合が入った表情になります。

「早く言えよ! それなら安心して韓国に行けるぜ」
「ふふふ……私たち3人が揃えば、怖いものなどない」
「じゃあ決まりだね」

 三人は手を合わせました。
 そして天に拳を突き上げ誓うのです……世界一へ! 世界一に! 蓮くんを絶対に韓国に連れてくるぞ! 最後のは誰かわかりますよね。