二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [銀魂] No thank you!! [男主トリップ] ( No.34 )
日時: 2010/08/23 16:09
名前: 廻 ◆WzjlKevOGE (ID: tuG0e6yh)

第九訓:ついていない、ついていない……。プラス思考になりたくてもなれないんだよコノヤロー。

「ガラにもなくうなされていたようだな……。昔の夢でも見たか?」

「ヅラ? なんでてめーが」

銀さんと、聞いたことのない声。
いや、アニメでは聞いたことがあるな……確か。
桂 小太郎、の声だったか。
神楽ちゃん達のことを思い出した銀さんが勢いよく布団から飛び起きる。
俺はまだ、はっきりと意識が覚醒しないため寝たふりをしているところだった。
「神楽に、新八……っ祇月は!!」
珍しく真面目な銀さんの声。

「俺ならここですよー」

手を銀さんに見えるように振った。
「お。起きたか。お前もあまり動かないほうがいい」
銀さんの傍に立つ桂さんがそう忠告する。
「よいしょっと」
俺はその忠告を完全無視し布団から起き上がった。
こうしちゃいられない。
神楽ちゃん達が、麻薬に侵されているかもしれない。
そして銀さんと同時に立ち上がろうとして、

布団に頭から落ちた。

体が酷く痛む。
特にあの時撃たれた右脇腹。
くそーあの潔癖野郎め。
それに銀さんの怪我も酷い。
「左腕は使えぬうえ、肋骨も何本かいってるそうだ」
桂さんの説明を聞いただけでこっちが痛い。
俺が再びなんとか立ち上がろうとした時、腕を掴まれ布団に戻される。
俺の腕を掴んだのは桂さんだった。
「お前のほうが酷いということを知れ。右腹の銃傷に転落時の打撲「いいの、俺は」
桂さんの言葉を遮り、俺は近くに置いてあった真選組の隊服を羽織る。

「今最優先なのは、怪我よりも神楽ちゃんと新八。そしてあの陀絡ってヤツをぶん殴ること!!」

それに銀さんも笑みを浮かべ立ち上がる。
「そうだな。仲間はほっとけねェ」
俺等のその様子に桂さんは大きな溜息を落とし、近くにあった刀を取る。

「銀時、今から俺がお前の左腕だ」
「じゃあ、俺肋骨になりましょうかね」

その後俺と桂さん二人で少々見つめ合う。
そういや、この人攘夷志士だよな。
敵? 敵じゃね?

「貴様、祇月、と言ったか。真選組の者か」
「アンタ、ヅラさんですよね。攘夷志士の」

『敵じゃん!!』

俺等の声は見事に重なった。
でもまぁ、今回ばかりは助けてもらっちゃったし、
見逃すか。
桂さんも同じことを考えていたようで、俺等は一時的に仲間となった。

   *

船内

「大方天人嫌いの攘夷派の連中でしょう」
陀絡は幕府の高官であるはずの禽夜と会話を交わしている。
「もう一人、妙な侍がいましたが、そっちのほうは騒いだ客と一緒に始末しましたよ」

「それに、まだ子供のような真選組隊士が一人。恐らく始末できたかと」
陀絡は近くに置いてあった転生郷を手に取り、嫌な笑みを浮かべた。
「自由に商売できるのも、旦那の協力あってのことです」
禽夜はそれに同じ笑みを返した。
「真選組か……。幕府の犬め」

   *

「だァーからウチはそーゆのいらねーんだっって!!」
船外から天人の迷惑そうな声が聞こえる。
そして続いて聞こえたのは間抜けた声、銀さんの声だった。
「つれねーな。俺達も海賊になりてーんだよ〜連れてってくれよ〜」

「な? ヅラ、姫」

「ヅラじゃない、キャプテンカツーラだ」
「俺もそんな可愛げのある名前じゃないんだけど?」

現在銀さんとヅラは海賊のコスプレ、そして何故か俺は女物の海賊服に身を包んでいる。
ご丁寧に長髪のヅラまで。

「こらっ、祇月君。君、真選組ってバレたらやばいんでしょ? 女装してりゃバレねェって。似合ってるし」
耳元で小さな声で言う銀さん。
あぁ、こんなに人を殴りたくなったのは初めてだ。
「……まァ、バレたらやばいのはホントだし。仕方ないか」
俺は乗り気全くなしで二人の海賊と春雨乗り込み交渉に立ち会ったのだった。





(人間ついていない時はとことんついていない)
うん、そのとーり。
俺、今その状態なんだよ。