二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- *2000突破感謝文。 ( No.253 )
- 日時: 2011/08/08 23:15
- 名前: 桃李 ◆J2083ZfAr. (ID: AuasFZym)
- 参照: 合作楽しそうだなぁ……
もし、私が彼を世界から切り離しても。
私の人生もあの人の運命も、何一つ変わらないって知ってた。
「ねえ珠香ちゃん、」
おとぎ話の続きを教えて。
そう懇願すると、彼女はきょとんとし、瞬きを数回繰り返すと「何のお話?」と聴いてきた。あ、そうだ。それを言わなくちゃいけないんだった。
「あのね、知ってると思うんだけど——『人魚姫』」
「うん、もちろん! っていうか桃花ちゃん、知らないの?」
「そのー……持ってた絵本の絵がやけに怖くて、開けなかったの」
へえ、と面白そうにくすくす笑う珠香ちゃん。悪戯っぽく微笑む彼女は酷く愛らしい。少し悔しかったけど、これは無知な私がいけない。ただ、どうしても続きが知りたかった。それで何か起こるかもしれないでしょ?
「ねえ、人魚姫は、」
海の泡になって溶けた後、どうなったの?
人魚姫はまだ、そこにいるの? 暗い海の中で泣いてるの?
私ね、本当の彼女が知りたい。だって、彼女だけバッドエンドなんて哀しいでしょ。
「——桃花、ちゃん?」
彼も、同じなんだもん。
冷たく閉ざされた記憶の中で、今日もずっと泣いてるの。幻影だけが、彼を受け止められるから。
でもね、私だって彼のこと助けてあげられるのに、酷いよね。バッドエンドは変えられない。だから、
だからせめて、これから続くストーリーはハッピーエンドでありますようにと、祈っているのに。
「……桃花ちゃん、ねえどうして、そんなに彼を想ってあげられるの?」
「わからない。わからないけど、何故か追いかけてしまうから」
理由なんていらない。理屈なんて知らない。説明なんて必要ない。言葉で語れるものじゃない。
だって私、春崎桃花は彼——吹雪士郎に、
( ただただ魅了されている! )
それだけの話、なのだから。
+
10日Pの曲 マーメイド/GUMI を参考にしました。
ようつべにもニコ動にもあるので、聴いてみて下さい。超可愛いです。桃李のセンスは腐ってるけど多分これは通常運転。