PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ドラえもん△真実と偽り▲スイクン編〜スイクンと因縁の魔法使〜 ( No.222 )
- 日時: 2011/05/11 21:58
- 名前: 空海 ◆hGk76NDXB. (ID: BoGAe/sR)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
第33話『魔法使』
スイクンは三日三晩歩き続けた。
あてもなくただひたすら。終わりはなかった。
気がついたら、周り一面菜の花に囲まれている。ここは…
スイクンはふっと気が楽になった。この場所に、ずっといたい。
スイクンはそう思った。
だが、現実は惨かった。スイクンはあまりの疲労に回路がおかしくなり、幻覚を見せられていた。
スイクンのいるここは、とある街角の中央。人々はスイクンをけなす様に見つめていた。
大都会にしかない猫形ロボットがわけの分からない行動をしている。
スイクンの意思は完全に夢の中にいた。
きれいな菜の花に囲まれ、楽しく野原を駆け回っていた。
「あはははは」
しかし、夢の外から見るそのスイクンはあまりにも哀れだ。
全身ぼろぼろで、目の焦点も合っていないはずなのに、ゆうゆうとうれしそうに何もない道端で楽しそうに駆け回っているのだ。
「なんてことなの…」
そういいながら、ある女性がスイクンに駆け寄った。
「ねえ、君。どこから来たの?」
女性はそうスイクンに問いかけた。だが、スイクンは聞こえておらず、楽しく踊っている。
こんな姿を見ているうちにだんだん人々の心が折れていく。
周りの人々はスイクンに駆け寄った。
「だいじょうぶかい?」
「しっかりしな。意識をとりもどしなさい」
などなどたくさんの言葉を受け取ったスイクン。
それがようやく聞こえたのか、スイクンは正気を取り戻した。
だがすぐ気を失った。
PR