二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 刹那の欠片 【REBORN!】 久々更新14話up! ( No.89 )
- 日時: 2011/03/30 01:09
- 名前: 葵 (ID: 7jw4zwan)
15話 二重人格者来る!
「やっと来ましたね、沢田様」
チェルベッロ機関がツナ達を出迎える。
とは言え高い位置からで、ツナは若干見下ろされている事になる。
チェルベッロ機関は其処から飛び降りると、ツナを爪先から頭の先まで全て見た。
ツナの頭の上に?マークが浮かぶが、チェルベッロ機関は至って普通だ。
「皆様お待ちです。急いで校庭に向かって下さい。キル様、エル様もよろしくお願い致します」
「わ、分かりました…」
エルとキルに言う事を述べ、チェルベッロ機関は足早に其の場を去る。
俊足で、ツナの目では見れない程だ。
ツナが目を丸くさせると、キルがサラリと言う。
「テメェ、あれ位ならヴァリアーでさえ出来るって事を覚えとけ。此れだから餓鬼は嫌いなんだよ。早く俺の手掴め」
「へ?」
「早く!」
キルの怒声に近い声に怯えながらも、ツナはキルの手を掴む。
キルはツナのオドオドした態度に舌打ちを漏らしてから、深呼吸をした。
数回深呼吸をした後に、何回か飛び跳ねる。
———何をしてるんだろう?
俺…まさか早くに殺される!?
いや、まだそんなに長く生きられて無いって!
「おら、暫く目でも瞑っとけ。フリット…俗に言う、飛ぶ様に駆け去るってヤツだ。まぁ、実際飛んでるけどな。肉体が相当強化されてねーと、体がぶっ壊れんぞ。まぁ、雪浪に鍛えられたんだから行けんだろ」
「えっ…ちょっ!?」
目を瞑る暇も無く、キルは『フリット』で移動する。
体がぶっ壊れる、の部分で、ツナは目を丸くした。
が、時既に遅し。
キルの足が宙に浮き、ツナの足すら宙に浮く。
妙な浮遊感。
———う、浮いてる…!?
飛んでる!?
いや、どっちでも良いんだけど!
あっと言う間に校庭に着き、ツナは唖然とした。
既に自分以外の人達が全員集まっている。
若干見た事の無い顔もあったが、既に自己紹介は済んだらしい。
「十代目ぇッ♪」
「ご、獄寺君に山本に了平さんにランボに雲雀さんに…クローム…。全員身体中怪我だらけだね…」
「相手側の由良 明日香とか言う奴にやられたんすよ…。まぁ、もう同じ技にはかかりませんけどね!」
にこやかに微笑む獄寺の笑顔は少し爽やかだ。
雲雀すら怪我を少ししているのに驚くが、一番怪我が酷いのはクロームだ。
いつもの顔色が今日は土気色をしている。
「さぁ、戯れ言は終了だ。チェルベッロ機関
早く組み合わせを教えろ」
夜がサラリと会話をかわし、チェルベッロ機関に聞く。
聞くと言うより、むしろ命令だが。
チェルベッロ機関は眉一つ潜めず、書類らしき物を手に取り、つらつらと述べる。
「沢田 綱吉vs黒山 夜。獄寺 隼人vs紀川 雪浪。山本 武vsキル・リオン。笹川 了平vs新月 一焔。ランボvsエル・リオン。クローム髑髏vs由良 明日香。雲雀 恭弥vsロキ・ライトル」
「以上が、九代目に言われた組み合わせです。因みに練習相手と違う相手になる様に設定されております。苦情等は一切受け付けておりませんので、悪しからず」
———俺が、先生と…!?
ツナは驚きと怖さの余り、動きが止まる。
山本・獄寺・クローム・了平・雲雀は至って普通そうだが…。(ランボは最早論外である)
———でも、ランボは前みたいに怖い奴とじゃ無いから…まだ良かった…のかな…?
レヴィとの時の壮絶としか言い様の無い死闘。
あの際に受けた傷は最早完治しているが、傷の問題では無い。
此の危険な戦いに、幼いランボを巻き込む事が嫌なのだ。
特殊な皮膚を持ってはいるものの、まだ完全とは言えない。
「では、本日の戦いは———ランボvsエル・リオン。雷の守護者から始めます」
雷と言っても、彼女の属性は雷では無いのだが。
「ひ、ひぇっ…私からですか…?」
怯えの色が見えるエル。
ツナはそんな彼女を、少し可哀想だと同情する。
………のも束の間。
不意に、彼女が目を閉じた。
目を開いた時、明らかに彼女の目付きが変わっていた。
先程までの怯えた感じは無く、猟奇的な表情。
余りの変貌に、ツナは思わず唖然とした。
「ん〜っ! よく寝たわ。日本に着くまで、やたらとエルの時間帯ばかりだったのよね。あら、雪浪に一焔にロキにキルじゃない? 久し振り♪」
ヒラヒラと彼女は雪浪達に手を振る。
彼女はツナ達に気付き、品定めするかの様にじろじろとツナ達を見る。
「貴方達よね? ボンゴレファミリー守護者。……こんな餓鬼までいるの? しかも私が相手? …萎えるわ…」
「えと、あの、貴女は…」
「私? 私はね、『リオン』。彼女は二重人格者でね、戦闘の時とかだけは私がやるの。兎に角、餓鬼だろうと何だろうと、私は与えられた任務をこなすだけよ。さ、早く始めて頂戴、チェルベッロの方々」
怪しげな笑みを覗かせ、彼女は言った。
思わず、其の笑みにツナ達は魅了された。